東京ドロウイング株式会社

東京ドロウイング株式会社は、エレクトロニクス分野の設計・開発から試作・製造までを一貫して提供する総合エンジニアリング企業である。

1954年の創業時は、機械・構造設計のみを手がけていたが、1980年代に顧客のニーズに応えるため、プリント基板設計と半導体開発設計にも事業を拡大。
現在では、電子回路設計から筐体構造までの開発設計に特化した高度な設計ノウハウを蓄積している。

また、独自の要素技術を持ち、「高速信号処理」「高周波」「組み込みソフト・ファーム」「画像インターフェース・画像処理」「センサーアプリケーション」などの分野で多数の実績がある。

高度な設計力、技術力とともに同社の強みとなっているのが、200名以上在籍する設計者だ。
これらの経験豊富な設計者たちのスキルとノウハウを最大限にいかすことにより、多彩な技術提案が生まれ、付加価値の高い設計サービスを提供できるだけでなく、短納期への対応も可能となっている。
そして、試作・製造まで同社で対応する一貫体制を整えているため、顧客の負担も大きく削減されているという。
柔軟な発想を磨くこと、新しい技術へチャレンジし続けることを絶えずおこなってきた同社だからこそ、変化し続ける顧客ニーズに対して的確に対応し、創業以来、長い年月にわたり顧客との深い信頼関係を堅持してきたといえる。

これまでに大手電機メーカーを含む100社近い企業の製品開発に重要なパートナーとして携わってきた同社も、近年はその技術力・開発力を自社製品開発に向け、新しいビジネスモデルを確立するアクションを起こしている。

将来は自社オリジナルブランドを創り出すことも目標に掲げ、自社の特長である技術志向、成長意欲をベースに社会やお客様とWIN-WINの関係を築き上げていきたいと考えている。

同社が取り組んでいる事業領域は、「システム開発」「製品開発」「ソフト開発」「ボード開発」「デバイス開発」「研究開発」の6つである。

「システム開発」においては、不安要素ゼロを目標に掲げ、納品物はもとより完成までの工程を含めて、顧客満足を高める努力をかかさない。

「製品開発」では、迅速な対応を旨として小ロットの試作品や治具づくりをおこなっている。

「ソフト開発」では、通信分野での実績をいかした組み込みソフトウェア開発に最も注力している。開発から試験まで一貫対応をつよみとしているが、要望に応じて、開発工程の中の一部分だけを担うことも可能だ。

「ボード開発」では、回路設計からプリント基板設計そして、製造、部品実装、試験評価まで、幅広いニーズに対応。部品実装、基板製造においては、ハロゲンフリー、RoHS指令などの基準をクリアした環境対応製品を提供している。

「デバイス開発」では、LSI/FPGAの仕様検討から要求仕様のコンサルティング、検証、量産など多面的にサポート。

これらに加えて、「新しい技術への挑戦」「培ったノウハウの蓄積・継承」「新しいビジネスモデルの開発」をコンセプトに掲げて、「研究開発」にも取り組んでいる。

どの事業においても、顧客から開発したい製品についての要望をもらさず、正しく聞き取ることが非常に大事だ。「つくりたいものは何か」「どのようなことに使う製品か」「加えたい機能は何か」などを把握した上で、実現するための技術提案をおこなうのが、同社の主な役割になる。

以前の開発の流れは、顧客から試作品の提示があってスタートすることが多かったが、最近は「こうしたい」という要望からはじまることが非常に増えている。
その際に「話に耳を傾ける」「深く理解する」「疑問を投げかける」など顧客と上手くコミュニケーションをとることは、顧客の要望を実現し、付加価値の高い技術提案をおこなうためにも、重要なスキルのひとつである。

同社は、「社員一人一人が個性と能力を伸ばしながら、会社とともに成長しよう」という経営理念を掲げ、個々人の成長を通じてこそ、会社も成長・発展が可能になると考えている。

社員を人材ではなく、「人財」ととらえて、最も重要な経営資源と位置づけ、「優れた技術者」そして「良き社会の一員」として成長するための教育・研修制度を完備し、社員の育成に積極的な姿勢で臨んでいる。

資格取得時の受験料を半額～全額援助する資格取得支援制度、社外研修や展示会見学の費用を原則全額援助する社外研修・展示会費用援助制度などを設け、自発的に最先端の技術を学ぶ機会を推奨。すべての社員が優れた技術者へ成長することを支援している。

社員の定着率も非常に高く、仕事で困ったときにはお互いに相談に乗ったり、アドバイスをし合ったりすることが当たり前となっているという同社。堅苦しい雰囲気はまったく感じられず、風通しが良い職場環境だ。人財を大切に育て、共に成長を目指す同社の理念「共育」が全社に理解され、深く浸透していることを示す企業風土といえるだろう。

2016年同社は創業63年目を迎え、会社のさらなる成長・発展を目指す第2創業期と位置づけ、さまざまな取り組みをスタートしている。新たに導入された人事制度もそのひとつで、6段階の社員等級に対して評価軸を「成果」に定め、年齢・社歴を問わず能力・努力次第で昇級できる。

会社をスキルアップする場ととらえて、自ら考え、計画・実行できる「人財」であるならば、会社とともに大きく成長する喜びを強く実感できるだろう。