株式会社ソルティスター

株式会社ソルティスターは、主にIoT向け自社サービスのライセンス事業や受託開発をおこなっている会社だ。そのほか、IoT 向けDB、API の研究開発・販売・コンサルティング、ソフトウェアの開発、DBシステムに関するコンサルティングおよび開発・販売なども展開している。自社開発の組込みDBを軸に、組込み系R＆Dや受託開発、WEBサービスの構築、スマホアプリの開発まで幅広く事業を手がけているのが特徴だ。設立は2008 年5 月で、本社を長野県塩尻市に置くほか、長野市、神奈川県相模原市、沖縄県沖縄市にも事業所を置く。

設立時は、海外DBの日本向けローカライズからスタートしたソルティスターだったが、その当時は想定したような機能やパフォーマンスが発揮できずにいたという。「だったら自分たちでゼロからデータベースをつくってやろう」と自社開発に取り組み、組込み向けJava DBや組込み向け高速データ検索支援ツール、組込み向けリレーショナルDBなどを開発してきた。その後もさまざまな組込み向けDBやクラウドDB連携用ミドルウェア、Android向けログ可視化ツールなどを開発。NEDO「超低消費電力データ収集システムの研究開発」に参画した実績もある。

具体的な取引先名は公表できないものの、導入事例としては、大手メーカが提供するハードウェアへの組込みDBのOEM提供や、大手製造業の工場を管理するIoT向けシステムの提供およびコンサルなどがある。FA（ファクトリーオートメーション）関連企業やSIerが、主要な取引先だ。直近の売上高は、前年対比250％を達成するなど好調。営業スタイルは展示会などで訴求し、営業が1件1件、ていねいに説明に回り、獲得していくスタイルだ。

IoTの時代が本格的にスタートし、あらゆるビッグデータがクラウドにアップロードされるようになった現在。特にエッジ側（ゲートウェイ側）でのDBが注目されるが、大量のデータを処理できるソルティスターのDBは、業界からも高い評価を集める。また、組込みからスマホアプリまで幅広く開発をおこなっていることで、さまざまな業界から受託開発の需要に応えられるという点も、評価が高い。

ソルティスターは、“世界最速”と評価される組込みDBを開発・販売している。loT＋エッジコンピューティング向けミドルウェア「SALTYSTER」は、センサーデータのゲートウェイ取り込み時に高速に分岐処理されたデータを、クラウド＆サーバ上のDB/BIツールやシステムに送信するミドルウェアだ。ゲートウェイからのエラー検知も可能なため、安心・安全なloTシステムを構築できる。

組込みシステム向け高速DB「SppeDBee」は、組込みシステム専用のデータベースエンジンだ。多種多様なデータを管理できるKVS構造や、限られたリソース環境下で連続稼働するリング構造などにより、超高速なデータの登録と検索処理を実現している。また、統計・FFT・予測インデックスなどの分離処理、ローカルバックアップなど、拡張性の高い開発環境を提供している。

そのほか、リアルタイムな高速エッジコンピューティングを簡単に導入できるIoT POC キットや、ネットワーク上のすべてのNASの稼働状況などを監視、制御するサービスも展開。さらに、性能チューニングや障害調査、DB選定などのDBコンサルタントや、モバイルアプリケーションの開発、各種アプリケーション開発などの受託も手がける。

ソルティスターには、組込みからクラウドシステムまで幅広く対応できる技術陣が在籍し、一気通貫での開発の受託が可能だ。R＆Dで培った経験や技術を、ベテランから若手に共有する体制もある。また、「尖った職人技術集団」をブランディングするためコーポ―レートカラーをブラックにするなど、ビジュアル的な対外訴求も実施。IT業界が主催する各種イベントなど数多くの表彰実績を活かし、技術面のコツコツとした訴求に加え、貸す多い受賞実績が効果的な対外アピールとなっている。

進化発展する技術の中にありながら、DBは普遍的な技術だ。ソルティスターはその技術力と実績をさらに深めつつ、時代の先端を切り拓くべく、若手中心のプロジェクトを発足させる。今後は「IoTの新時代を創造する」をキーワードに、大手メーカと対等で勝負できる職人集団、技術集団をもつ“スーパー中小企業”を目指していく。

2023年9月時点の従業員数は15名で、平均年齢は42歳。男女比は、男性：女性＝14：1となっている。中途入社者が100％で、離職者はこの3年間でていない。残業時間は、36協定の範囲内で、たまに発生する程度。基本的には定時に退勤できるイメージだ。ミーティングは、WEBによる全体会議が週に1回おこなわれる。

ITの展示会などへ定期的に自社製品を出展しており、自分のアイディアを製品やサービスとして、対外的に発表できるチャンスも多い。プログラマーが大半を占める少数精鋭の職場では、教育研修はOJTが中心。「職人魂」という言葉を大切にしている。評価は月に1回、社長面談がおこなわれ、年齢や経験も考慮されるが評価は完全な実力主義のため、年俸額なども実績と実力次第で交渉可能だ。そのほか、主な福利厚生としては各種社会保険完備、歓送迎会、打ち上げなどがある。数カ月おきに長野・東京・沖縄のいずれかで全社員が集まる会議が開かれ、遠隔地で働く仲間と、直接コミュニケーションをとる機会がある。

ソルティスターは、「Speed　&　Smart　With　Spirits…新時代IoTを創造する」をモットーに、「誰にも負けない高速なデータ処理」、「目的に合致したデータ検索」、「安全なデータ管理」にこだわり続けている。その集大成が 自社開発のDB関連技術だ。あらゆるシステムの中核技術の一つには、必ずデータ処理が存在する。一見トラディショナルと思える技術だが、永遠のスタンダートな技術でもある。最先端の技術を支える、数多くの“枯れた”技術。安定性が重要な役割を担う「データ処理」という重要なレイヤーを守ることを、ソルティスターは最大のミッションとし、誇りとしている。

長野や沖縄など、地方からIoT時代を支えるビジネスにジョインできるのも、ソルティスターの特徴の一つだ。製品・技術・システム・サービスへの「こだわり」と「プライド」、「職人魂」を大切にしながら、製品開発やコンサルティング、請け負いによるシステム開発など、幅広く活躍できる会社だ。