株式会社ユニゾンシステムズ

株式会社ユニゾンシステムズは、テレビ局向けシステムの開発・販売・保守等を行うシステムインテグレータだ。テレビ局を運営するために必要不可欠な「営業放送（営放）システム」をはじめ、他局への番組コンテンツ販売を管理する「番組販売システム」、通販番組に特化した物販システムなど、一般の開発会社では手がけないような分野に長年取り組んでいる。

「クライアントの多くは、テレビ関係ですね。在京キー局をはじめとする全国のテレビ局、BS・CS局など、多くのテレビ局に当社のシステムを導入いただいています」
このように語るのは、同社システム開発本部 システム開発部本部長の深江聡朗氏。

「当社の主力製品である営放システムは、民放テレビ局の基幹システムともいうべきもので、放送する番組やCMなどの情報を管理し、関連業務を一括してコントロールできます。民放テレビ局にとって営業上欠かせないシステムです。非常に高度な業務知識が要求されるため、全国でも数社しか開発することができないんですよ」（深江氏）

参入障壁の高さもあり、市場環境は安定している。一方で、世間にテレビ局が一気に増えることも考えにくく、今後の発展性には疑問符もつく。そこでユニゾンシステムズでは、日々新たな製品を開発し投入することや、テレビ局以外の業界へ向けての開発を手がけることで、さらなる発展を目指している。深江氏に、一例を挙げてもらった。

「最近、テレビ業界では4K、8Kの高解像度化が一番のトピックスです。コンテンツの制作や放送にあたっては高解像度の素材を集める必要があります。ところが、これを伝送する回線は急に換えられません。そこで、多量のデータを高速に送るシステムが必要となります。当社では、TBSテレビの特許を活用して、高速ファイル転送ソフトを独自開発しました。独自のプロトコルを使うことにより、高速性と信頼性を両立したのです」（深江氏）
この高速ファイル転送ソフトは、ユニゾンシステムズに思わぬ展開をもたらした。新たな顧客の発見である。

「高速で映像を転送する必要があるのは、なにもテレビ局や映像コンテンツメーカーに限りません。例えば医療機関では、手術の様子を遠隔で見せるなど、近年急速に高解像度の映像データや、高画質の画像を利用するようになりました。これらの転送にも使われているんです」（深江氏）

テレビ局向けシステムを手がけてきた強みを最大限に活かした新製品は、今後も続々と開発・投入予定という。

ところで、ユニゾンシステムズとは、社員にとってどんな会社なのだろうか。自身もいわゆる「転職組」の深江氏に、経験談を交えて語っていただいた。

「大手企業から来るとわかりやすいでしょうが、当社は規模が小さい分、1人でいろいろやらなければなりません。逆にいえば、それだけ責任を持たせてくれるということ。大きなキカイの歯車になるのではなく、全体に携われる。エンジニアとしてお客様とお話しする場合も、企画から入ってシステム全体の話ができるんですよね。そこは大きいです」（深江氏）

テレビ局向けという特殊なシステムを扱っているためか、クライアントとの関係は常に「対等」なのも特徴だと語る深江氏。同社への転職のメリットをこのようにも表現してくれた。
「いろいろなことが学べますし、2～3年もすれば仕事もかなり任されます。当社の規模からするとはるかに大きな企業とやりとりができますし、テレビや映像コンテンツビジネスを支える仕事はそれ自体面白い。やりがいも大きいと思いますよ。自分が携わった製品や案件が全国区で話題になることもあります。それに、やったことがきちんと評価に反映し、会社から認めてもらえる環境です」（深江氏）

同社では、現在主力のテレビ局の運営を支援する製品のほか、「コンテンツビジネス支援」の製品群も、次なる事業の柱として育てている。先に挙げた高速ファイル転送ソフトや画像共有システムなどが当てはまり、こちらは、広告代理店や光学・映像機器メーカーやコンテンツプロバイダもメインターゲットとなっている。

「当社では、創業以来『新しいことに取り組む』のが企業文化になっています。常に時代を先取りし、業界動向の先読みもしながら新しい製品の開発を進めていきます。世にある新技術をどんどん取り入れていきますので、新技術にふれたいという方にもおすすめの環境です」（深江氏）

そんな同社の就労環境は、IT業界に広がる「働き方改革」同様、変わりつつある。ここ数年で、残業時間も削減され、職種にもよるが現状月20時間くらいに納まっているという。

「昔と比べて、ムチャはしないようになりましたね。労務管理を改善し、個人の生産性向上のための施策も取り入れました。一番大きかったのは、会社として『御用聞き型』から『提案型』へとビジネスのスタイルを改めたこと。無駄な作業が減りましたね」（深江氏）

ユニゾンシステムズは、九州・福岡に本社を、東京に支社を置く。福岡本社には技術者が多く、皆が「熱く」物事を突き詰めていくような雰囲気があり、東京はクライアントと会うことも多いためか「にぎやか」な雰囲気があるという。

「社内交流もさかんです。年1で本社に全員が集まるイベントもあり、近年頻度は減りましたが社員旅行もあります。採用については、福岡本社、東京それぞれで行います。基本的に、東京採用の方は東京で働いていただくことになると思います。福岡採用の方は東京に移る可能性もありますね。また『転勤しない』制度を選択することもできます」(深江氏)

そんな同社には、どのような人物が「合う」のだろう。
「新しいことに挑戦しようという方、探究心や企画力をお持ちの方が良いと思います。また、営業職の場合にはそれにくわえて『ものづくりの好きな人』がいいですね。職種を問わず、ご自身のアイディアをどんどん発信してくれる方が理想です。性質的には、一人で物事を突き詰めるのではなく、皆でわーっと集まってやるような方のほうが合うと思います」（深江氏）

ユニゾンシステムズは、テレビ局向けシステムという強固な土台と、新機能・新製品を開発し市場に提案していくチャレンジ精神の両方を持ち合わせた会社だ。そんな会社が今、新たな力を広く求めている。

「開発チームを、あとひとつくらいつくりたいですね。それだけ、仕事もチャンスもあります。放送分野は、IT業界としてはニッチなところで各社のシェアもほぼ固まっていますが、当社がこの先取り組んでいく分野は、大手による寡占がなく、逆に言えば陣取り合戦が始まっているところなんです。たとえばAIによる映像・画像解析とそれを『放送局の売上アップ』につなげようというしくみなどは、まったくの未開。いいものをつくるのは当たり前です。せっかくなら、日本を、そして世界を驚かす製品をともに作っていきましょう」（深江氏）