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インフォ・ラウンジ株式会社

  • IT/Web・通信・インターネット系

⼤切な⼈に誇れる仕事を――。社会を開き、「働く」も開く、横浜生まれのシビックテック企業

上場を目指す
自社サービス製品あり
残業少なめ
カジュアル面談歓迎

企業について

自治体等の公共領域を中心に、オープンデータ化(データ利活用)を支援する、インフォ・ラウンジ株式会社。市民やコミュニティがIT技術を活用して社会解決を解決し、公共サービスを向上させる取り組みは「シビックテック」と呼ばれるが、同社がこの領域に力を入れる理由は何だろうか。そこには、同社の「行政がチャレンジする道を開き、社会を開きたい」という思いがあった。

同社は2007年の設立当初からシビックテックを手掛けていたわけではない。しかし、2009年に転機が訪れる。

代表取締役・社長の肥田野正輝氏はこう語る。
「2009年に横浜市で、市民参加型プロジェクトが開始されました。街のためにできることを行政と市民で共に考えようという活動です。その意見交換の場として市民SNSが活用されまして、当社はその開発に携わりました。思えばこの仕事が、シビックテックに関わり始めたきっかけだと思います」

2009年以降にシビックテック事業をメインとし始めた経緯を、肥田野氏はこう振り返る。

行政は、地域内各所で生まれた情報を集約したシンクタンク的役割も果たしている。だが、それを市民や民間企業が利用するには、情報開示請求等を行わなければならない。しかしその情報は本来、納税者である市民のものであり、自由に見聞きする権利がある、と考えることもできないだろうか。

このハードルを、ITによるデータ利活用で乗り越えることはできないかと、肥田野氏は考えた。
「ご存じの方も多いかもしれませんが、県庁や市・区役所をはじめ、行政ではIT化が遅れている傾向にあります。その背景にあるのは“新たなことにチャレンジしにくい風潮”だと、私は感じています。公的機関であるが故、行政は民間企業以上にミスを恐れます。ミスを防ごうとするあまり、試行錯誤から遠のいてしまうんですね」

しかし肥田野氏は、横浜市の市民参加型プロジェクトを通して、あることに気付く。このように、行政にとって難しい挑戦を、市民の一員ともいえる民間企業が支えられないか?そこに行政の発展、ひいては市民の幸せがあるのではないか?――そう思い付いたのだ。

「行政の一歩がゆっくりである理由は、行政なりの理論や致し方ない事情があるからなんです。そこを全面否定しようとは思いません。そこに、民間のIT企業としてどんな価値を提供できるか。その方が重要だと考えています」(肥田野氏)。

こういったオープンデータ化支援において、コンサルティングから開発、運用までワンストップで行うIT企業はまだまだ多くない。また同社ではアジャイル開発に力を入れ、行政の課題や事情を紐解きながら解決を目指している。こういった強みを生かし、数多くの行政のデータ利活用を成功させてきた。

前述のようなデータ利活用支援を行う同社。その使命を全うするために、メンバーは日々どのような姿勢で仕事に臨んでいるのだろうか。

同社では、以下の六つの価値観を掲げている。
■⼤切な⼈に誇れる仕事をする
■理不尽や⾮合理を変えていく
■多様性を前提とし、尊重し合う
■⾃由のために責任を持つ
■変化を恐れず成⻑を続ける
■価値を⽣む仕事で豊かになる

この中には様々な姿勢が読み取れるが、そのうち一つ取り上げたいのは、「失敗を恐れず、挑戦し続けること」。

行政のIT化やオープンデータ化という“大きな挑戦”を支援する同社。そのためには同社自身も、まだ見ぬものに立ち向かっていかなければならない。

「メンバーには、前代未聞のことでもどんどん挑戦しようと伝えています。挑戦に失敗はつきものですが、その先にこそ成功がある。私達自身がそれを実現すれば、行政側にも説得力を持って向き合えます」(肥田野氏)。

そんな同社のチャレンジを象徴するのは、クラウドシステムの活用。同社は昨今における行政IT化の流れの中でも、いち早くクラウドシステムを導入したという。

例えば兵庫県神戸市の公式イベント情報サイト「おでかけKOBE」も、同社がクラウド化でサービスの質向上を実現したプロジェクトだ。

ITに精通した人には無用な説明だが、サーバーレスなクラウド化によってメンテナンスの労力は一気に軽くなり、それ故アップデートの頻度も高くなる。すると小さな機能や新サービスのリリースも、少ない工数で手軽にできるようになる。

これまではシステムのアップデートや新機能のリリースまで、慎重に稟議をかけながら1年待つ……ということは、行政によくあるケースだった。しかし同社の手掛ける行政関連システムでは、1カ月、1週間、アップデート内容によっては、話が上がった翌日の更新も可能だ。

「現在の『おでかけKOBE』のシステムでは、イベントの掲載機能から市民のイベント申込機能はもちろん、コールセンターの情報システムともリンクしています。イベント情報から顧客情報までリアルタイムで共有できることで、市民がより便利にイベントを楽しめるようになったようです」(肥田野氏)。

こうした同社の活躍は、社内メンバーのやりがいにも繋がっているようだ。

「行政はやはり影響力の大きな組織です。人々の暮らしに直結するようなサービス作りに関われることを誇りに思うメンバーも多いですね。また最近は、省庁とのプロジェクトも増えてきました。世の中の役に立っているという実感は、さらに持ってもらえるのではないでしょうか」と肥田野氏は誇らしげに語った。

そしてやはり、チャレンジを重ねられる社風も、大きな手応えを生んでいる。

「Aを成し遂げるためには、険しい道のりでもBの方法が必要です」と行政に粘り強く提案したり、「C案が厳しいならばD案にトライしよう」と社内で知見を交わしたりすることも、同社ではよくある光景。目の前の不可能という壁を、どのように開くか。その思考錯誤の先に、大きな成功があるのだ。

肥田野氏はこのように話す。「IT企業として、技術を突き詰めることはもちろん大切です。ですがそれ以上に、行政等クライアントの立場になってものを考えたり、技術を駆使しながらどんな課題をクリアしたいかを考えたり……という、広い視野を持っていることはさらに重要だと思いますね」

アジャイル開発やクラウド等のモダンな手段も駆使しながら、その先で、どうやってクライアントの道を開くか。どう社会を開いていくか。同社の使命はそこにあるのだ。

「私達はクライアントや社会の役に立とうと奮闘しています。ですが一番大切にしているのは、“メンバーがハッピーに仕事できること”かもしれません」と、肥田野氏は話した。

横浜市にある同社のオフィスを訪ねると、その開放感に驚いた。入口のそばにはカウンターキッチンがあり、料理や食事を気軽に楽しめるような造りになっている。その奥には広い窓から光が差し込んだ、明るいラウンジスペース。そして奥には、広々としたデスクスペースが広がっていた。なんだか、リゾート地のカフェに来たような気分だ。

なんと取材した日には、小学生ぐらいの子供達も来社。また、共に暮らす犬や猫を連れてくるメンバーもいる。そう、同社のオフィスは家族もウエルカムなのだ。

子供はテーブルで宿題をしたり、ラウンジのブランコに揺られたり。ファミリーデーを開催する会社も増えてきたが、同社の子供達を見ていると、会社の行事に参加するような感覚ではなく、友達の家に遊びに来たようなくつろぎ具合だった。

同社ではリモートワークを駆使したハイブリットな勤務スタイルを、コロナ禍以前から導入。その上で週1日ほどはこのようにオフィスに集まって共に仕事し、共にランチを楽しんでいる。

「オフィスを作るに当たって、“働く人にとっての楽園”にしたいという思いがありました。そのため、デスクにずっと座って業務をするだけでなく、人が移動して、自然と会話が生まれるような導線を意識しました。仕事のアイデアが行き交うのはもちろん、メンバーそれぞれのパーソナリティが見えるほど、伸び伸びとできる空間です。私もたまにこのキッチンでおやつを作って、みんなに振舞っているんですよ」(肥田野氏)。

また最近は、地域のサッカーチームの講習等にもオフィスの一部スペースを貸し出している。このように、街にも開けた会社だ。

同社の“楽園”づくりは、オフィスという空間だけに止まっていない。自由度の高い働き方も実現している。

週1日ほどオフィスに集まると前述したが、もちろん頻度を増やしてオフィスで仕事を進めるメンバーも。また家庭の事情を考慮して、面談時のみ出社するシニアメンバーもいる。自分のスタイルや生活環境に合わせて、最大のパフォーマンスを発揮できる仕組みが整えられているのだ。

さらに、プライベートで育児や介護に励む人も多い。突発的な家族の対応で仕事ができなくなった時のフォロー体制も抜群。その結果両立を果たしているという、メンバー本人達からの声も取材できた。

「⼤切な⼈に誇れる仕事をする」――こちらも、同社が大切にする価値観の一つ。公共事業への高い貢献度しかり、家族との暮らしを守れるワークスタイルや、それを尊重する会社の仕組みも、メンバーは誇りに思っているようだった。

行政の“開く”を支え、自身も社会へ大きく開かれた同社。ここでぜひ、「自分が働く喜びとは何か」を模索してほしい。

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インタビュー

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代表社員・社長 肥田野 正輝氏 東京工業大学大学院精密機械システム専攻修了。1998年にNECに入社し中央研究所で次世代光ドライブの研究開発に従事。2002年に入社した半導体設計ツール開発のベンチャー企業ではCTOを務める。その後、2003年にピクセルワークス・ジャパンに入社しフィールドアプリケーションエンジニアとして活躍した。2005年に独立し、地域密着型IT事業を模索。2007年7月にSNSなどのツールを活用し地域情報化を支援するインフォ・ラウンジ合同会社(現インフォ・ラウンジ株式会社)を設立した。

── 独立するまでのご経歴について教えてください。

NECでは中央研究所で光ディスクの設計開発や基礎技術の研究、半導体設計などの業務を行っていました。そのまま大企業でずっと仕事を続けていくよりも他のことにチャレンジしてみたいという思いが強くなり、半導体設計を効率化するCADを手がけるベンチャー企業に入社しました。主に日本の大手企業向けに製品の紹介やデモを実施するフィールドアプリケーションエンジニアを担当し、その後CTOに就任しました。IPOを目指していましたが、いろいろあって最終的には会社はクローズ。ベンチャーの良さを感じた一方で、IPOを目指すことの困難さも体感しました。まずは小さくても、独立して自分で... 続きを読む

社員の声

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企業情報

会社名

インフォ・ラウンジ株式会社

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

IT/Web・通信・インターネット系 > システムインテグレータ・ソフトハウス

IT/Web・通信・インターネット系 > ITコンサルティング

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、上場を目指す、自社サービス製品あり、残業少なめ
資本金

500万円

売上(3年分)

20246345,929 千円

20236334,952 千円

20226268,225 千円

設立年月

2007年06月

代表者氏名

代表取締役 肥田野 正輝

事業内容

ウェブサイトの企画、デザイン、制作、保守、運用、広告及びマーケティング
コンピューターシステム、情報システム、各種ソフトウェアの企画、設計、開発、販売、保守及び運用
地域情報化、福祉・教育情報化、オープンデータに関する基盤技術の研究、開発、販売、保守及び運用
クラウドサービス、各種アプリケーションの企画、設計、開発、販売、保守及び運用
IoTデバイス、センサーシステム及びそのインテグレーションにおける企画、設計、開発、販売、保守及び運用
各種データ、コンテンツの作成、収集、蓄積、整理、構造化、販売、保守及び運用
各種サーバー、インフラ、システム基盤の企画、設計、開発、保守及び運用
各種ロゴ、ポスター、フライヤー、パンフレット、冊子等の紙媒体、各種グッズ等のデザイン、印刷、製作及び販売
前各号に関連する国内外を対象としたセミナー、講演会、ワークショップ等の企画運営業務
前各号に関連する国内外を対象としたコンサルティング業務
前各号に附帯又は関連する一切の事業

株式公開(証券取引所)

非上場

主要取引先

国土交通省 環境省 独立行政法人統計センター 独立行政法人国立美術館 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 独立行政法人情報処理推進機構 東京都 宮崎県 北海道 横浜市 札幌市 浜松市 神戸市 宇都宮市 SBテクノロジー株式会社 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 日本マイクロソフト株式会社 日本電気株式会社 ヤマト運輸株式会社 株式会社良品計画 大日本印刷株式会社 東日本旅客鉄道株式会社 株式会社ベネッセコーポレーション 株式会社三菱総合研究所 一般社団法人コード・フォー・ジャパン

従業員数

31人

平均年齢

38.5歳

本社住所

横浜市都筑区茅ケ崎中央8-33 サウス・コア402号室

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