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アイホン株式会社

  • IT/Web・通信・インターネット系

東証プライム上場。インターホンの新しい可能性を切り開くトップメーカー

上場

企業について

アイホン株式会社は、1948年6月の創業以来、76年の歴史を持つインターホン専門メーカーだ。販路は日本国内だけではなく、アメリカやフランス、オーストラリア、シンガポール、イギリス、タイ、ベトナムに現地法人を構え、世界約70カ国に輸出・販売を行う。

最大の特徴は、戸建て住宅向けのドアホンやテレビドアホン、オートロック等の集合住宅用インターホンシステム、医療・福祉施設用ナースコールシステム、産業・公共施設向けのIPネットワーク対応インターホン等、様々な市場に対してインターホンシステムを幅広く展開していることだ。戸建て住宅向けのインターホン、ナースコールシステム等、特定分野に特化したインターホンメーカーは存在するが、同社のように幅広い市場にインターホンを提供し、それぞれの市場で高いシェアを誇るメーカーは世界的に見ても他に例がない。日本国内におけるインターホン市場のシェアは6割にも迫る。

強みは自社一貫生産方式から生まれる品質の高さだ。マーケティングや商品企画、研究開発等の上流工程から、設計、生産、販売、アフターサービスまで、全てが社内で完結する仕組みを構築し、製品の高品質を担保している。

その品質の高さは、海外での使われ方にも端的に表れている。例えば同社が海外で最も高い売上を上げているアメリカでは、住宅市場以上に、学校や大型ショッピングセンター、駐車場等、公共市場でのセキュリティを担保するためのニーズが高い。商品企画部 マーケティング企画課 課長・三浦勇吾氏が語る。
「北米市場において当社は製品の動作信頼性を強みにセキュリティシステムとしてポジションを確立しています。銃社会である北米で緊急事態が発生した時に「必ず繋がる」というのは非常に重要な価値になります。また、病院などにおいてもナースコールのボタンを押して、たまに鳴らないということは絶対に許されません。当社のインターホンは利用環境に応じた信頼性を担保し、それが市場での競争優位に繋がっています」

その品質と信頼性の高さは、米国のホワイトハウス、フランスのモン・サン=ミシェル、イギリスのウィンザー宮殿等、世界の重要施設に採用されていることでも証明済みだ。

インターホン市場で唯一無二のポジションを確立する同社。現在注力しているのは、スタートアップ企業とオートロック式マンション向けに開発した次世代宅配システム『Pabbit』の本格展開である。創業以来、モノを作って販売するビジネスモデルで発展してきた同社が、サービスの提供で収益を得る事業に挑戦。システム作りやビジネスモデルの構築といったベースの部分を完成させ、普及に向けた取り組みを加速させる段階を迎えている。

EC市場の拡大や新型コロナウイルス感染症の拡大といった社会状況を背景に普及している「置き配」サービス。その指定先によく使われるのが、玄関前、宅配ボックス、車庫、物置等だが、オートロック式の集合住宅では、配達先の住人が不在であれば解錠できないため、指定の場所まで届けられずに持ち帰り、再配達せざるを得ない。この問題を解決するために開発されたのが『Pabbit』だ。

『Pabbit』は宅配荷物の伝票番号を認証キーとして、オートロックを解錠し、各階の宅配ボックスや各戸の玄関先まで荷物を届けられる宅配システムだ。マンションのエントランスに設置されたインターホンのカメラでバーコードを読み取らせるか、テンキーを使って伝票番号を入力。インターネットを通じて宅配会社のシステムと照会し、配達中の荷物と一致したらオートロックを解錠する。カメラやテンキーを備え、マンションのオートロックシステムに繋がるインターホンだからこそ実現できた仕組みだ。

三浦氏は『Pabbit』が誕生した経緯を次のように語る。
「以前当社が行ったある調査で集合住宅のインターホンを押す人の7割以上が宅配業者であったという結果があり、今後ECの利用者が増えていけばさらにこの比率は高まると予測しています。また宅配業者が多様化して見た目だけでは判別しにくくなってきており、宅配員を装う“なりすまし”のリスクも大きくなってきています。このような変化の中で、セキュリティと利便性の両立を課題として捉えていました。『Pabbit』のしくみであれば、記録からトレースできるID認証であることから“なりすまし”の対策にもなり、居住者の荷物の待ち時間からの開放、配達員の負担軽減、さらに再配達を減らすことによるCO2削減も見込めます。『Pabbit』は、まさに時代の変化にアジャストした新たなインターホンの形であるとも考えています」

ただし、元々インターホンは、独自のプロトコルで動く通話システムだ。近年、企業の拠点間通信や、医療システムとナースコールの連携等、外部システムと繋がる製品も開発してきた同社だが、基本的にサーバーやネットワークの知見・技術は強みとしてこなかった。そこで、自動受け取り型 IoT宅配ボックスを展開するスタートアップPacPort社との共同開発で『Pabbit』の仕組みを完成させた。

また、ビジネスモデルも、従来の同社にはなかった形態を取る。創業以来製品の販売で収益を上げてきたが、『Pabbit』は宅配・サービス事業者からプラットフォーム利用に対して対価をもらうサービスとしており、すでに大手事業社数社との契約が成立。他の宅配業者との交渉も順調に進んでいる。

一方、情報を読み取る側のインターホンに関しては、新築マンションに導入するインターホンシステムには全て『Pabbit』を組み込んだものを提供している。既設のシステムに関しても、更新を迎えたものから順次リプレイスしていく。国内集合住宅における同社のシェアは6割以上。それが普及の推進力となる。

人事部 部長・都築氏が同社のビジョンを語る。
「長らく単独で完結していたインターホンですが、近年は様々な外部システムと連携するニーズが広がりました。ただし、それはあくまでも限られた市場の中での連携です。これまで関わることのなかった宅配業者と連携し、モノ売りではないサービス、いわゆるコト売りで収益を得る。『Pabbit』はあらゆる点で新たな試みです。インターホンのコア技術を生かしつつ、様々な企業とコラボレーションして、時代のニーズ、お客様のニーズを叶えていきたいと考えています」

現在、『Pabbit』は商品企画部のマーケティング企画課が中心に全社を巻き込む形で、各セクションのあらゆる職種の人々が集まり、事業化に取り組んでいる。

「収益モデルを固めるゼロイチのフェーズから、今後は全社的に体系立てた体制でしっかりと事業を推進していくフェーズに移行しています。中長期的な成長事業として位置づけ企画からアフターまで全社一丸となり、事業モデルを回すための投資をして『Pabbit』に取り組んでいます」(三浦氏)。

特にリソース強化が課題となっているのが、2024年4月に開設したばかりの営業推進部 推進支援課 ソリューション推進グループだ。同社のナースコールシステムと他社が開発した院内システムの連携、新規事業のシステム構築等、ネットワークやITシステムを中心に営業活動を支援するグループで、現在は『Pabbit』事業に集中的に取り組む。

求めるのは、東京に勤務し『Pabbit』の営業活動を支援するITエンジニアだ。『Pabbit』を発展させるための構想を練り、共同開発を行うPacPort社を含め、社内外のステークホルダーと調整しながら実現を目指す役どころだ。

「国内のオートロック式マンションは半分以上が首都圏に集中しています。今後、『Pabbit』の収益化を図るにはまず、首都圏の攻略が必須です。ビジネスの視点で考えられるエンジニアを募集しています」(都築氏)。

創業以来、品質を重視し、堅実な事業運営を行ってきた同社。“自分の仕事に責任を持て、他人に迷惑をかけるな”という企業理念を土台として、“真摯”な社風を築き上げてきた。しかし、従来とは全く異なるビジネスモデルの『Pabbit』を確実に成長させるには、予測不可能な変化への耐性が求められる。これから採用する人材には、従来の誠実な企業文化を尊重しつつも、新たな風を吹き込み、周囲に刺激を与えるような、チャレンジ精神と柔軟性を備えた人材を迎え入れる考えだ。

「『Pabbit』は当社にとってはチャレンジングな事業ですが、社長がトップダウンでこの事業に投資することを全社に明言しています。堅実経営の当社が、全社を挙げて注力すると決意したのは、確かな勝算があるからに他なりません」(都築氏)。

“コミュニケーションとセキュリティの技術で社会に貢献する”、“顧客感動品質を創造し、世界中の人々に安心・安全・快適を提供し続ける”という二つの経営ビジョンを掲げる同社。『Pabbit』もグローバル展開を睨み、海外でも特許の申請を進めているところだ。また『Pabbit』が一通りの成果を収めた後は、さらに時代の変化に応じた“インターホン”の新しい可能性を模索していく。今、『Pabbit』事業に参画する人材には、その過程にも深く携わることが期待される。

「事業を成功させることは簡単ではありません。毎日のように課題が生まれ、厳しい面もありますが、そこを乗り越えることで世の中が便利になり、喜ぶ人が存在します。そこに執着し、喜びを見出せる方を仲間に迎えたいです」(三浦氏)。

東証プライム上場企業としての安定した経営基盤の下で、時代の最先端を切り開く事業に携わる。これまでの経験を生かし、新たなステップを踏みたいエンジニアには千載一遇のチャンスだ。

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企業情報

会社名

アイホン株式会社

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > 通信キャリア・データセンター・ISP

企業の特徴
上場
資本金

53億8884万円

売上(3年分)

20233613億円(連結)

20223528億円(連結)

20213519億円(連結)

設立年月

1948年06月

代表者氏名

代表取締役社長  鈴木 富雄

事業内容

通信機器・音響機器の製造販売

【主要製品】
■一般インターホン機器
家庭用インターホン 、業務用インターホン

■セキュリティインターホン機器
セキュリティドアホン、電気錠システム

■テレビインターホン機器
テレビドアホン

■ケアインターホン機器
ナースコールシステム、ホームケアシステム

■情報通信機器
生活情報盤

株式公開(証券取引所)

東証プライム

従業員数

1054人

本社住所

愛知県名古屋市中区新栄町一丁目1番 明治安田生命名古屋ビル10階

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