ネクスティシステムデザイン株式会社

ネクスティシステムデザイン株式会社は、クルマの自動運転や制御に関する組込みソフトウェア開発を中心に事業展開を行うエンジニアリングカンパニーだ。
車載以外にも、音響機器やヘルスケア機器など各種エレクトロニクス製品の組込みソフトウェア開発も手掛けている。また、民生技術の発掘と車載への応用を目的にした先進技術の調査、PoC（概念実証）にも積極的に取り組む。これら3つの開発領域を融合し、顧客企業の課題解決と、ひいては社会全体の利便性向上に技術力をもって挑んでいるのだ。事業拡大と新規事業への取り組み強化のため、新たな戦力を広く求める。

同社は、ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントと営業力に定評がある株式会社ネクスティ エレクトロニクス（豊田通商グループ）と、組込みソフト開発で高度な技術力を誇る東芝マイクロエレクトロニクス株式会社（東芝グループ）の合弁会社として、2017年11月20日に設立された。設立の背景には、自動車産業に押し寄せる大きな変革の波が関係している。

自動車業界では、『Connectivity(接続性)』『Autonomous(自動運転)』『Shared mobility(共有サービス)』『Electric mobility(電動化)』の4つの頭文字を取った『CASE』というメガトレンドが世界的規模で加速。CASEは、自動車産業のみならず社会全体さえ変えるインパクトとして注目を集めている。

今まで単体の移動体だった自動車が、インターネットと常時接続することで様々なビッグデータを生み出し、その蓄積・分析による新たな価値創造が期待されている。加えて自動運転、電動化が進むことで、自動車は移動手段としての役割を超えた新たなサービスを生み出し、商品構造やビジネスモデルを変えていくと言われているのだ。

この潮流により自動車産業においては、市場が求める競争力の高い製品とサービスのスピーディーな供給が必須となる。同社はこのニーズに応えるべく、豊田通商と東芝の2グループの強みをコラボレーションする形で生まれた。未来のクルマづくりにおける重要な領域を最先端で担うことが期待されているのだ。

前述の『CASE』を背景に、世界的規模で需要が拡大する自動運転市場。先進安全システムは、先進技術を利用して運転者の認知・判断・操作をサポートして安全を支援するシステムであり、自動運転の一画をなす重要なテーマだ。オートモーティブ開発部が最も注力する領域でもある。同部部長の向井昌博氏は部門の業務について、「先進安全は答えがなく、進化し続ける分野。所属エンジニアは、まだ世にないものを作っていくという気概を持ち開発に取り組んでいます」と話す。

同社に所属するプロパーのエンジニアは、現時点では全員が東芝グループ出身者であり量産品を作っていた経験を持つ。品質を保持する設計ノウハウや知見を身に着けており、メーカーとしてのプライドと責任を持ってプロダクトを世に送り出してきた。このアイデンティティは同社ならではの強みであり、他の受託会社とは一線を画す部分だ。

「培ってきたモノづくりへのプライドに加えて、先進安全の分野はわれわれの手にかかっているという圧倒的な当事者意識も特徴です。大げさではなく、われわれがちゃんとやらないとクルマの安全性が損なわれ、人が死ぬ事態も起こり得る。シビアな現実を認識して、先進安全システムにおけるテストシステムやツール、テストシナリオ開発に取り組んでいます」（向井氏）

自動車の開発は高い品質を求められる上に、数年という長期間に渡る大規模なプロジェクトだ。エンジニア個人の力だけでカバーできる範囲ではない。小規模なプロジェクトの集合体として連なるイメージで、プロジェクト毎に課題解決とPDCAサイクルを回して成り立っている。それゆえにチーム力が必要不可欠であり、同社では一匹狼の職人的技術者というよりはチーム志向の人材を求めたいという。

「さらに言えば、メンバーの中で困った人がいたら躊躇なく手を差し伸べられるような、チームをまとめて牽引していける人。将来のマネージャー候補となるような方を歓迎したいです」（向井氏）
自動車業界での設計について知見があるに越したことはないが、必須ではない。それ以上に、「自分たちがやらねばならない」という意志を持って未開の地を切り拓く情熱を何よりも求めている。エレクトロニクス製品の組込みソフト開発を担当するシステムソリューション開発部も、新規技術や応用技術の研究・検証を行う先行開発部も、思いはまったく同じだ。

同社に参画するエンジニアは、他社にはない位置づけと環境の中で密度の濃い経験を積んでいける。

豊田通商と東芝という大きな母体がバックグラウンドにあることで、福利厚生の手厚さには自信を持つ。社会保険は豊田通商と同等で、年間休日は127日と多めの設定。年間で24日付与される有給休暇の取得率が高く、休みが取りやすい風土だ。また、固定残業20時間分が既に給与に組み込まれていることもあり、なるべくその範囲を超えないようにしたいと、メリハリを意識した働き方が主流になっている。

一方会社組織としてはまだまだ少数規模で、経営層との距離が近い。「自由闊達にやってほしい」「個の意見をつぶしたくない」という、代表取締役の意向が反映されたフラットでオープンなカルチャーだ。大企業の安定感・働きやすさと、ベンチャー企業の柔軟性・自由闊達さが併存する恵まれた環境といえるだろう。チームワークを大事にしつつも多様性と個々人の個性が尊重され、アイディアや意見を臆せずぶつけ合える雰囲気だという。

「前身の会社以上に”自分ごと”として絶対に成功させよう！というパッションが強くなったように感じます。開発技術を絶対に量産化までつなげようという強い意志、私はそれを“勝つ”と表現していますが、とにかく勝つことにこだわっていきたいです」（代表取締役社長・萩原健男氏）

「自分ごと」「主体性」「当事者意識」といった言葉が、代表や部長の口から幾度も発せられたのが印象的だった。同社が目指す未来には、社員ひとりひとりこの意識を持つことが必要不可欠なのだろう。

同社のビジョンや取り組む事業領域、会社としての風土など、魅力を感じたならば迷わずにアクションを取ってほしい。堅固な基盤を持ちつつも新たな未来を目指す同社に参画できる、またとないチャンスだ。