オフィスコム株式会社

「簡単に最安で最速のかっこいいオフィスづくり」を経営理念に掲げ、オフィス家具のECサイト運営やオフィスプランニングを行っているオフィスコム株式会社。その事業領域は幅広く、オフィス家具のPB商品製造・販売から、オフィスの空間設計や内装・インフラ工事、またオフィスの引越しに至るまで、オフィスにまつわるすべての領域を事業としている。

設立は2007年。ワンルームマンションの一室を借り、日本では数少ないオフィス家具専門のECサイトを立ち上げたところからスタートしている。そして、2011年には同社独自のPB商品を開発し、オフィスのプランニングやデザイン、施工に至るまで事業を拡大。リアルからWebへ展開するのではなく、Webからリアルへと展開してきた、ユニークな成り立ちをしている。

こうして事業領域を広げてきた背景について、同社の執行役員でEC事業本部 本部長の大坂賢市氏に聞いた。

「お客様が必要とするものを揃えていくと、いつの間にか事業が広がったというのが正直なところです。PB商品の開発については、お客様からいただいたECサイトのレビューがきっかけですね。例えば、オフィスチェアの背もたれが低い、キャスターの転がりが悪いといった声があり、こうした声をメーカーに伝えてもなかなか改善が難しいことも多い。それなら自分たちで開発しようと。そんな感じで事業が拡大しました」（大坂氏）

PB商品はテーブルやチェア、ワゴンなどの商品開発から始めて、現在ではオフィス家具なら一通り揃えることができるラインナップがあるという。最初は機能性を重視した開発を行っていたが、現在ではデザイン性も兼ね備えた商品が多くなってきたそうだ。そして今ではPB商品の売上がECサイトの半分を占めるほどに成長している。

そして2016年。大手事務用品・オフィス用品メーカーであるプラス株式会社の100％出資会社としてプラスグループの一員となる。プラスグループに入ったことにより、大手傘下の信頼と物流や配送したオフィス家具の組み立ての面でメリットがあるという。

現在、同社が取り扱っているメーカーは200社を超え、商品アイテム数はおよそ16万点。そして法人顧客の会員数は、25万社以上と、設立以来、右肩上がりの成長を続け、現在でも売上130％アップの成長率を誇っている。

同社が運営しているECサイトは、本店となる『オフィスコム』と3つのECモールサイトがある。自社サイトである『オフィスコム』は、同社のクリエイター部が自ら開発し、運営を行っているという。『オフィスコム』の特徴をクリエイター部 開発課 課長の笹氏に聞いた。

「当社のECサイトは法人顧客向けであるため、他社のECサイトと比べて追加機能が多いと思います。EC-CUBEをベースとしていますが、単純にプラグインを追加するのではなく、独自に開発した機能を追加することが多いですね。例えば納期表示についても、メーカーによってさまざまな場所に倉庫があります。そのため、各倉庫の状況に合わせた納期情報がわかるように工夫するなど、いつでも便利に使えるサイトを目指して開発しています」（笹氏）

同社のECサイトは法人向けであるため、他にも見積書や請求書の充実はもちろん、決済や稟議が必要な場合に備えて、帳票類も多いという。個人向けのECサイトとは異なる難しさもあるようだが、法人向けならではの開発の面白さもあるようだ。倉庫状況と連動されるだけでなく、工場や物流と連動させる機能もあるなど、レベルの高い開発を行っているという。

こうした機能開発については、クリエイター部のエンジニアやディレクター、デザイナーたちが、自ら提案することで取り入れていることが多く、それが同社で働くモチベーションややりがいにつながっているようだ。自らアイデアを出して開発しているECサイトを運営しているので、お客様にどのように使われているかがわかるのも、同社で働く面白さだろう。

また、同社の場合はECサイトの開発だけではなく、基幹業務システムについても独自に開発を進めている。受発注システム以外にも、海外からの輸入や仕入れ、PB商品の開発や製造、工場、倉庫、営業などさまざまな業務システムがある。お客様からの問い合わせに対応するコールセンターも社内に用意するなど、多岐にわたる業務を手掛けている。

同社にはECサイトも業務システムも「セキュリティシステムは外注に頼み、後はできるだけ社内で開発していこう」という方針があり、またPB商品の開発も含めて独自の路線を進んでいる。こうした独自路線が同業他社との差別化につながり、お客様から選ばれる要因となっているのかもしれない。

ECサイトや業務システムは、同社のクリエイター部に所属する20数名のメンバーが開発に携わっている。クリエイター部は、開発、制作、運用、広報の4部署に分かれているが、お互いにサポートし合いながら、チームワーク良く開発やコンテンツ制作を進めている。20代～30代のメンバーが中心で、若手社員が多く活躍しているという。

社内は自由な雰囲気で、服装なども社員に任せている。ランチタイムも特に時間は決めておらず、いつ行っても良いそうだ。そんなフラットな社風のもと、上司や代表に対しても気軽に話しかけられる環境がある。

また、同社には無駄な残業はしないという方針がある。実際に残業はほとんどなく、定時に帰宅するメンバーがほとんどだ。ECサイトのシステム開発を任されているエンジニアでも、月間平均残業時間は10時間以下だという。オンとオフのメリハリがある環境が整っていると言えるだろう。

成長企業であり、さらには大手のプラスグループでもあるため、福利厚生も充実している。休みも取りやすいことから、安心して働くことができる環境だ。また、月間売上目標を達成した際は、メンバーに飲食代として3000円が支給されるという社員想いの制度もある。

同社では、半期ごとに業績を発表する経営説明会があり、全国から社員が集まっている。食事をしながら社員同士の交流を図るカジュアルな会で、楽しいレクリエーションなどもあるそうだ。

インタビューの最後に、クリエイター部 部長の駒野裕昭氏にどのような人材を求めているかを聞いた。
「当社は少数精鋭のメンバーで開発を進めているため、自分で考えて自走できる人材を求めています。エンジニアとしての経験が浅くても、自ら学んでスキルを高めていく人が合っていると思います。また、部署に関わりなく、お互いに協力しながら開発を進めているので、チームワークも大切です。こうした環境で意欲的に仕事がしたい方に来てほしいですね」

成長を続けるベンチャー企業であり、プラスグループというしっかりとした経営基盤もある。そして、何より自社サイトを自分のアイデアで開発していく仕事の面白さもある。安心して仕事ができる環境で、面白い仕事に取り組みたい方には最適な企業だろう。