株式会社タジマ

自動車整備業界（アフターマーケット）向けに業務アプリケーションを提供している、株式会社タジマ。1997年の設立以来成長を続け業界2位の地位を築いてきたが、2017年7月、業界1位の株式会社ブロードリーフの100％子会社となった。グループとして業界のガリバー的存在となった今、業界の活性化に向けて新たなスタートを切ったばかりだ。

タジマが提供しているのは、従業員4名以下という小規模の自動車整備工場向けの経営トータルサポートパッケージの「.C」シリーズ。パソコン1台と本アプリケーション1つで、整備・車販・鈑金の各サービスにおける見積書や作業指示書、注文書、契約書、請求書などの作成や、在庫車登録、売掛処理、代車予約管理、さらには販促はがきの作成など、あらゆる業務を行うことができる。

「日本全国には約20万の自動車整備工場があり、その多くが従業員4名以下のファミリー経営の工場です。当社は、その4名以下の工場のうち1万以上に製品を導入しており、圧倒的なシェアを有しています」

一新多助smartの強みは、1人が何役もこなさなければならない当該ユーザーにおいて、前述の事務作業が簡単にできるようにした利便性にある。例えば、各業務に必要な情報を先読みして自動的に表示し、作業をアシストする「スマートマルチウィンドウ」や、シンプルな画面と簡単操作で手間のかかる見積もり作業も直感的にスイスイこなせる機能などがある。その見積書は、A3用紙を両面印刷し、2つ折りにしたブックスタイルで、見積もり明細や補足説明などを表示。金額を伝えるだけでなく、商談内容に応じた的確な提案や情報提供を行えるところが好評を集めている。販促はがきのデザインパターンは1,000種類という圧倒的なバリエーションを用意し、顧客の営業活動を強力にサポートしている。

タジマは、田島機工という予備車検工場を母体として設立された。予備車検工場は車検場に車を持ち込む前にテストを行う工場であるが、その事務作業に苦労したことが設立の背景にある。設立3年後の2000年に自動車整備業システム「カーツール　タジ丸」をリリース。以降、毎年のようにバージョンアップを重ねながら拠点を広げ、顧客を増やしてきた。23年1月現在、営業所は全国に20カ所を展開している。

「自動車アフターマーケット業界の活性化のためには、小規模の整備工場のきめ細かなサポートが欠かせません。当社の従業員数は120名程度ですが、その中で20もの拠点展開は非常に多いと思います。これも、できるだけお客さまの近くにいたいという考えの表れです」

そんな同社は、2017年にお互いの事業基盤強化のため、ブロードリーフによるM&Aに応じてグループ入りを果たす。ブロードリーフの従業員は約800名で、グループ合計1,000名体制となった。営業拠点もグループ化で倍増する。さらに従業員5名以上の整備工場に強いブロードリーフと相互補完関係になったのだ。

「お客さまに対しては、手厚いフォロー体制をご提供できるようになりました。例えば、タジマには従来なかったコールセンター機能がご提供できるようになったり、道路交通法などの改正に応じたプログラムの修正やバージョンアップなどもよりスピーディーになりました。さらに、タジマのお客さまが成長して規模を拡大すれば、ブロードリーフに移管し、逆にブロードリーフのお客さまがダウンサイジングすればタジマに移管するといったトータルでのフォローアップが可能となりました。両社で約3万5,000社のお客さまを擁していますが、どこよりも豊富なフォローアップは当グループの最大の強みと自負しています」

タジマのグループ入りにより、エンジニアが合流するなど開発体制が充実。より一層高度な開発力を備える環境ができたというメリットも生まれている。

さらに、タジマとしては、ブロードリーフの手厚い教育研修制度を活用できるようになったメリットは大きい。“感謝と喜び”という企業理念を掲げるブロードリーフでは、「7つの習慣」を身につけるといった独自の研修カリキュラムを用意している。
「創業社長には人間教育の確たる信念があり、社員の成長に対して社を挙げて深くコミットメントしています。タジマにはそれまで明確な教育制度がなかったので、タジマにとってはこの変化は大きいですね」

組織体制としては、人材の成長とともにフレキシブルに組み替えていく方針だ。
「お客さまとのコミュニケーションが第一。各自がきめ細かく、能動的に考えて動けるような組織づくり、人材づくりを意識して取り組んでいきます」

全体のコミュニケーションの機会としては、半年ごとの全体会議や、毎年1月に行われるグループ会社の方針発表会などがある。後者においては、グループ全体の表彰式も行われている。また、経営幹部は全国拠点キャラバンをこなし、コミュニケーションを深めている。
「できるだけ社員が経営に近い、フラットな風土にしたいと思っています。そのため、社内では“さんづけ”文化を励行しています。」

福利厚生・社内融和のためもあり、野球やゴルフなどのクラブ活動にも力を入れています。

〇野球部　BroadT
グループ会社であるブロードリーフ社とタジマ社の合同グループとして２０１９年０４月から新たに活動を開始。
普段なかなか体を動かす機会がない状況の中、わきあいあいと野球を楽しんでます。
現在、野球経験者が多いですが、初心者も、運動不足の方も大歓迎で、会社、部署、役職関係なく、日常を忘れて
楽しんでます。

〇Golf部
うちのゴルフ部は社会人になってからゴルフを始める社員が多く、ベテランと若手が一緒になってやってます。
まずは打ちっぱなしの練習から一緒に初めますが、球が打てるようにならなくてもラウンドして楽しんでます。
主な活動の内容は春と秋の年2回のゴルフコンペです。青空の下気持ちいいですよ。

同社は、次の“求める人物像”を掲げている。

●前向きな人
目的意識と高いモチベーションをもって仕事に臨める人
●信頼される行動をとる人
社内外・チームメンバーと互いに成長できる良い関係を築くための人格と能力を持つ人
●本質を捉える人
自分の考えにのみにとらわれず、違う視点、違う思考方法を取り入れながら仕事に臨める人
●新しい価値を作り出す人
社内外において周囲の状況を的確に把握し、組織が成果を上げることを目的として行動できる人
●仕事を通じて成長できる人
目標を達成するための計画を立て、着実に実行し、努力を継続できる人

強みを持つ自社独自プロダクトを通じて、自動車アフターマーケット業界の活性化に貢献するという仕事により、人として成長できる環境がここにはある。興味がある人は、一度話を聞きに行ってはいかがだろうか。