株式会社パノラマ

ファッション・ビューティー・エンターテイメント領域といったライフスタイルに密接した業界におけるWeb制作を軸に事業を展開する株式会社パノラマ。リサーチ・分析から企画・設計・プランニング、クリエイティブ制作、運用更新支援まで、ワンストップでWebソリューションを提供し数多くの実績を重ねている。

同社は、コムリエ社とトライポッド社の経営統合により、2016年7月に新たな会社組織として誕生した。母体となっているのは、大手アパレルブランドや話題の飲食店などのブランドサイトを中心に、ファッション・ライフスタイル領域においてブランディングを重視するWeb制作に携わってきたコムリエ社。少数精鋭ながら、「東京ガールズコレクション」オフィシャルサイトをはじめ、「クールジャパン機構」や自治体のオフィシャルサイト、老舗メーカーなど多様なクライアントのクリエイティブワークを手がけてきた。一方、トライポッド社のWeb部門は、総合的なWebソリューションや広告キャンペーンにおける企画制作などを手がけ、多くのナショナルクライアントから厚い信頼を獲得してきた。

洗練されたクリエイティブ制作に定評のあるコムリエ社と、ロジックに基づくストラテジー設計を得意とするトライポッド社。それぞれの領域で実力を発揮してきた同規模のWeb制作会社の統合に、業界からは大きな注目が集まっている。

ブランディングなど上流工程から携わるWeb制作会社が増えているなか、業界の未来を見据え統合に踏み切った同社。最先端の技術を活用したエッジの効いたクリエイションと、マーケティング全般をロジカルに解析・提案できるコンサルティング的なサイト設計の両軸で差別化を図り、さらに幅広い業種に向けWeb戦略・デザイン・オペレーションを総合的に提供していく構えだ。

代表取締役の樋口 聖氏は次のように語る。
「2社それぞれの得意分野を生かし、その相乗効果で幅広くお客様のニーズに応えていく新たな体制ができたことはパノラマの大きな強みだと思います。その一方で、当社が変わらず大事にしているのは、『お客様を知る』ということです。

ライフスタイル全般に関連する業界のお客様は、扱っている商品やサービスがあり、店舗を構えているケースも多いです。当社では、Webサイト制作においてその世界観を表現するために、それらを自ら利用してみたり足を運んでみたりというアナログなことも実践しています。

実際に、『うちのことをすごくよく分かってくれている』というありがたいお言葉をいただくことも多いです。オシャレなデザインができる制作会社やデータ解析に強みを持つ制作会社などはたくさんありますが、コムリエ時代から培ってきたトレンドに対する見識やお客様のことを理解しようとする姿勢こそが当社の強みであり、最も信頼いただいているポイントだと思っています」

ファッション・ライフスタイル業界の有名企業との直接取引、また広告代理店経由の大規模案件を通して、名だたる大手優良クライアントとの継続した信頼関係を築いている同社。現在、問い合わせや紹介だけで案件が拡大しているという。

コムリエ社として堅調に業績を伸ばしていたが、パノラマではそれを大きく上回る売上も見込まれているという。統合による真価を発揮し、今後さらに成長に拍車がかかっていくに違いない。

2社の統合は、組織面にも大きなプラスの変化を及ぼしている。直クライアントでスピード感を持って仕事を進めていたコムリエ社と、広告代理店と共同で大手企業からの大規模案件を請けていたトライポッド社。経験値やワークフローにも大きな違いがあり、その異なる得意分野のノウハウが蓄積され成長速度が加速しているという。

また、10名ほどの規模だったコムリエ社では、チームのコアメンバーが常に複数の案件を抱えている状況だった。しかし、組織規模が単純に倍になった現在、以前では難しかったマネジメントや教育に時間や労力を割くことができるようになったという。組織レベルだけではなく個人レベルでも積極的にノウハウを共有している。

さらに同社では現在、クリエイティブチームが中心となって、「creative Lab.」という実験企画を立ち上げている。このラボでは、Web領域にとらわれず自由な発想で自分たちがつくりたいものを形にするのと同時に、実務だけでない研究機関的な役割も持つという。その活動は多岐にわたり、自社開発のサービスやプロダクトなどに発展する可能性も秘めているという。

今後の展開について、樋口氏は次のように語る。
「これまでに数多くのブランディング支援に携わってきた知見を生かし、新規事業として自分たちでも『ブランド』を展開したいという思いがあります。それはWebサービスであってもプロダクトであっても、あるいはWebとは直接関係のないものでもいいと考えています。『ブランド』と呼ばれるものは全て、一時的な流行で終わることなく信頼を積み重ねて認知が広がっていくものです。それがどんなものであっても、世の中の信頼を得て浸透するまで時間をかけて育てていきたいですね。

また、トレンドやライフスタイルに関連する事業を展開しているという意味では、既存事業にもまだまだ広がりがあると思っています。例えば東京オリンピックなど、日本全国を巻き込むようなトレンドに対しても積極的にアプローチしていきたいです。『トレンド商材に関してはWebはパノラマが強い』と第一想起されるようなチームを目指していきたいと思います」

既存事業から発展させて、Webだけではなくスチール撮影や映像などを含めたアートディレクションや、より上流のコンセプト設計など、表現に関わらず業務の幅を広げていくことも視野に入れているという同社。独自の価値を追求し、唯一無二のクリエイティブプロダクションを目指すパノラマの今後の展開が非常に楽しみである。

メンバー一人ひとりの経験が提案につながり、生み出されるクライアントとの体験が、最終的にエンドユーザーの感じる体験に落とし込まれるという「EXPERIENCE CUBE（エクスペリエンスキューブ）」という考え方を大事にしているパノラマ。

「個人の実体験やライフスタイルが反映されることでクリエイティブに奥行きが生まれます。経験を伴わない知識だけでは人の心は動かせないので、メンバーには常に『経験の探求者』であれと伝えています」と樋口氏。同社では、実務とは一見関係のないような習いごと、旅行などであっても、各メンバーの新しい体験へのチャレンジに対して会社が資金的な援助をする制度を敷いているという。

直案件が多くクライアントとの関係がダイレクトだからこそ感じられる仕事のやりがいや、トレンドの最前線を走る有名企業の案件に携わることができる魅力が大きいのはもちろんのこと、「経験」を軸とした様々な成長機会が豊富にあることも、パノラマで働くうえでの大きな魅力となるに違いない。

旧コムリエ社のメンバーと旧トライポッド社のメンバーが中心となって活躍している同社だが、社内のコミュニケーションは非常に活発になってきているという。分業制をとってはいるが、キックオフのタイミングから、デザイナーやディレクターなどポジションに関係なく、デザイン面や実装面、新しい技術の提案など全員で意見を出し合って進めている。

「各々の役割をまたいでみんなでものをつくっていく感覚は、当たり前の話のようで実は非常に大事だと感じます。今後も、より議論が活発になるようなプロジェクトマネジメントを社内で奨励していきたいです」と樋口氏は語る。

そんな同社が求める人物像は、ファッションをはじめ幅広く世の中のトレンドに敏感な人、そして、将来のビジョンを持ち主体的に動ける人だ。同社のメンバーは、5年後・3年後・1年後と、仕事だけでなくプライベートも含めた将来のビジョンをブレイクダウンして目標設定をしているという。会社や自分に対して明確なビジョンを持って動いていける人を求めている。

樋口氏は最後に次のようなメッセージをくれた。
「パノラマとして生まれ変わってからまだ半年ほどで、チームとしても未完成です。そのタイミングだからこそ、ポジションも自分でつくっていけますし、面白い仕事の仕方ができるのではないでしょうか。会社としてもこれから一気に成長フェーズに入っていきます。それを体感してもらいつつ、当社の環境で人間的に成長してほしいですね。

これまでの経験をベースにステップアップしたいデザイナーやディレクターの方にはすぐにでも活躍できる機会を提供できると思いますし、経験の浅い方でも必ず成長していけるはずです。当社に少しでも興味を持ってくれた方は、直接お会いしたいですね。遠慮なく気になることを聞いていただきたいですし、是非、自分のことを話しに来てください！」