LEC株式会社

企業ネットワークの設計・構築・運用を担うSES事業を軸に展開するLEC株式会社。金融業界を中心に、製造・流通・公共などの多業種において、ネットワークのコンサルテーションからデザイン・詳細設計・各種テスト・構築・運用まで全フェーズをトータルでサポートしている。

なかでも最も得意とするのはプロジェクトマネジメントだ。

「当社の強みは、私および社員が長年にわたり実際に携わってきたプロジェクトマネジメントの現場経験にあります。とりわけ銀行ATM ネットワークの拠点展開において経験が豊富で、数千から２万拠点規模の回線調達と工事コントロールを十数年経験した社員が複数名在籍しております。私は、現場感覚のないプロジェクト計画に多額のコンサルフィーを支払い、予想どおり失敗した巨大プロジェクトや、担当されるお客様社員の経験不足、見識不足によりプロジェクトをミスリードしてコストオーバーしてしまったプロジェクトなど、過去たくさんの失敗事例を見てきました。そのような経験から「すべてのプロジェクトに成功を」をミッションに掲げ、机上の空論を廃し、徹底した現場主義により「プロジェクトの成功」にフォーカスした「責任感づく本物の仕事」を追求することを信条としています」（紺乃氏）

2014年6月に同社を設立した代表取締役社長の紺乃一郎氏は、米大手通信企業AT&Tの日本法人や、国内大手インターネット企業IIJ Groupで長年にわたってプロジェクトマネージャーとしてのキャリアを積んできた人物だ。2001年に普及期のコンビニATMプロジェクトに着任してから2014年の離任時までに、20,000拠点を超えるネットワークの導入と、数十名からなるネットワーク運用監視部隊の牽引を経験している。十数年にわたって大規模コンビニATMネットワークや銀行支店ネットワークなどの金融インフラを広く支えてきた技術力と、大規模ネットワークにおける様々なフェーズに対応できるノウハウが同社の最大の強みだ。

「現在、当社が支援しているコンビニATMは全国で2万数千台になりますが、その規模のインフラを構築・運用するノウハウを持ちえる企業はそう多くはないはずです」と語る紺乃氏。コンビニATMのほかにも、銀行系消費者金融のネットワークなど大規模ネットワーク構築・展開の希少な経験を積み重ねていることは、クライアントからの大きな信頼につながっているという。

少数精鋭のメンバーで大規模金融ネットワークの構築案件に携わっている同社。今後はエンジニアの数を増やし、技術力の強みをよりいっそう発揮できる企業にしていく構えだ。

また、同社とは別に、歯科医院向けのアウトソーシングサービスを提供するMOCAL社、種子島産蜜芋を使ったオリジナリティ溢れるパウンドケーキを販売するGood Harvest社を経営している紺乃氏。ゆくゆくは関連企業を多数設立し、コングロマリット化を推進していく方針だという。

「資本力のある大企業との差別化を図って生き残っていくためには、多様な業界に軸足を置くことや、大手が手がけることができないようなニッチな領域を攻めていくことが必要になります。また、同業種ではなく異業種の複合体だからこそイノベーションが起こる可能性があると考えています。それぞれの事業領域におけるシナジーを創出できる戦略や智慧を持っていれば、コングロマリット化することは企業にとって大きな競争力になります。これは、グループ内での人材交流を活発化させることで当社のエンジニア一人ひとりが自己実現できる場をいっそう広げていくためでもあります。小さな規模の会社だからこそできることに、今後も積極的に挑戦していきたいです」（紺乃氏）

「社員がストレスなく価値ある仕事に集中できる環境」を目指す。それが紺乃氏の創業当初の思いだ。社員との信頼関係を前提とした「最低限管理」をポリシーとし、パフォーマンスに集中できる整備を第一に考えているという。

同社がクライアントからの信頼を勝ち得てきた背景には、高度な技術力や大規模金融プロジェクトの豊富な経験だけではなく、紺乃氏のこのような経営マインドがある。これは同社を語るうえで欠かすことができない魅力のひとつだ。

紺乃氏は次のように語る。
「もともとITの経験もなしにネットワーキング業界に入った私がプロジェクトマネージャーとして実績を積んでいくことができたのは、20歳の頃から経営について地道に勉強し、周囲の様々なことを経営と結びつけて捉える習慣がついていたおかげだと思っています。当時から調整ごとが得意で、人と人、複数のステークホルダーのそれぞれのニーズを的確につかんでWin&Winの形を構築できるセンスが評価されていました。

今でも、単なる自己主張ではなく、お客様にも当社の社員にも利益がある状況を生み出すことを常に考えています。『顧客満足度』というのは世の中ではよく言われることですが『社員満足度』については『顧客満足度』ほどには真剣に取り組まれているように思えません。『社員満足度』について、『自分が持っていないものを人に与えることはできない』という非常にシンプルな言葉で教えられたことがあるのですが、つまり、社員が満足だと感じていないと、お客様に対して満足感を与えることはできないということです。技術を売る企業においては、直接的にお客様に価値を創造するのはエンジニアです。そのため、いかに社員が働きやすい環境をつくれるかどうかを常に念頭において経営しています。これが結果的にお客様からの高評価にもつながっているのではないでしょうか」。

同社では、社員が働きやすい環境をつくるために何か特別な制度を敷いているわけではない。「簡単に言えば、社員の邪魔をしないという発想です」と紺乃氏。無駄な会議はやらない、必要ない事務作業は入れない、トラブルの未然防止に気を配るなど、そういった日常的な些細なことを徹底して、社員が本来の仕事に集中できる環境に近づけているのだ。

社員の人脈などを通して、「この人と一緒に働きたい」という思いで集まったメンバーたちが活躍する同社。メンバーの多くは、紺乃氏の経営マインドや自由な社風に惹かれて参画しているという。ビジネスライクなつながりではないため、自然とメンバー同士の信頼関係や連帯感も生まれており、全員で一丸となって会社を面白く大きくしていきたいというようなポジティブさが、同社の成長の原動力にもなっている。

紺乃氏は次のように語る。
「以前、私がよく通っていた美味しい料理屋さんがあったのですが、あるときメニューがいくつかなくなっていたんです。板前さんが辞めてしまったということが分かり、一ヶ月後にはもう別の店になっていました。同じように、企業独自の価値の本質は単純に『人』だと思っています。社員がいかに居心地よく誇りとやりがいを持って働くことができる環境をつくれるかが最も大事で、それが必ず新たな人材を引き寄せ、会社の発展にもつながると考えています」

何よりも「人」や「つながり」を大切にし、常に仲間を尊重し合っているという同社のメンバーの結束力は固い。数ヶ月に一度の懇親会も任意参加だが、参加率は非常に高いという。
「SES系の会社は必然的に常駐先にもコミュニティができてくるため、帰属意識も薄れてしまいがちなものだと思うのですが、懇親会には社員だけではなく、関連会社の方が参加を希望されたりもします（笑）。自社飲みよりアットホームで居心地が良いと言って来てくれる方もいるんです」と紺乃氏は笑顔を見せる。

そんな同社が求める人物像は、プロフェッショナルとして自分の仕事に強い誇りを持っている人。もし失敗しても、安易に負けを認めるのではなく、人一倍悔しがり、「そんなはずはない」と原因を究明していけるような技術者としてのプライドを持つ人だという。

紺乃氏は最後に次のようなメッセージをくれた。
「大規模なネットワークの構築運用案件に携わり、最新の技術にも触れながらエンジニアとして成長できることは、当社で働くうえでのやりがいになると思います。一方で、ひとつの共同体として、創業期の坂を登っていく高揚感を味わいながら会社を一緒につくっていく魅力は非常に大きいはずです。

また、私自身が『自由』を大事にする人間です。もちろんそれは、制限のない自由『Freedom(フリーダム)』ではなく、社会的責任や貢献を伴う『Liberty（リバティ）』です。『本当の自由には責任が伴う』ことを理解している人にとっては非常に働きやすい環境だと思います。

新しい価値観で自分たちなりのスタイルで大を成していくということは、既存の社会秩序や価値観に対する挑戦になるのかもしれません。この挑戦に苦労が伴ったとしても、それでも『自由』というものを大事にしていきたいと考えています。仕事というよりはどちらかというと生き方に近いですね。私自身も社員に対する責任を果たすためにときには厳しいことも言いますが、そういったストレートなコミュニケーションのなかで、ともに人生における物心両面の幸せを追いかけていきたいです」。

これまでに培ったスキルや経験を生かし、自由な環境のなかで仲間と切磋琢磨しながら自分の実力を思う存分に発揮したいという方は、是非、同社にチャレンジしてみてはいかがだろうか。