株式会社CRAZY

相反する二つの物事を独自の目線で融合し、新しい価値を生み出し続けようと弛まぬ努力をする会社がある。オーダーメイド結婚式『CRAZY WEDDING』で名を馳せた株式会社CRAZY。

同社の現在のメイン事業は、東京・表参道にある式場『IWAI OMOTESANDO』の運営。そこで開催する結婚式は従来の披露宴とは大きく異なり、格式張らず本当に大切な物事をゲストに伝えるスタイルで、多くの感動を生み出している。

結婚を広く発表する目的で開催する「“新郎新婦”中心の披露宴」から、参加者がみんなで共に時間を楽しむ「ゲスト中心のパーティー」へとスタイルを変え、新しい結婚式のスタンダードを生み出した。

「『IWAI OMOTESANDO』でのパーティーは、お洒落で少しフォーマルだけど、おふたりの大切な人だけが集まったフランクな空間です。高砂はありませんし、豪華な花も派手な演出もありません。華美に着飾った儀式にするのではなく、結婚するおふたりが自らの人生の本質を見つめ直し、次のステップへ向かう機会にしたいという思いからです。結婚するおふたりが大切にしている人達との繋がりを再確認し、新たな人生の門出とするためのもの。そして、それをお手伝いするのが、私達の役割です」(代表取締役社長・森山和彦氏)。

同社が提供する結婚式で、とても大切にされているのが「手紙」。結婚する二人がゲストへ手紙を綴る。新しい門出に際して、これまでお世話になった人達に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、わだかまりがあった関係と素直に向き合うことで、過去を乗り越え、幸せな未来へ歩み出す。そのバックアップをするのが、同社の結婚式の真骨頂と言える。

「結婚するおふたりそれぞれのストーリーを紡ぎ出してゲストに伝えるのが、IWAIの結婚式。プロデューサーが丁寧にヒアリングして、二人の人生をゲストへ伝えるサポートをします。幸せな結婚生活を歩むスタートにしてほしいとの願いから、時には、結婚するおふたりの過去に一歩踏み込んだ話をすることもあります。結婚式をきっかけに仲違いしていた親子が仲直りし、お互いの気持ちを伝えあったこともありました」(森山氏)。

『IWAI OMOTESANDO』は、2019年のオープンから沢山のカップルに、形式にとらわれない結婚式を提供してきた。36カ月連続「東京都クチコミランキング1位」、ウェディングパーククチコミアワードでは2年連続で6冠を達成する等、ユーザーから高評価を得ている。

「オーダーメイド結婚式『CRAZY WEDDING』の事業を手掛ける中で、大切なのは形ではなく、その内側にある本質だと理解しました。お洒落で感動的な式を挙げたい、でも格式張ったのは嫌。だけど、フルオーダーでは準備が大変。そんな欲張りなユーザーニーズに応えるために始めたのが、『IWAI OMOTESANDO』です。素敵な式は当社で用意します。結婚するおふたりには、結婚式を新しい出発点にするための準備にフォーカスしてもらいます」(森山氏)。

同社が運営する『IWAI OMOTESANDO』は、結婚式以外の用途でも利用できる。お祝いで人と人が繋がる場所がコンセプトの『IWAI OMOTESANDO』では、様々な人生の節目でイベントが開催されている。

例えば、「結婚周年パーティー」。あるいは、「成人のお祝い」。他にも、「アートイベント」を開催したり、企業の「表彰式」を実施したり。『IWAI OMOTESANDO』では、いろんな人の人生が交差している。

「祖業であるオーダーメイド結婚式『CRAZY WEDDING』の頃から蓄積してきた“感動”を生み出すメソッドを活用して、個人の人生の節目に立ち会うだけでなく、企業のコミュニケーションに関する課題を解決するためのサービスも展開しています。法人・個人を問わず、何らかの理由でコミュニケーション不全に陥っている人達の間に入り、スムーズな意思疎通ができる場を提供する。それが当社の事業の本質です」(森山氏)。

同社には、大切にしているパーパス（存在目的）がある。「人々が愛し合うための機会と勇気を提供し、パートナーシップの分断を解消する」同社を語る上で欠かせないのが「パートナーシップの分断」というキーワード。

「結婚関係だけでなく、世の中にはあらゆる種類のパートナーシップがあります。そして悲しくも、意図せずにそのパートナーシップがあちらこちらで歪み、捻じれ、分断を引き起こしています。『祝い』という特別な空間の提供を通して、分断を解消する。それが私達の目指すCRAZYという組織の在り方です」(森山氏)。

2024年4月、同社は転職エージェント事業『CRAZY CAREER』をスタートした。『CRAZY CAREER』は、「且つ人生」の個人と「且つ経営」の法人の出会いをつくり、伴走する転職エージェントサービス。ここでも、同社のユニークな価値観が遺憾なく発揮されている。

「『CRAZY CAREER』がうたう、且つ人生・且つ経営に含まれる『且つ』とは、“どちらか”ではなく“どちらも”を実現しようとする欲張りなスタイルを指しています。資本主義社会において、『こういう人生にしたい』『こんな社会をつくりたい』といった『真の願い』は、利益や効率化との矛盾が生じやすく、どちらかを諦めてしまうことが少なくありません。どちらも諦めることなく、“且つ”に挑む個人と法人が出会うきっかけをつくることで『真の願い』と『経済合理性』を統合できる社会の実現を目指します」(森山氏)。

同社は、この「且つ」という考え方を非常に大切にしている。ウェディング事業でも転職エージェント事業でも、「且つ」の考え方を実践して、パートナーシップの分断を解消している。

「転職市場において、求人企業と求職者の間で分断が起きていると考えています。企業の雇用に関する考え方と個人が求める働き方のスタイル。そこに解消したい分断があります。『CRAZY CAREER』の事業では、企業と個人それぞれの願いを実現する道を探ります。そのためには、双方と丁寧なコミュニケーションを心掛け、本質をベースにした新しい関係を構築していきます」(森山氏)。

同社は「本質的に 美しく ユニークに」をVALUEに掲げている。会社経営やビジネスの現場においても、物事を本質的に考え、ユニークな発想で美しく仕上げることを実践している。

同社が根本に据えている「且つ」という考え方は、会社経営やメンバーの生き方にも当てはまる。

「矛盾に抗って諦めることなく“サードアンサー”を模索し続ける姿勢が“且つ”です。当社の経営においても『理想の実現と利益の追求』という対立概念に近い二つのサードアンサーを求め続けています。メンバーが日々の仕事をする中でも、みんな常にサードアンサーを求める姿勢を貫いています。それが唯一無二を自認する、当社のユニークなカルチャーの源泉です」(森山氏)。

メンバーの人生においても、この「且つ」を実践してほしいと願う同社では、仕事に打ち込める環境を整備するとともに、プライベートライフを充実させるための制度も積極的に生み出している。

「創業当時から人間性と生産性の両立を大事にした組織運営をしています。仕事とプライベートの高い次元での融合を目指して、人事制度に関しては、試行錯誤の連続といった感じです。原則、リモートワークを中心にした、裁量労働制のフルフレックス。業務時間という概念がないぐらい、メンバーはみんな自由にハードワークしています。オフィスでネイルやまつ毛パーマをしている人がいるレベル。でも、みんな当社の理念に共感してくれているので、アウトプットにはこだわって、生産性高くハードワークを楽しんでいます」(森山氏)。

同社は、ウェディング事業の経験をベースに、積極的に新規事業を展開するフェーズに入った。そのため、社内では新しいビジネスのアイデアがそこかしこで生まれており、職種にとらわれない自由なアクションが可能。

「いい意味で仕事が固定されていません。常に新しい事業が動いている状態なので、一人の人間がいろんな仕事を兼務しているカオスな状態です。ウェディング事業という安定した基盤の上で、『且つ』の考え方を駆使して『分断を解消』する。そのための仲間を探しています。ポジティブな仲間が揃っているので、生産的な議論が社内で沸騰しています。本気で仕事に打ち込み、且つ、充実したプライベートライフを実現したい人は、ぜひ一度お話ししましょう！」(森山氏)。

ブランドメッセージで『愛はみえる』とうたっている同社。不可能を本気で可能にする会社を目指している。ユニークなカルチャーを持つ会社だけに、一見、とっつきにくいかもしれないが、全社員の約2割が同社で結婚式を挙げた元ユーザーというだけあって、同社の考え方や価値観に共鳴する人にとっては最高な働きがいがあって、とびきり働き心地がいい会社だと言える。「且つ人生」を志す人は、ぜひ同社のカルチャーや価値観に触れてほしい。そこにあなたの求める人生があるかもしれないから。