株式会社イメージエポック

株式会社イメージエポックは、オリジナルゲームタイトルの企画・開発を行なう新進気鋭のゲームデベロッパーだ。設立は2005年と新しい会社だが、異色の成長ぶりで業界内で存在感を放っている。

同社の代表作に、ニンテンドーDS初の本格派シミュレーションRPG「ルミナスアーク」シリーズがある。この新タイトルは、10万本以上のヒットとなって同社の成功を予感させた。その後、「セブンスドラゴン」「アークライズファンタジア」などを任天堂向けに開発してきたが、2010年発売予定の「ラストランカー」ではPSPに参入。同年3月にはTYPE-MOONのビジュアルノベルが原作の対戦型ダンジョンRPG「Fate/EXTRA」の発売を予定しているが、いずれの作品もコアなユーザーからライトユーザーまで満足させるほどの本格的な作りとなっている。

同社内で同時に走るプロジェクトの数は4～5本だという。ゲームタイトルの企画・開発に携わるのは、総勢100名の社員。全部書一丸となり、ゴールヘ向けて「面白い」ゲームの開発に注力をしている。

同社のもっとも大きな強みは「人」である。29歳（2009年11月現在）の若き社長、御影 良衛氏は、10代からそのクリエイティブ人生をスタートさせている。高校3年生の時に既にゲーム業界に入り、大手ゲームメーカーを数社経験したほか、ある有名なムービー制作チームにも参加していたのだ。東京工芸大学芸術学部映像学科卒業後は、大手のRPG制作会社に就職したが、入社半年後には起業を決意し独立。豊富な現場経験、業界に対する深い洞察、そして経営に対する強い関心と才覚をあわせ持った人物のようだ。

同氏のもとに集まってきた人材も有能であり、新納一哉氏を筆頭に多くのディレクターが並ぶ。他にも多くのゲーム業界経験者が多く入社し、同社の成長を支えている。

いくつものゲーム会社がある中で同社が人材を吸引してきたのも、これらの「人」である。御影氏は「どういう会社組織をつくりたいのか」といった思いをはっきりと伝えることのできる経営者であり、その言葉が社員達の共感を呼ぶ。また、多くの若者が優秀な先輩に憧れ、自らもその下で働くことで成長することを目指して集まってくるのだ。

御影氏が「目指す会社像」とは、ゲーム開発を主軸としつつも、開発力以外に要求される総合的なクリエイティブ・パワー～たとえばマーケティング、プロモーション、コピー、デザインなど～を発揮できる会社である。現状あるゲームにとどまることなく、ゲームを起点に、アート、デザインの分野でもスキルを高めることで、通常のゲーム開発体制だけでは生み出せない、完成度の高いクリエイティブを実現していきたいというのだ。

今、世の中にあるゲームの類似作ではなく、オリジナルにこだわった作品を作っていく。そうすることで、作り手を育てていく。そんな考えも、御影氏にはあるようだ。歴史の長いタイトルを超えて愛されるような作品を作るために、社員一丸となって成長していこうと考えている。

同社では今後、パブリッシャーから仕事を受注するという従来のデベロッパーのあり方にとらわれず、より積極的にゲーム開発を主導していくことを目指して、上場する方針を決めた。

このため現在の同社は、毎年入ってくる新しいメンバーを教育し、会社のカラーを模索・確立しながら、会社としての様々な機能を整えていくという、非常に重要な時期にある。そこで、会社を一緒に作りあげていきたい、こういうゲームを作りたい、こんなRPGを実現したいという強い思いを持つ仲間を迎えたいと考えている。

現在、在籍する社員は20歳代～40歳代で、平均年齢は29歳。年齢層が比較的若いこともあって、風通しは良く、社員と経営陣の距離も近い。実際、社長室は存在せず、フラットなオフィスで社長と社員の密接なコミュニケーションがある。現場経験のある御影氏はクリエイターにとってよき理解者であると同時に、同氏が定期的に発信する自らのビジョンは社内に浸透し、全員が同じ方向を見据えて進んでいるという。また、毎年7名前後の新卒社員を迎え入れており、若手が活躍できる環境にある。会社の雰囲気としては、和気あいあいとしながらも、誰もがプロフェッショナルとして実力を発揮し、夢や目標をかなえようとがんばっている。そんな魅力のある会社である。