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株式会社アガルート

  • サービス系

教育を通して、人を変え、社会を変える

自社サービス製品あり
残業少なめ
カジュアル面談歓迎

企業について

株式会社アガルートは、主にオンライン上で、司法試験、行政書士試験、社会保険労務士試験などの難関資格対策の講義を提供する予備校アガルートアカデミーを運営している。

アガルートアカデミーの理念は、「受験生が本当に必要としていること」を提供して、受験生の道しるべとなることにある。「アガルート(AGAROOT)」には、受験生のキャリア、実力、モチベーションが上がる道(ルート)になり、出発点・原点(ROOT)になるという思いが込められている。

代表の岩崎北斗氏は、司法試験合格後、大手資格試験予備校で司法試験の講師を務めた後、独立し、同社を立ち上げた。その経緯についてこう語る。
「大手資格試験予備校では、未だに一定の時間に教室に通い、講師が一方的に喋るという通学スタイルが主流です。しかし、テクノロジーが進歩し、これだけオンライン講座が流行している中で、それではユーザーである受験生が『本当に必要としているものを提供する』ことができないことは明らかです。一方で、オンライン講座が流行して約10年が経過していますが、それでも通学スタイルが廃れていないのは、オンライン講座が受験生のニーズをしっかりと捉えきれていないから。もう一度ゼロベースで、今『受験生が本当に必要としているもの』は何なのかを突き詰め、それを提供しようと考えました。」

「受験生が本当に必要としているものを提供する」というのが同社の理念だ。
アガルートアカデミーが実際に受験生に商品提供を始めたのは2015年1月であるが、会社の設立は2013年12月。会社設立から約1年間を丸々テキスト制作や講義の収録に費すほど、コンテンツへのこだわりは強い。

テキストは、内容はもちろんやデザインにも徹底してこだわる。主要講座のテキストは、ビジュアル的にもわかりやすいようフルカラーとしている。資格試験予備校の中では極めて異例だ。テキストの編集(DTP)担当の社員だけでも10名程度おり、出版社並みの陣容だ。
また、法律系資格では、法改正や新しい判例に対応するため、労を惜しまず、毎年テキストを改訂している。

代表取締役の岩崎氏は、テクノロジーの進化によって、飛躍的に学習のオンライン化と低価格化が進んだ一方で、受験指導の質は低下していると指摘する。
「確かに、タブレットやスマートフォン等のデバイスで、いつでも、どこでも、何度でも受講できることは重要です。それは間違いありません。
しかし、難関資格になればなるほど、オンラインだけでは学習は完結しません。例えば、司法試験でいえば紙に論文を書く練習をしなければ、合格することは不可能です。公務員試験の計算問題を解くためには、実際に手を動かしてみることが必要なのです。
また、講義やテキストは、解説してあれば何でもいいというわけではありません。しっかりと過去問を分析し、試験に出る分野、出ない分野を峻別し、文献等を地道に調査した上で、それをテキストにまとめ上げ、講義をしなければなりません。それには、膨大な時間と労力がかかりますが、『受験生が本当に必要としているものを提供する』ためには欠かせません。
教育産業にとって、テクノロジーとコンテンツは、車の両輪のようなものなのです。
近時の資格試験マーケットでは、テクノロジーによる勉強の『手軽さ』ばかりが強調されており、コンテンツの質が軽視されています。これは受験生にとっては極めて危険な傾向だと考えています。」

「受験生が本当に必要としていること」にこだわり続けた結果、「アガルートアカデミー」は開校5年あまりで25試験種、会員5万人以上を抱える国内最大級のオンライン講座へと成長を遂げた。現時点で、取扱い講座は50程度まで拡大、会員数も10万人に到達した。

同社は、口コミを中心として、受験生の支持を獲得し、2015年1月の営業活動開始時から、売上げベースで前年比約150%の成長を続けている。2020年からTVCMの放映を開始するなど積極的なPR施策によって認知度が高まったことなどもあり、さらに成長率が加速し、前期比200%以上の売上高の伸びを記録している。
同社は、事業開始前の第1期を除き、連続して黒字を達成するなど安定した経営を行っているから、規律を持った投資を行っているといえるだろう。

さらに、岩崎氏は司法試験をはじめとする難関資格試験の受験ノウハウを用いて、受験業界全体にイノベーションを起こしたいと語る。
「自身が司法試験を受験してみて初めて分かったのですが、大学受験までの学習は合理化、効率化されきっていなかった。
例えば、司法試験の受験勉強では、必要最低限の法律の知識をインプットした後は、徹底的にアウトプットを行います。司法試験のゴールは試験問題を解く、合格することにあり、インプットはそのための手段にすぎませんから、これはごく当たり前のことです。しかし、私自身の経験上、大学受験までの学習において、そのことを明確に、言葉にして伝えられたことはありません。
英語の学習では、単語、熟語、文法等を覚えなさいと言われますが、何のために覚えるのか。受験勉強における英語学習と、英会話ができるようになるための英語学習では、その当否は別として、方法論が異なります。試験突破のため、問題を解くために覚えるんだということを言葉にして伝えてくれる大学受験の先生や講師はあまりいないのではないでしょうか。
司法試験は日本最難関の国家試験なので、徹底的に学習を合理化、効率化しなければ合格しません。そのため、受験勉強の技術がものすごく発達しています。そして、我々には、その司法試験の受験指導について、圧倒的なノウハウがあります。このノウハウを普遍化し、テクノロジーを駆使しながら、学習に悩む多くの受験生をサポートしたいと考えています。」
資格試験以外の対策としては、医学部受験オンライン予備校の「アガルートメディカル」、学習伴走型サービス「アガルートコーチング」をリリースしている。こちらも順調にユーザーを獲得しており、今後の事業成長の柱としたい考えだ。

それだけでなく、複数の司法試験合格者が在籍する同社ならではのユニークな試みとして、法律事務所「アガルート法律会計事務所」の併設がある。同事務所は同社の取締役である岩瀬武氏が代表弁護士を務めている。
岩瀬氏は、同事務所を複数の士業を抱えるワンストップ型の事務所に発展させていく考えだ。
アガルートアカデミーを利用して合格し、資格を取得した人が、アガルート法律会計事務所で専門家としてサービスを提供するようになることが理想だと岩瀬氏は話す。
「アガルートの理念は、『受験生が本当に必要としていること』を提供することにあります。これは士業などの専門家でも同じです。『お客様が本当に必要としていること』を提供すること、これが最も重要なことです。アガルートの理念を共有する専門家集団を作り、お客様にとってベストソリューションを提供する事務所を作りたいと考えています。」

同社は2022年末時点で、社員数は100名程度。平均年齢約35歳とベンチャー企業にしてはやや高齢だ。

「設立当初は、30歳前後の人間が集まってワイワイとやっていたサークルのような集団だったのですが、取引のある出版社の方や競合他社で講師をしている方などから『ぜひアガルートで働きたい』というお声をいただき、採用を拡大しているうちに、年齢層が多様化していきました。20代から50代という幅広い年齢層の方に働いてもらえているのは、スピードと堅実性という一見すると相反する両面を追い求めているからだと思っています。」(岩崎氏)

同社は、成長スピードや変化を追求する一方で、持続可能性を意識している。
給与改定は年2回行われ、ボーナスも年4回支払われる。家庭を抱えた女性社員については時短勤務、ノー残業制度を導入しており、ベンチャー企業にしては珍しく、退職金制度も整備されている。
人事評価制度も明確な形で確立されている。

「ベンチャー企業というと、一気に給与が上がる一方で、一気に下がることもあるという、ハイリスクハイリターンを想像する方が多いと思います。当社では、そういった浮き沈みの激しい人事制度ではなく、持続可能性を重視した人事制度を構築しています。もちろん、頑張った社員には、その成果を十分評価します。昇給はもちろんですが、ボーナスに強く成果を反映させています。」(岩崎氏)
同社では、賞与は4半期ごとに支払われ、評価次第で基本給の最大12か月分が支給される。それだけなく、賞与評価は会社業績ではなく、個人成績(個人の目標の達成度)に紐づいているため、個人の頑張り次第で、誰でもいつでも高評価が得られるような制度に設計されている。

会社としては堅実ながらも、頑張れば頑張った分だけ評価を受けられるところが同社の魅力だ。

また、社員の自主性を尊重しているのも同社の大きな特長だ。
服装自由、フレックスタイム制、リモートワークといったハード面だけでなく、業務の内容・改善も自主性に委ねられている。上下関係もほとんどなく、社長の岩崎氏のことも、下の名前で「さん」づけで呼ぶ社員が大半だ。
「現在では変わりつつある部分もあるものの、1日8時間前後といった多くの時間は会社で過ごすわけです。働きたくない、会社に行きたくないと思うとそれだけで人生のマイナスになってしまいます。もちろん、仕事ですから辛いこと苦しいことも多々ありますが、それでも、働きやすい職場作りをすることで、仕事にやりがいや楽しみを見つけてもらいたいと考えています。」(岩崎氏)

同社の働きやすさは離職率にも現れており、2015年の営業開始以来、年平均で5%前後となっている。

成長スピードの速いベンチャー企業で自身の実力を伸ばしたい、一方で安定性や持続可能性も求めたいという人にとってはうってつけの会社だろう。

アガルート社が特徴的なのは、未上場のベンチャー企業であるにもかかわらず、積極的なM&Aを行っていることだ。2022年末時点で、9件のM&Aを実行している。

その意図について、岩崎氏は次のように語る。
「事業の拡大スピードを徹底的に上げるうえで、教育業界の各領域はマーケットが小さく、成長のキャップがすぐに訪れるという課題があります。だからこそ、当社は主力事業の『アガルートアカデミー』の成長から生まれるキャッシュフローをM&Aに投下し、グループとして成長していけるようポートフォリオを組んでいきます。」

イメージしているのは、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン/70超の高級ブランドをグローバル展開する世界最大のブランドコングロマリット)のM&A戦略だという。
「各ブランドの歴史と伝統を守りつつ、グループ戦略によってブランド価値をさらに向上させ、次世代へと受け継いでいく企業体としての在り方を、私たちは『教育』の領域において実現させたいのです。これによって『教育』を中核とする社会的インフラ構築という当社のビジョンを達成したいと考えています。」(岩崎氏)

M&Aでグループインした企業とのシナジーは早くも発揮されている。
教育業界に特化した転職支援・メディア事業を運営する株式会社ファンオブライフ(2020年2月グループイン)とは、共同事業として士業や管理部門に特化した人材紹介事業である「アガルートキャリア」を立ち上げた。「アガルートアカデミー」で試験合格までをサポートし、その後のキャリア支援を「アガルートキャリア」で行うというストーリーだ。司法試験合格者の約2人に1人が利用する(令和2年度実績)「アガルートアカデミー」のデータベースは企業の採用担当者にとっても魅力的で、法務部をはじめとする管理部門の強化を目指す大手企業からの問合せも相次いでいるとのことだ。

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企業情報

会社名

株式会社アガルート

業界

サービス系 > 人材サービス(紹介/派遣/教育/研修)

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、自社サービス製品あり、残業少なめ
資本金

3,500万円

売上(3年分)

202336,000百万円(グループ全体,計画)

202233,474百万円(グループ全体)

202132,020百万円(グループ全体)

設立年月

2013年12月

代表者氏名

代表取締役 岩崎北斗

事業内容

国家試験、検定試験等のオンライン講座「アガルートアカデミー」の運営
オンライン医学部予備校「アガルートメディカル」の運営
独学をオンラインでサポートする「アガルートオンラインコーチング」
など

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

100人

平均年齢

35歳

本社住所

東京都新宿区新小川町5-5 サンケンビル4階

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