株式会社Og

株式会社Ogは、（1）訪日・在留外国人向けモバイル通信事業「Sakura Mobile」、（2）在留外国人向け光回線事業「Sakura Fiber Internet」２事業をメインに展開する会社だ。2014年2月に設立され、東京・西新宿に本社オフィスを置く。

訪日・在留外国人向け通信事業「Sakura Mobile」は、注文から決済までのすべてが英語で、かつネット上で完結する。契約期間なし、外国発行クレジットカード決済OK、現金払いOKなど、外国人にフォーカスしたサービスを提供。短期滞在、長期滞在、Wifi、SIMカードや端末の取り扱いなど、すべての分野をカバーしているのは「Sakura Mobile」だけだ。
また、在留外国人向け光回線事業「Sakura Fiber Internet」を昨年リリースし、申込から工事の際の通訳までをワンストップサービスで提供し、外国人の契約数を急速に伸ばしている。長期滞在の外国人向け専門で展開している通信プロバイダとしては日本トップクラスの実績があり、特に欧米圏に強いのも特徴だ。

共同設立者で代表取締役を務める須永倫企氏は、1984年生まれ、東京都荒川区西尾久の出身。高校卒業後に渡米し、米・カリフォルニア州のSan Diego State Universityで、情報システムを専攻。大学卒業後は家業の食品会社を継ぐために帰国し、2009年からタイの工場勤務を経験。しかし、2011年の東日本大震災で本社工場が被災したことを受け、日本へ帰国することとなった須永氏。復旧後は以前から興味のあったITで起業することを決意し、幼馴染の下田浩生氏（現・取締役）とビジネスプランを模索し、起業した。

社名の「Og」は、「オグ」と読む。由来は、須永氏と下田氏が生まれ育った街「尾久」だ。それと同時に、O.G（Original Gangster）や「ゼログラビティ（無重力）」といった含意もあるという。常識や既存概念にとらわれず、人々の予想を超えるサービス。国境や文化、宗教などにとらわれない、グローバルなサービス。Ogに関わる世界中の人が「Oh, Good！」と感動してくれるような、そんなサービスを目指している。

今やインターネットやスマートフォンは、情報収集に不可欠なインフラだ。しかし、日本を訪れる外国人にとって、良質な通信環境を得るのが非常に難しいという現状もある。「Sakura Mobile」は商品の品質はもちろん、カスタマーサービスの面でも外国人にとって“母国同様”を目指している。「日本をもっと好きになってもらうこと」、これがOgの事業の目的だ。

「Sakura Mobile」は、日本に在留している外国人向けの携帯電話サービス。インターネット経由で集客し、申込から解約まですべてを英語で対応する。また、空港や英語対応可能なパートナー会社での受け取り対応、海外発行のクレジットカード対応など外国人のニーズを考慮した仕組みを設けている。

「Sakura Fiber Internet」は、日本に在留している外国人向けの光回線サービス。工事に関する調整や大家との交渉など複雑なやり取りが必要となる光回線の導入から言語の壁を取り払うサービスを展開し、外国人からの多くの支持を得ている。

Ogではそのほか、HP制作開発事業や翻訳・通訳事業なども手がけており、日本における外国人の情報通信に関する情報収集・分析も行っている。

正直なところ、Ogを取り巻く外部環境はコロナウイルスにより逆境にさらされている。しかし、そのような逆境の中でも順調に在留外国人向けの契約数を伸ばすなど、今後国境の出入りが自由になった際の爆発力は計り知れないものがあると予想される。
また、日本政府の訪日客数の増加を目指す方針やビザの発給要件の緩和など、日本で生活する外国人は増加の一途をたどるという予測もある。

これらの追い風を受け、Ogは通信事業に限らず、外国人や越境に関わるすべての分野（ビザ、金融保険関連など）でのサービス提供を目指すという。同時に、通信部門でも競争力を高めるため、新商品や新サービスの開発をおこなっていく方針だ。

2022年2月末日時点での従業員数は22名（パート・アルバイト含む）で、平均年齢は29歳。男女比は1：1の比率となっている。外国人比率は25％超と国際色豊か。代表・須永氏をはじめ、海外在住経験者、海外出身者、外国語が堪能なメンバーが多くを占める。中途入社が100％で、定着率が高いのも特徴だ。

また風土として特徴的なのは、残業が少ない点だろう。「所定時間内に効率よく仕事を終わらせる」という、（海外では当たり前の）働き方が根付いているのだ。

主な福利厚生については、各種社会保険完備はもちろん、通勤交通費支給、産休・育休制度（取得実績あり）など基本的なメニューを用意。

Ogは、企業理念として「Open and Global company ～ 世界と日本との境界がなくなる未来へ ～」を掲げている。経済大国である日本だが、実はとても内向的な社会と感じる人も多いだろう。外国人向けに通信環境を提供する会社が少ない、英語版のWebサイトを持っている会社でも文法的な間違いが多い、日本語以外のカスタマーサポートがない、など挙げればキリがない。この課題を解決するべくチャレンジを続けているのだ。

今回の採用では、性別や国籍などは問わない。求める人物像は、理念でもあるオープンでグローバルな志向性を持つ人、既成概念にとらわれず自由でイノベーティブな発想ができる人、海外にも影響を与えることができるような仕事をしたい人、「おもてなし」の精神を発揮したい人、などだ。

現在活躍しているメンバーには、Ogの国際的かつ先進的な雰囲気を魅力に感じて、入社を決めた人が多い。国籍や出身地、人種、性別、宗教などにとらわれず、目の前で発生している不便さを、イノベーティブなアイディアやテクノロジーで解決する、そんな仕事に打ち込める環境だ。