クオリカ株式会社

製造業、流通・サービス業に特化した基幹システム、ソフトウェア開発を手がけるITソリューションプロバイダ、クオリカ。1982年コマツの全額出資による情報システム会社”小松ソフトウェア開発株式会社”として創業以来、建設機械で世界シェア2位、日本シェア1位を誇るコマツのベストパートナーとして30年以上ものづくりの現場をIT技術でサポートしてきた。製造業の最先端で培ってきた圧倒的な技術力と豊富なソリューション事例を武器に、国内大手自動車メーカーからもパートナーに指名、数兆円規模の売上高を生み出す生産ラインをクオリカのシステムが支えているといっても過言ではない。また、財閥系大手物流商社、外資系大手コーヒーチェーンといった流通業・サービス業にも製造業で培ったノウハウを横展開するカタチでシステムを提供、いずれもプライム案件で10年以上付き合いが続く企業が大半だという。誰もが名前を知るクライアントのパートナーとして、最上流からビジネスモデルに合わせた開発ができる環境はクオリカならではだと言えるだろう。第二事業部ビジネスシステム第二部の部長松浦大氏はこう語る。

「現在、売上の半分以上がコマツ以外の開発案件。2008年には売上高日本2位のSierであるITホールディングスの一員となり、50以上あるグループ会社とのシナジーを活かしたソリューションができるのも我々の大きな強みとなりました。ハードウェア導入も含めた生産ライン・インフラ構築など大規模な開発案件も増えつつあります。海外有名自動車メーカーの日本進出を支えるシステム開発など、グローバルでの製造業を知るクオリカだからこそ可能なソリューションと言えるでしょう。」

コマツのグローバル展開では、中国、ヨーロッパに加え、南アフリカ、チリ、ロシアなど世界中のシステム立ち上げをサポートしてきた同社。今後、さらに加速していくグローバル化の流れのなかで、製造業、流通・サービス業問わず海外展開を視野に入れる企業にとって、クオリカは間違いなく重要なパートナーとなっていくだろう。

名だたる企業がなぜクオリカを選ぶのか。30年の歴史で築いたコマツでの確かな実績に加え、エンジニア一人ひとりがシステムをクライアントと二人三脚でつくるスタンスも高く評価されているという。産業事業本部第二事業部ビジネスシステム第二部主任の森田篤史氏はこう話す。

「当社のエンジニアは長期的スパンで育成プランを立てています。私も入社して13年でPG、SE、運用サポートを経て開発に戻ってきました、部長の松浦も同様です。お客様の一番近いところで業務を経験できるため業界ごとの商習慣も深く理解でき、現場とのギャップがない開発につながっています。その辺りもお客様に評価されているポイントだと思います。半年に一回キャリア面談がありますし、社員の希望は基本的に反映される風土。全部一通り経験した上で、志向に合わせてマネジメント、テクノロジスペシャリストとキャリアを選べます。一人ひとりパフォーマンスをフルに発揮できる会社ですね」

クオリカは基本的に自社開発・プライム案件だが、客先での打ち合わせにはエンジニア全員が参加する。キャリア、役職問わずお客様の顔や雰囲気を知ることが開発にとって大切だという考えがあるからだ。トップダウンでなくフラットな組織づくりを象徴しているのが『てきじゅく』という付箋と模造紙を使ったブレスト手法。

「『てきじゅく』を使った問題解決のミーティングを実施しています。例えば、進行中のプロジェクトについてみんなで好きな意見を自由にふせんに書き出し、模造紙に張りカテゴライズ。いいアイデアであればキャリア問わずすぐ採用、日々の業務カイゼンに役立っていますね。アナログなやり方ですが、常に知識の見える化、タスクの見える化を行うことは業務効率化につながりますし、若手にも意見発信の機会を与えることで、ボトムアップでアイデアが出やすい風土になっています」（森田）

現在、全社でおよそ830名もの社員を抱えるクオリカ、社員の平均年齢は30代後半。定年退職もいれた離職率は4.6％、定年を除くと離職率3.6％と業界屈指の定着率を誇っている（2014年度）。

「健康保険であったり基本的にコマツと同等の福利厚生なのでかなり手厚いです。私は結婚しているので、家族の分もサポートしてもらえる福利厚生はありがたい限り。生命保険や保養所など優遇されていると思う部分は多いですね」（森田）

年間休日125日、土日祝休みの完全週休2日制、月平均残業時間21.6h（2015年上半期）など働きやすい環境の追求を全社をあげて行っている同社。資格取得支援制度や産休育休制度、時短勤務などライフステージに合わせて末永く働ける仕組みづくりにも力を入れている。また毎年恒例の有名人を招聘して盛大にお祝いするクリスマスパーティには家族も無料で招待。エンジニアとして一歩一歩成長しながら、仕事も私生活も大切にできる風土だからこそ、高い定着率につながっているのであろう。一方で、製造業、流通サービス業以外のクライアントが急速に増えるなか、将来のリーダー候補となる若手エンジニアの不足が同社の課題となっている。

「今担当している大手商社では経営層の方と直接やりとりしながら要件を固めている最中、業界全体にインパクトを与える改革に取り組んでいます。また、2015年7月にはレッドハット、シスコシステムズと協業した次世代クラウドサービスを提供開始。その他にも東京大学と産学連携でM2M/IoT技術を用いた林業向けシステムの構築など当社の事業領域はまだまだ拡大中。」（松浦）

コマツのベストパートナーとして30年以上製造業、流通サービス業を支えてきた同社。東証一部上場企業のグループ企業という確かな経営バックボーンを武器に、世界中に影響を与える開発に携われる環境はエンジニアにとって大きなやりがいだという。仕事と生活、どちらも重視するエンジニアにとってクオリカは最良の選択の一つだろう。