東洋電機製造株式会社

2009年に創立90周年を迎えるにあたり、中期経営計画「イノベーション90プラン」に取組む東洋電機製造株式会社。その一環として、事業拡大の推進力となる人材を積極的に採用する。<br /><br />同社は、交通・産業・ITの3つの主要事業を抱える。主要事業である交通事業部では、車両用電機品、磁気浮上式車両用電機品、超低床式車両用電機品などの交通システム。産業事業部では、回転電気機械、制御装置、自動車開発用試験装置、情報システム用機器、上下水道設備システム、発電装置などのほか、ＥＶ車用インホイールモーター・風力・水力・ バイオマス発電機などのエコシステムを開発する。<br /><br />ざっと挙げるだけでも多種多様な、しかし国内外のインフラ整備に貢献するという点で共通する機器類。「心と技術を未来に」の合言葉のもと、人・社会・環境にやさしい技術を提供する。

1918年、外国製品の輸入に頼っていた鉄道車両用電気機器の国内開発を使命とし、石川島造船所（現・石川島播磨重工業）の社長であり京阪電気鉄道の役員でもあった渡邊嘉一氏が中心となり、イギリスのディッカー社との技術提携により設立。以来、独自の技術力で「世界初」のインバータ、発電機などを次々と世に送り出してきた。<br /><br />交通事業では首都圏だけでなく全国の鉄道会社と取引関係にあり、電車の利用者であれば同社の技術に毎日触れているであろう。今後は、国内では次世代新幹線などのシェア拡大を図る一方、インフラ整備が急務の中国、環境問題のため都市交通が見直される北米へ進出。世界を舞台に活躍が始まろうとしている。<br /><br />産業事業では、主に製造ラインの駆動システム、モーター、インバータ、制御装置などを製造。「主力の自動車の試験機に関してはトヨタ、ホンダ、マツダ、日産などを顧客に抱え、業界2位のシェアを誇る。また、新聞輪転機も新聞のカラー化の追い風を受け、好調です。」と冠氏は説明する。<br /><br />ＩＴ事業については鉄道事業分野におけるＩＣカード対応の携帯端末機器や次世代運賃計算システムからスタート、今後は一般産業分野にも取組むという。

産業事業部で設計グループに所属する2人の中途入社社員に話を聞いた。<br />以前は原子力・石油精製等の分野でプラント計装の制御盤設計及び配管盤設計に携わっていたという貞広氏。現在は、鉄鋼分野やリフトなどのシステム設計、制御盤設計を担当している。現在、以前の仕事での経験をフルに活かしつつ、一部上場の安定企業で安定した収入を手に入れることができたという。「今後、業容拡大に伴い、仕事がどんどん増えてきます。一人で黙々とするのでなく、協調性を持って一緒に働ける人に来てほしい。」と語る。<br /><br />また、同社に中途採用で入社して一年が経つという河合氏は、以前はゴミ処理施設の制御盤の作成を行なっていた。転職前は、技術者として本業である設計以外の仕事が多く、ひどい残業を強いられる毎日だったという。同社に入社してからは、専門の仕事に集中して向き合える環境に置かれ、充実していると話す。今後は、「営業に同行して顧客に直接出会い、その声を反映させる製品設計をすることで、現在の製品シェアを維持していくことを目標としたい。」と語る。<br /><br />2006年から事業部体制へと移行、生産現場と営業部門が同一事業部に存在する形でより効果的・効率的にものづくりを始めた同社。3人は、今後の次世代新製品であるインバータユニットや、製造ラインのシーケンス回路用CPUの開発に携わっていくであろう。<br /><br />「安定した当社で、安心して新しい技術開発に携わっていけるのが嬉しく、モチベーションに繋がる。」と語ってくれた。<br /><br />社内は窓に向かって講義型にデスクが並べられ、社員は集中して、しかしあちこちでコミュニケーションを取りながら仕事をしている様子がうかがえた。そしてなんと、一番後ろ、通路のすぐ前が役職者達の席。これは、社員が通路に向かう途中に上司がいれば、通りがかりに気軽にコミュニケーションが取れるからだという。働き心地は抜群だという同社。エンジニアとして、大いなる活躍のフィールドが広がっている。