ホテルスキップ株式会社

海外の航空券、またホテルなど宿泊先の予約・手配サービスを行うホテルスキップ株式会社。
外資系旅行会社出身の代表が2000年8月に立ち上げ、B2Bで宿泊先情報の提供や旅行に関するコンサルティング、システム開発を行ってきたが、2014年3月に「トラベルコ」を運営する株式会社オープンドアと資本提携。完全子会社化してからは、B2B、B2Cの両面への宿泊先提供事業に特化し、露出を高めながら、着実に売上を伸ばしている。

自社で運営するメディアは３つ。
「インサーチ」はB向けの予約サイトで、主に旅行業者に対しパッケージツアー用にホテル情報を単体で提供している。
もう一つが「ホテリア」。一般の旅行者向けに直販のかたちで同じく海外ホテルの宿泊情報を提供している。
そして 「トラベリア」 では、海外航空券の予約サービスを一般の消費者向けに提供している。

「昨今、予約に特化したウェブサイトやアプリの充実から、旅行会社経由で予約するコンシューマーが減ってきていることもあり、当社の売上も直販が半数以上を占めるまでに成長してきています。今後もC向けのサービスを充実させるために、より力を入れていこうと考えています」（部長・吉澤氏）

同社の強みとして真っ先に挙げられるのが価格面だ。値段で決めるユーザーが増える中で、安価で海外ホテルが予約できることは、リピートの獲得にもつながっているという。
「『トラベルコ』では最安値のものから順に掲載されますが、弊社の情報が最安値として掲載されることが多いですね。その他の主要な宿泊先検索サイトでも、もちろんエリアによって強い・弱いはありますが、トータルで上位に入るくらいの安さで提供できています」(システムエンジニア・渡邉氏)

価格面に加え、サポート体制にも力を入れる。ヨーロッパ、アメリカ、アジアのそれぞれのエリアに緊急対応担当のスタッフを配置し、カスタマーが海外で何かトラブルがあった場合に日本語ですぐに対応できる体制を整えている。

旅行事業者向けにおいても、信用につながることから安全性・正確性は何よりも重視される。万が一のトラブル時にも迅速な対応ができるよう、ヨーロッパ・カナダ・アジアにサポート体制を整え、24時間日本語でのサポートを実現している。

その他にも、世界最大手のB2B向けホテルセラー企業と言われるスペインのHotelbedsグループから、連続で取引先上位企業として表彰されるなど、提携先も幅広く、強いコネクションを保持できている。それが安価で提供できるという、価格面での強みにもつながっているのだ。

同社の事業において、システム面の強化はサービスの充実のためにも不可欠。エンジニアが果たす役割は大きいだろう。これまでも多くの比較サイトと連携して宿泊先を提供してきたが、今後も連携先を増やしていくことになるため、その部分でのシステム構築の強化が必要となる。

「また、特定の旅行会社が行う出張手配サービスなどとの連携も同様に進めていくつもりです。さらに、企業の福利厚生の一環として当社の宿泊先情報を提供する事業も行っているため、そうした他社連携の部分のシステムの拡充も進めていきたいと考えています。もちろん、海外の仕入れ先との連携にも引き続き力を入れ、価格競争力を高めていきます」(システムエンジニア・渡邉氏)

当然、「インサーチ」「ホテリア」「トラベリア」といった自社サイトのUI改善や機能強化など、新機能の提案から設計、構築まで手掛けることにもなる。
「基本的には、入ってきた方のレベル感に合わせながら手をつけていこうと考えています」と渡邉氏が話すように、同社ではそれほど経験を重視していないという。さらに「何かしらの汎用的なシステムの開発経験があるなど、基礎的な力さえあれば、入社後のOJTで何とかなるのではないか」と付け加える。

「重視したいのは、考えることや、手を動かしてプログラムを作ることが好きであること。それがなければ、いいものは作れないと思います。自らPDCAを回しながらクオリティを上げていくことができれば、自ずとクライアントのためのサービスは作れると思います。『ものづくりをしたい』という気持ちを今の職場で持て余している人がいたら、ぜひチャレンジしてほしいですね」(システムエンジニア・渡邉氏)

「非常にコアな部分に携わってもらうわけですが、やりたいことを、やりたいように進めてもらうつもりです。うちを踏み台にして経験を積み、もっと大きなことにチャレンジしたいというような人でも大歓迎。自分の力を試してみたいというような、エネルギーのある人が必要です」（部長・吉澤氏）

当面は仕事を覚えていく流れになる。目安として、半年くらいで大きな案件を一人で担当してもらえればと考えている。

「自身の仕事が提携数の増加や自社の売上などにも直結します。成果が数字でわかるので、そういう部分にやりがいを感じる人にも合うでしょうね。私自身は、自分が考えて作ったものが世の中に出て、多くの人に使ってもらえることが大きなモチベーションになっています。やりがいは非常に大きい仕事ですね」(システムエンジニア・渡邉氏)

同社の企業文化について伺うと、「これといってないのですが、みんな自然体で自由にやっています」という答えが返ってきた。

教育制度についてはOJTが中心となるが、オープンドアとの技術交流の機会もあるため、学びたい人にはチャンスも多いという。また、「残業しない」という意識が高く、早く切り上げて早く帰ることをモチベーションにしている社員が多いそうだ。

他にも、福利厚生として業界価格で航空券が買えたり、ホテルもかなりお得な価格で利用できるため、夏期や年末年始などの長期休暇に有給休暇を繋げ、海外旅行に出掛ける社員も多いという。

オープンドアとの合同イベントも多く、社内外でいろいろなメンバーとコミュニケーションをとる機会も多いそうだ。

「とにかく、無茶しても、失敗してもいいので、どんどん自分を押し出していってもらいたいです。ものづくりを堪能していただける環境は揃っていると思いますので、自己実現をしたい人や、ステップアップをして次を目指したいような人も、キャリアを積んでいく場所としてぜひチャレンジしてもらいたいです」（部長・吉澤氏）


多くの人の役に立てるサービスづくりを通じて、経験を積んでいける。自分も成長しながら、自社サービスを育てていきたいと考える人には、もってこいの環境といえそうだ。