株式会社ユウメディア

1982年に設立された「株式会社ユウメディア」は女性向けのコミックやアニメ、ゲームなどサブカルチャーに焦点をあて、大規模イベントや通販、出版、WEBコミュニティなど幅広い事業を展開している。趣味の世界をリードし、またバックアップするユニークな企業である。
しかも“女性向け”に特化しているところが大きな特長で、業界での知名度は実に高い。
「サブカルチャーの分野は一般的に男性目線で語られることが多いが、当社では女性目線を大切にすることで成長してきました」と同社代表取締役社長の山崎哲明氏は言う。

事実、同社の業務の3本柱は全て女性の発想から生まれている。
１つ目は1987年から開催しているイベント事業。「編集プロダクション時代、女性スタッフ達が熱中していた趣味の同人誌作りをサポートしてあげたことがきっかけでした。現在は北海道から沖縄まで国内を縦断しながら年間約300回ものイベントを開催しています。」と山崎氏。10代～20代の女性を対象とした同人誌イベントを中心に、ドールや雑貨、コスプレなどテーマ別のイベントも展開しているという。

2つ目の柱は1996年からスタートしたコミックやゲーム、ドラマCDなどを扱う通販「快適本屋さん」。カタログ誌やパソコン、携帯などの各媒体から商品を購入することができる。「女性向け同人誌の通販では質・量ともに日本一だと思います。当社の専売作品も数多いですね」と山崎氏は同社の優位性を説明する。この通販を利用するには会員登録する必要があるが、2008年７月現在の登録数は約18万人。その数はスタート以来、右肩上がりに伸びてきた。また、リピーターが非常に多いのも「快適本屋さん」の大きな特長だ。

3つ目の柱は、2004年からスタートしたWEBコミュニティ。インターネット上に存在する架空の男子校「私立クレアール学園」に入学し、学園生活を楽しむという設定だ。若い女性社員たちの発想から生まれたこのユニークなコミュニティは、口コミであっという間に人気が広がり、2008年７月現在、登録者は4万人を突破。その9割以上が女性という。彼女たちが男子学生になりきり、様々な学園行事を経験し、友情を深め合いながら、“非日常”を楽しむというわけだ。同コミュニティの収益は、自分の分身となるキャラクター「アバター」向けのアイテムを販売することで確保している。

その他、同社では出版事業も行っており、複数の同人誌作家の作品をテーマごとにまとめたアンソロジーコミックを年6～7冊発刊。また、女性向けの旅行ガイドブックなどを編集、出版している。

同社の従業員数は約50人。 “女性の趣味を応援すること”を企業のポリシーとしているため、従業員の9割以上が女性である。年齢層は20～30代が中心。「年齢の近い女性が多いせいか、職場はとても和気あいあいとした雰囲気です。上下関係もあまり厳しくなく、フラットな感じで、とても働きやすい環境だと思います」と人事担当者は語る。社員の服装もラフでカジュアル。でも、「（仕事を）やる時はやるというけじめのある会社です。ミーティングも真剣ですし、時間を忘れて業務に没頭する人が多いですね。」と話す。

同社では毎年、新卒者を5人前後採用しているほか、随時、中途採用を行っている。中途採用者に関しては「新製品を企画・開発する創造性のある人、ディレクション能力の高い人を求めています。特に、WEB制作や開発系のディレクションができる人を最優先で採用したいと思っています。」と同氏。同社では面接時にイベント、通販、出版、WEBコミュニティという4つの部署のうち、どこで自分の力を発揮したいかを聞き、本人の希望を最優先して配属先を決定するという。配属後も本人の希望に応じて、配置転換を随時、行っている。「今後、イベント、通販、コミュニティサイトの各部門に最低でも１名づつ、プロフェッショナルなWEBディレクターを配置したいと考えています。」と山崎氏。

従業員は入社前から同人誌やアニメの世界に興味を持っていた人たちが多い。しかし、「趣味と仕事はまったく別物です。遊ぶ側、読む側から提供側に転向する難しさを乗り越えなければいけません。逆に、今までその世界を知らなくても、そこにビジネスチャンスを見出せる人なら、十分、当社の戦力になっていただけると思います。」と山崎氏は言う。

業務は上司からの指示でこなすのではなく、自分で発想し、作り上げ、結果を出すのが基本だ。それだけにやりがいもあるようで、社員たちの目は皆、生き生きと輝いている。「今までの会社では自分の能力を発揮できなかったと言う方に向いている、実におもしろい会社だと思いますよ。」と山崎氏は話す。

想像力、実行力、計画性を持ち、WEB制作・開発系のディレクションができる人、海外にクールジャパンの魅力を紹介したい人、クリエイティブにイベントや出版業務に携わりたい人、ぜひ同社で力を試してみてはいかがだろうか。