株式会社アイル

「国内企業の99％を占めるといわれる中堅・中小企業の経営をトータルサポートし、ITを通じて日本経済全体を活性化させる企業になる」それが使命という株式会社アイル。
1991年の創業以来、着実に右肩上がりの成長を続け、約33年間で売上高175億8百万円［連結]（2024年7月期実績）、社員数938人 [連結]（2024年7月末時点）の規模に発展している東証プライム上場企業だ。

顧客企業は、製造業、流通卸、小売と幅広く、特にファッション、食品、医療、鉄鋼、金属の5業界で強みを持つ。システム運用やハードのトラブルに対する専属サポートチームを設けてのスピーディーな対応などにより、9割以上という顧客企業の高い契約更新率を誇っている。

創業者の岩本哲夫社長は、以前、大塚商会のトップセールスマンだった。
顧客企業への思いは人一倍であったが、管理職ともなると顧客企業との接点は薄れていった。また、管理職として最強のチームをつくっても、会社都合の辞令で離れ離れになってしまう。
そこで、「自分で会社をつくれば、信頼できる人間と長くいい仕事を続けていける」という思いと、「コンピュータだけでなく、アフターケアやサポートなどコンピュータにまつわる全てのことを一括して提供するという、顧客企業が本当に必要としているサービスを提供する会社をつくろう」という思いが重なって、同社を創業する。

「当社の強みは人材力にあると思います。技術も重要ですが、それ以上にお客様に高く評価されるマネジメントスキルを先輩が後輩に教え込むというよき伝統が脈打っています。この風土が当社の財産といえるでしょう」と常務取締役の土井氏は胸を張る。

アイルのポリシーは『Free，Love＆Dream』。 普遍的なテーマをイメージし、これらのテーマを真剣に追求している。 社会に貢献でき、働く我々も共に人生を楽しむことができる企業であり続けることが目標。アイルが一番大事にしているのは企業のポリシーであり、人間性だ。

同社は、販売・在庫管理といったリアル領域の業務と、EC構築・運営といったWeb上の業務の両面を、同社1社で開発から提供・サポートまでトータルで支援できる点が強み。他社との最大の差別化につながっており、商談時の高い競合勝率にも表れている。
主なサービスは以下の通り。

◆販売・在庫・生産管理のイージーオーダーパッケージシステム「アラジンオフィス」

以前は、機能は多いが活用し切れず、かつ高価な大手向けERPか、シンプルで安価であるが業務に合わせづらい市販ソフトしかなかった市場に、カスタマイズが容易な柔軟性、高機能で低コストというバリューで参入。主要5業界の中堅中小企業に評価され、約5000社の導入実績を誇る。

これらを動かすサーバや端末、ネットワークなどのハードは、同社が最適な製品を選定し、必要な設定を施して納品。また、システムトラブル時の対応も一手に引き受け、情報システム要員を持つ余裕のない中小企業をフォローアップしている。

◆BtoB専用ECパッケージ「アラジンEC」

企業間の専用ECサイトを構築することで、導入企業とその取引先の業務効率化や利便性向上につなげる。業務効率化に留まらず、新たな得意先企業の発掘や売上アップにつなげるための活用など、販促ツールとしての利用も可能。「アラジンオフィス」や他社の基幹システムとも連携できる。

◆複数ECサイト一元管理ASPサービス「CROSS MALL」

複数ECサイトの商品登録・在庫・受注・発注・仕入の一元管理が可能。
「アラジンオフィス』と組み合わせることで、物流や実店舗という“リアル”とも連携できる。システムの提供に留まらず、ECバックヤード担当者の陰の取り組みに光を当てるイベントや、メディア「B.Y」も運営している。

◆ポイント・顧客一元管理ASPサービス「CROSS POINT」

実店舗とECサイトのポイント・顧客情報を一元管理できる。
他社のPOSシステム、ECシステムとの連携が可能なため、システムの入れ替えなしで導入できる。
また、「CROSS POINT」のデータを活用した消費者向けアプリも作成可能。消費者の動向に沿った商品・サービスの提案や、ECサイト・近隣店舗を案内できる。


「これら領域のどの切り口からでも当社と接点を持ったお客様は、当社の対応力を知って、『ではこれも頼む』と広げていっていただくケースが多いですね。当社はこれらのサービスをすべて社内で完結できるので、非常に効率的かつ有機的に連携させることができるのが大きな強みです」と土井氏は強調する。

自社開発システムの提供・保守を一貫して行う同社ならではの特徴の1つとして、顧客企業の前線に立つ営業担当者やコールセンター、システムを構築するSE（システムエンジニア）が常に連携する、「製販一体」の取り組みが挙げられる。

受注案件ごとに営業・SEのチームを構成し、一体となって顧客企業に対応することで、顧客企業の要件に沿った機能構成を提案でき、納品までの工数を削減し、無理のない納期で進行できる。
さらに、サポートコールセンターも社員のみで対応し、顧客企業からの声を開発部門にフィードバックすることで、迅速な機能改善につなげている。
これらの取り組みは、9割以上の契約更新率に表れているように顧客満足度の向上を実現し、加えて社員の残業削減や利益率向上にもつながっている。

同社には、「頑張った分だけ評価される」環境が整っており、それが評価制度にも表れている。
SEは、結果の大きさだけではなく、結果までのプロセスも考慮し、効率的に取り組めたか、といった生産高を意識した評価指標が用いられている。ポイント制で評価され、このポイントの高さも全体の評価に含まれている。

同社の強みは人材力にあると前述したが、その強化の源泉であり、求心力を高め社内を活性化する同社最大のイベントが、創業以来継続している“月報会議”である。社長や各部門のマネージャーが細部までの業績数字を発表し、活躍した社員を紹介。また、社長が今後の方針を語り、全員がベクトルを合わせる場ともなっている。

「当社は“ガラス張り”の経営で、本当に細部の数字までを公開することで、社員一人ひとりに“経営者感覚”が生まれています。また、会社の方向性が明確になることで、社員の成長も促進しています」と土井氏。

そのほか、社員同士で頑張っている人の名前を投票し、表に見えにくい貢献をした社員に光を当てる“入り札”制度や、社員同士で感謝を送り合うツール「Unipos（ユニポス）」を活用した評価制度もある。

また、社長に日々の気づきや顧客の声などをざっくばらんに発信できる“メッセージメール”制度も特徴的だ。
「経営層と社員間のコミュニケーションを図るパイプはとても太いので、風通しのいい組織が維持できていると思いますね」（土井氏）

福利厚生は、さまざまな休暇制度および保養所やレジャー施設などの会員価格利用はもとより、社員持株会など社員の財産形成を促進する制度がそろう。

特筆すべきは、休暇や時短勤務、各種手当を組み合わせた“アイル育児支援フロー”だろう。最大、子どもが小学校を卒業するまで無理なくシームレスに働ける環境が整っている。
また、全社員がシフト選択性の勤務形態で、働く時間や場所を柔軟に選べる。

さらに、女性の「生理」に配慮し、年次有給休暇とは別に月に1日まで取得可能な「生理休暇」や、全拠点の社内トイレに設置された生理用品なども、社員から好評。複数のメディアに取り上げられている。

求める人材は、「会社のスタンスや風土に共感し、アイルをもっといい会社にしていこうと考える素直な人」と土井氏は言う。ぜひ、直接自分の目で同社の魅力を確かめてほしい。