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インタビュー画像代表取締役 末永 貴志氏

貴社を設立する前に、紆余曲折があったと伺いました。

私は2012年から個人事業主として税務の業務を受託していました。ただ、上場会社から仕事を受けるには個人事業主では難しかったので、翌2013年に自分自身で出資して株式会社を設立。上場会社の決算支援等、年単位の仕事を受けられるようになり、2年目には売上が約3,000万円まで伸びる等、事業も生活も安定していったのです。 その一方で、苦労も絶えなかったですね。お客様1社当たりの売上が大きい分、取引を失った時のリスクも大きい。そのリスクを避けるため、お客様の依頼にはとことん対応する必要があります。社内での対応が厳しい場合には知り合いや業務委託の会計士に仕事を依頼しますが、当然、最終的には私が責任を負わねばなりません。自分の時間を切り売りしながら働いているうちに、何のために独立したのか分からなくなってしまいました。 そんな時に知人から、現在当社の親会社であるプロネクサスを紹介してもらったのです。

どのような経緯で貴社の設立に至ったのでしょうか?

当時のプロネクサスは、新しい事業を模索している時期でした。 プロネクサスは証券の印刷を専門とする会社として創業し、現在は上場会社のディスクロージャー・IR領域を支援する日本有数の会社です。近年、株券の電子化に始まり、有価証券報告書や株主への招集通知等あらゆる書類の電子化が進みました。そこで非印刷分野における事業領域を拡大する施策を検討しており、その1つの新規事業として上場会社向けのアウトソーシングサービスを開始すべく、プロジェクトチームが発足。私がプロネクサスへ訪問したのは、ちょうどそのタイミングでした。 取締役の要請で顧問を引き受けたのですが、なかなか話がまとまらない。それまで決算支援の会社はありましたが、開示書類作成のアウトソーシングに特化した会社はなかったので、無理もありません。しかしその事業に大きな可能性を感じていた私は自らリスクを取ると決め、過半数以上の株を持ち、残りをプロネクサスから出資してもらう形で当社を設立したのです。

2025年で設立10周年を迎えます。今後についての展望を教えてください。

設立以来、法定開示書類の作成に特化してきましたが、今後は上場企業の管理部門のニーズに応えるべく、サービス提供範囲を拡大していくつもりです。 開示書類の作成は、上場を維持するために上場会社が行わなければならない義務ですから、経営層の方々はコストと捉えているでしょう。そうすると競合との価格競争になってしまいます。そこで当社では、経営層の方々が本当に必要としている情報にアクセスできる、そんな体制作りを検討中です。例えばグループ各社の業績をタイムリーに把握したい、事業ごとの採算を正確に把握したい…等、管理会計の分野での体制作りまで提案できれば、コストではなく投資として捉えてもらえると思います。 また、お客様1社当たりで関われる業務領域も広げていくつもりです。数年前から開示書類作成の前工程である連結決算のサポートを始めましたが、これからは内部統制の構築サポートも視野に入れています。どの領域にも知見を持つ大手監査法人出身の会計士が中心となっている組織ですので、これらのサポートも実現は可能です。

改めて、末永様の職業観はどのようなものでしょうか。

生活費を稼ぐためだけに働く、ということはしていません。それは私だけではなく当社の社員も同じです。人生の中でそれなりの時間を仕事に費やすわけですから、そこで何を成し遂げるのか?ということを常に意識しています。 そういう意味で私がこだわっているのは、「自分がサービスを提供することを通じて、喜んでくれる人がいるか」ということです。喜んでもらうためには、時間当たりの単価云々は関係なく、とことんお客様に尽くす姿勢が欠かせません。尽くした結果として、お客様からの信用を獲得して次の仕事をもらえて、中長期で良い関係が築けるようになるのだと思います。そしてそれが一生のお付き合いへと発展していくことになるでしょう。 私はずっとそこにこだわりながら働いてきました。「本当に喜ばれる仕事をしているか」と自問自答しながら、お客様の期待を超えるサービスを提供する姿勢は、今後も変わりません。

最後に、お忙しい末永様のリフレッシュ方法を教えてください。

いろいろあるのですが、直近ではホノルルで行われるトライアスロン大会に向けてトレーニングを積んでいます。今度で2回目になります。元々体を鍛えていたわけではないので、初心者の参加が多いホノルルの大会でも、持久力が乏しい私にとってはハードなチャレンジです。 代表取締役というポジションにいると、誰かに注意してもらう機会が少なくなります。ですから、自分で自分を律しなければなりません。それを怠ると、周囲に迷惑をかけてしまうでしょう。そこで私は自分を律するために、一番苦手な持久力を鍛えるトライアスロンを選んだのです。 しかもトレーニングを積んでから大会に申し込んだわけではなく、まずゴールを設定するためにホノルル大会に申し込みました。そして、いつまでにどんなトレーニングをしなければいけないかを逆算。仕事はもちろん全力投球ですが、仕事以外の時間もスポーツや趣味に熱中することでリフレッシュしています。

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