株式会社未来基盤情報センター

システム開発および、建築・土木分野を中心とするコンサルティングや数値解析、学術研究を手がけている、株式会社未来基盤情報センター。数値解析などの専門性とシステム開発力のシナジーを強みに、同分野にとらわれず多方面で要件定義など上流からシステム開発を受託している実力派企業だ。
2004年創業の同社は、大手建設コンサルタント企業グループのE・Jホールディングス傘下という安定した経営環境にありながらも、独立性を発揮。システム開発業務の大半をグループ外の企業や行政機関から受託している。
「コンサルティングや数値解析は建築・土木分野に極めて密接であるので、引き続きこの分野を足場としていきますが、システム開発はその限りではありません。全方位に向けて業容を拡大していきたいと思っています。そのためにもエンジニアを必要としています」と、代表取締役の志毛宏次氏は訴えかける。

同社の事業内容は次のとおり。
●システム開発
物流、製造、流通、金融、建設などの企業や行政機関の事業基盤となる、業務システムの要件定義から、基本設計、詳細設計、プログラミング、保守、インストラクションまで一貫して手がける。
「お客様のシステム開発の要望は、あいまいで抽象的なレベルのものがとても多いものです。我々はコミュニケーションのベースとなる“日本語”を通じてお客様の意図を推論し、また過去のケースをもとに、お客様自身も気づいていない問題を提示しながら、お客様の要望を一つひとつ明確に、具体的にしていきます。こうして詳細のドキュメントを作成できれば、あとはプログラミングをするだけ。つまり、システム開発の要諦はこの要件定義ドキュメント作成工程にあり、我々はこれを最も得意としています」と志毛氏は強調する。
技術においても、言語、データベース、OS、Webサーバーの各領域において広範に対応している。
これまで、次のようなシステムを開発してきた。

・生活用品試験業務システム開発
・オンデマンド配送業務期間システム開発
・エネルギーマネージメントシステム
・会員情報管理システムの開発

●コンサルティング
主にグループの建設コンサルタント会社からの要請に基づき、得意の数値解析などによるデータ面での補完や支援という形でコンサルティングに参画している。Excelはじめ、データベースや解析ソフト、GISなど様々なツールを使いこなせるスキルやノウハウが強みだ。
下記のような実績がある。
・地域防災計画の策定業務
・GISを活用した人口統計の評価
・液状化・揺れやすさの評価検討
・集団移転事業の検討

●数値解析
あらゆる建設に不可欠な、地盤および構造物の有限要素法（FEM）による解析を手がける。
代表的な実績は次のとおり。
・新規構造物建設による近接影響評価
・地すべり、斜面崩壊の評価
・圧密解析
・浸透流解析

●研究活動
一般財団法人産業施設防災技術調査会、早稲田大学、東京安全研究所と共同で、次のような研究を進めている。
・護岸の安定と側方流動調査
・海上火災予測
・構造物・施設の強靭化工法の開発
・小型加速度計の評価

同社の4名の社員の平均年齢は35歳。全員が理系出身で、社内はフラットで落ち着いた雰囲気だ。
「とはいえ、堅苦しいルールがあるとか、難しい話ばかりしているといったことはありません（笑）。数値解析の専任者はいますが、それ以外は全員があらゆる業務に柔軟に対応しています。もちろん、興味があればの話ですが、システム開発のエンジニアが数値解析やコンサルティングにも手を伸ばせる機会は十分にあります」と志毛氏。つまり、エンジニアが解析ソフトやGISにアプローチして、業務の幅を広げられる環境があるのだ。
全般的なスキルアップに対しても、本人の希望があれば学会やセミナーへの参加を推奨。
「セキュリティ対応の必要性に迫られ、みんなでアメリカのベリサインに勉強しに行ったこともあります」（志毛氏）
社内のコミュニケーションをよくするために、月1回程度飲み会を開いて親睦を深めている。
「といっても形式的なものではなく、例えば仕事に詰まって悩んでいるメンバーがいたら、みんなで飲みに出て意見を出し合う会にしてしまうといったスタイルが多いです（笑）」と志毛氏。
「日本語が理解でき、コミュニケーションさえ取れればどんなことでもどうにかなる」が信条の志毛氏は、したがって、求める人物像として「コミュニケーション力」を第一に挙げる。理系集団であっても、顧客の要望を把握することがすべての始まりであり、数学の知識などは二の次だからだ。また、数学の知識もコミュニケーション力があれば習得できる。
「当社は、お客様とのコミュニケーション、要件定義、システム構築、数値解析といろいろなスキルが学べます。なかなか面白いと思いますよ」と志毛氏は呼びかける。