株式会社リサーチアンドソリューション

株式会社リサーチアンドソリューションは、パッケージソフト、スマートデバイスアプリ、Webシステムの開発・販売、受託開発などのシステムソリューション事業と、バックオフィス業務のアウトソーシングサービスやソリューションを提供するBPO事業を手がける会社だ。大手建設コンサルタント、株式会社オリエンタルコンサルタンツを核とするACKグループ（ジャスダック上場）の一員でもある。現在の主力製品は、1989年発売の公共工事積算ソフト『明積』。全国約400の自治体で導入されているシェアトップクラスの積算ソフトで、導入自治体は今も増え続けている。

と、書くと、伝統的で堅い会社のイメージを持たれるだろうが、あくまでもこれは今までの姿。これからは違う。同社は、猛烈な勢いで変貌中なのだ。内閣府が、未来の社会像として提唱している「Society5.0」というビジョンがある。IoTで全ての人とモノがつながり、知識や情報が共有され、新たな価値を生み出すというもので、ICTで少子高齢化、過疎、貧富の格差、情報格差といった様々な課題を解決することを目指している。リサーチアンドソリューションも、この「Society5.0」実現に寄与すべく、この世界観を目標に、AI、IoTなどの最新技術の研究と様々なサービス、プロダクトの開発に取り組んでいるところだ。

既に形になっている代表的なサービスの一つとして、観光ガイドアプリを紹介したい。過疎・高齢化への対応、観光産業活性化、魅力再発見の3点を目指し、福岡県うきは市で地元の小学生と共同で開発した。ビーコンとタブレットを活用したもので、地方創生に寄与すると共に、ビジネスの面では、人の流れなど様々なデータを収集・活用できる仕掛けにもなっており、マネタイズのスキームも組み込み済みだ。また、他の自治体への横展開も進めていく計画で、既に江戸川区で導入されている。

このほかにも、数々の大手企業と提携し、様々な案件に挑戦中だ。これらのパートナー企業は、いずれもBPOやICTのビジネスを展開するなかで縁ができた会社たち。リサーチアンドソリューションは、培ってきたノウハウ、経験、他の企業とのつながりを大切にし、新たな道を歩んでいる。

「2025年度には売上30億円、社員は200人超の規模にします」。『明積』をさらに拡大するとともに、新たなサービスの開発を進め、さらなる飛躍を目指す決意だ。BPO事業にもICT技術を活用し、強みを発揮していく。

同社の主力製品である『明積』についても触れておこう。発売から約30年。多くの自治体に使われ続け、さらに売上を伸ばし続けているのは、サポート・保守運用に力を入れ、そこから得られるユーザーの声を反映し、常に改善を重ねてきたからだ。優れたUI・UXを追求し、実現してきた。加えて、競合と比べてコストパフォーマンスにも優れる。大企業の製品と比べると、価格優位性があり、かつ性能や使い勝手は遜色ない。

この『明積』を開発したのは、リサーチアンドソリューションの前身にあたる、福岡県にあった吉井システムリサーチ株式会社だ。オリエンタルコンサルタンツグループが『明積』の価値を評価し、2007年にグループに迎え、2011年にグループ内のBPO事業を手がけていた会社と合併。同時に社名を変更し、リサーチアンドソリューションが誕生した。

グループ入り前の吉井システムリサーチは、地元九州に密着。『明積』は、九州地方の自治体に7割以上のシェアを持っていたが、一方で、その他の地域は手薄だった。グループ入りしたことで全国区の会社となり、東京本社のほか広島や秋田にも拠点を設け、現在、『明積』を本格的に全国に展開しているところだ。使い勝手と価格優位性を強みに、伸びしろは、まだ十二分にある状態だ。

『明積』は、パッケージ販売後は保守運用を担い、安定収入となる事業スキームだ。約400の自治体での導入が同社の収益を下支えしているが、今後、横展開が進めば進むほど、さらに収益は盤石となる。それを元手に、新たな事業にも適正に投資し、『明積』の次の事業も積極的に育てていく。

また、グループには、国内だけでなく、アジアをはじめとする海外で数々のインフラ工事を受注している会社もある。そのような会社の助言も得ながら、今後は、海外への事業展開も視野に入れている。

オリエンタルコンサルタンツグループに参画後、新たに誕生したリサーチアンドソリューションを改革してきた。グループ入り前の吉井システムリサーチは、『明積』という強力な自社製品を持ち、安定収益があることから、どちらかというと守勢の会社だったという。「Social5.0」の流れのように、世の中が変わっていくなかで新しい価値を発揮する会社になるべく、行動指針も策定した。行動指針には、チャレンジ、イノベーション、カスタマーファースト、チームワークといったワードが並ぶ。『明積』というプロダクトと、それを作り、育ててきた人材など、良き資産を引き継ぎ、それをベースにさらなる挑戦や価値提供を目指す同社の決意が表れている。

並行して、社員の満足度を上げる取り組みも進めている。既に同社の残業時間は平均して月10～20時間とかなり少なく、ICTの会社にありがちな社員の疲弊とは無縁だ。働き方は既に申し分ないが、これだけではない。社員がモチベーション高く働き、成長できるように、外部のコンサルタントの力を借りている。社内に、メンバー層とマネジメント層各々のワーキンググループを立ち上げ、社員育成の仕組み作りに着手しようとしている。40年の歴史がある会社だが、リサーチアンドソリューションに衣替えをし、今まさに、新たな創業期を迎えている。みんなで新しい会社を作っていくところだ。

そんなステージにあるだけに、求める人物像は、仕事を楽しむと同時に、今後の市場や課題、リスクなど先を読み、行動していける人材だ。まだ『明積』が主力製品ではあるが、今後は、スピード感をもって新規事業を展開していく。意欲と実力次第で、新しい事業の立ち上げなどに関われるチャンスも多いだろう。社員もどんどん増えていく。今のタイミングで入る人にはリーダーシップを発揮し、メンバーを率いていく役割を期待している。

「仕事をするからには社会に貢献したい。利益至上ではなく、社会の問題を解決し、価値を提供できるサービスを作っていきたいと思っています」。リサーチアンドソリューション一社でできることは限られる。グループ会社や共に新規事業に取り組むパートナー会社の数々とコミュニケーションをとりながら、力を結集し、何事かを成し遂げていく。この思いに共感し、何らかの価値を創出したいというメンバーを求めている。