株式会社TAiGAホールディングス

TAiGAホールディングスは、注文住宅事業、分譲住宅事業を手掛ける大賀建設を中核会社として、グループ全体でリフォーム事業、ビル賃貸事業等を手掛ける企業グループだ。創業は1979年。以来、埼玉県、北関東、東関東を地盤として注文住宅の建設を主に手掛けてきたが、住宅業界をとりまく環境の変化に伴う形で周辺事業にも参画。とりわけ近年は、住宅を提供したお客様に長く快適に暮らしてもらうためにリフォーム事業にも力を入れているほか、中古戸建住宅をリノベーションして再販売するサスティナブルな事業も手掛けている。ただし、メインは今も創業の事業である注文住宅事業だ。

注文住宅は「アルネットホーム」のブランド名で展開。間取りや設備、インテリアまで価格・予算に合わせてお客様の要望に応える完全自由設計の注文住宅で、営業、設計、施工管理、インテリアコーディネーターがチームを組んでお客様と打ち合わせを重ねる丁寧な家づくりが特徴だ。
「そもそも家づくりは設計、設備、色など打合せ箇所が多いのですが、当社は特にそれぞれの専門家がついて一つひとつ打ち合わせるので、時間も掛かるほうだと思います。会社としては回転が重いということになるのですが、お客様の満足度はとても高いです」と誇らしげに同社の家づくりについて語るのは、営業推進部部長の河北哲哉氏だ。

その言葉通り顧客満足度は90％以上。何かと不満が出がちな住宅業界においては驚異的な満足度の高さだ。高い省エネ性能・耐震性能に加え、家族ごとのライフスタイルや将来の生活を見越した暮らしやすい間取り・仕様の提案、無垢床を特色とする高品質な住宅を、大手メーカーと比べて身近な価格帯で提供できる点が大きな強みだ。河北氏は言う。
「少子化のなかで注文住宅市場が縮小していることは確かですが、我々はエリア展開も限定的で、直接社内で現場を管理して品質を担保。設計の自由度はもちろん高く、このような強みを打ちだせばまだまだ戦えます」

その言葉を裏付けるようにグッドデザイン賞、ハウスオブザイヤーインエナジー優秀企業賞、キッズデザイン賞なども受賞。外部機関からも住まいのデザイン・技術で高い評価を得ている。また、創業から45年、会社は堅実に成長して経営も極めて健全だ。
「創業3～4年目に赤字になったこともあったそうでが、その後は40年以上黒字経営を続けています。堅実に成長し、借入も付き合い程度で実質無借金経営。注文住宅をコツコツと真面目につくり続けた会社です」と河北氏。東洋経済新報社による未上場ゼネコン経営健全度ランキングでも北関東1位・全国2位の実績を誇る。

メインの注文住宅事業をはじめ、ホールディングス傘下の会社、事業のウェブマーケティングを一手に担うのがTAiGAホールディングスの営業推進部ブランディング課web係だ。少数精鋭でホームページ・SNSの制作と運用、SEO対策、広告運用等を行っている。係長としてチームを率いる山田稔晋氏は約10年前に入社。前職の旅行会社で長くマーケティングを担当し、その経験を生かしてほぼゼロからチームの体制を整えてきた。

同グループは今後ますますウェブマーケティングに力を入れていく方針だ。というのも、この10年で見込み客の購買行動が大きく変わり、ウェブのタッチポイントが不可欠になっているからだ。山田氏は言う。
「以前は住宅展示場に来て、見てまわるなかでアルネットホームを知り、その場で営業担当と接点を持つパターンが主流でしたが、今は見込み客層の7割がウェブ経由です。そもそも展示場にもホームページを見ていいなと思った方が来られます。ホームページやウェブの施策に成約が大きな影響を受けるようになっています」
大きな買い物だけに最終的には十分に現場を見て話をし、比較をした上での購入になるが、まず知ってもらう、次に来てもらうというプロセスにおいてウェブの重要度が格段に増している。

またウェブ上でTAiGAホールディングス、アルネットホームにたどり着くルートも、かつてはgoogle検索が多かったが今はSNSが主流だ。特によく見られているコンテンツは動画。大手ハウスメーカーとは違った個性、品質や性能、デザイン性の高さ、自由設計だから実現できる理想の家。これらを訴求するには動画が適している。

動画はほぼ社内で制作しており、性能やデザインなどの紹介のほか、アルネットホームで実際に家を建てたお客様の「ルームツアー」が好評だ。快く出演してくれるのは、建てた住宅への満足度の高さと、建てる前はもちろん、建ててからも長くお客様とTAiGAが良好な関係を保っているからこそだ。このようなプラスアルファの提供価値も含めて積極的に発信していきたい考えだ。健康寿命の伸び、住宅の長寿化、SDGsなどを背景にこれからはリフォーム事業の拡大も期待される。リフォームも動画やSNSに馴染むコンテンツだ。新たな仲間を得てチームを拡充し、ますますマーケティングを加速させていく。

このように手間が掛かってもよいものをつくり、建てたあとも長くお客様との良好な関係を築く社風は、創業時から脈々と培われたものだ。創業家の二代目にあたる現社長は一級建築士。一般に不動産系は営業主体の会社が多いなか、ものづくりを重視する社風は社長のこのバックグラウンドによるところも大きい。

「理想的な社長です」と一点の曇りもなく断言するのは河北氏。
「感情に任せて怒鳴られたりすることはありません。しっかりと計画を立てて提案したものに対して、頭ごなしにダメと言われることもありません。もちろん『ここはもう少しこうしたほうがいい』といったアドバイスはありますが、しっかり社員の声を聞いて考えを尊重し、信頼して任せてくれます」

風通しよく上下関係なく意見を言える雰囲気のなか、理解したうえでしっかり任せてくれる理想的な職場環境だ。チャレンジも推奨する。実際、山田氏は経験豊富なキャリア採用組だが、web係内には不動産や営業のバックグラウンドを生かして動画作成やSNS運用に力を発揮するメンバーもいる。意欲ある人には任せ、社員もその期待に応えてパフォーマンスを上げるよい循環がある。

ワークライフバランスも良好で、長く勤める人が多いことも同社の特徴の一つ。山田氏は元旅行会社出身なだけに大の旅行好き。年2回、長期の休みを取って海外に行く。気持ちよく有給休暇を取れるのは当然として、そんな働き方も快く受け入れられる社風だ。河北氏は新卒で入社してはや30年。同期も多く残っており、様々な部署で要職を務める。長く勤めて活躍し、培った絆から自然と助け合う空気も根付いている。就業時間は9時～18時だが、「就業時間内に効率良く仕事を行い、残業は少なく心掛けている」と山田氏。

埼玉西武ライオンズや大宮アルディージャの試合に協賛するなど地元に密着し、地元に愛され、お客様とも良好な関係を構築。社員も日々の生活や人生を充実させながら、楽しんで仕事をする。そんなよき会社だ。特筆すべきは社員旅行。コロナ禍以前は5年に1回程度の頻度でハワイや沖縄などちょっと豪華な旅行を楽しんだ。これも経営の健全度と社員を大事にする社風の表れだ。コロナ禍が終わり創業50周年を迎えるなか、そろそろ次の社員旅行も計画するタイミングだ。楽しみは尽きない。

創業以来、建てた住宅は1万棟を超えた。本業の家づくりはもちろん、ウェブマーケティングの素材も山ほどあり、発信すべきことはたくさんある。やりがいは大きいだろう。