株式会社リプロス

株式会社リプロスは、不動産業界向けシステム開発やWEBサイト制作、コンサルティングなどを行っている会社だ。会社設立は2003年10月で、アクセス株式会社（1996年5月設立）と2005年に合併し、リプロスが存続会社となって現在に至る。本社は大阪市北区天神橋にある。

リプロスの強みをひと言でいうと、不動産業界に特化している専門性だ。不動産業界向けのシステムやサービスはいろいろあるが、ほとんどが汎用性を重視。つまり、企業によっては必要のない機能があったり、欲しい機能がなかったりする。一方でリプロスが目指すのは、汎用性ではなく「オンリーワン」の不動産システムだ。

リプロスの不動産業界での経験は25年以上になる。その間、顧客と二人三脚で培ってきたノウハウは、間違いなくリプロスの財産となった。売上高も堅調に推移し、2020年12月決算は世界景気が後退するなかでも売上は5億を超え利益とも増加。多くの企業から信頼・評価されている証拠といえるだろう。

代表取締役を務める松尾充泰氏は、1996年まで大阪の中堅不動産会社でサラリーマンを経験。業務フローの問題点や効率の悪さを改善すべくソフトウェアを探していたが、業務にあうものが見つからず、結局自分で開発することに。インターネット上の不動産情報で誇大広告をなくし、消費者に正しい情報をタイムリーに届けたいという思いが創業に繋がったのだ。

そして、「儲けたい！」ではなく「変えたい！」、不動産業界を正しい方向に導きたい、という強い使命感が独立してからのエンジンになっていたという。

松尾氏がサラリーマン時代に感じていた、さまざまな問題点、疑問、不便さ、もどかしさ…。こうした想いは、不動産業界に携わる者なら誰でも感じていたことだった。同時に、多くの人が改善すべきだとも考えていた。リプロスはクライアントごとの目線で丁寧にヒアリングを重ね、その会社が“本当に使える”仕組みを構築することに専念。これがリプロスの得意分野となり、「リプロスにしかできない仕事」となった。

現在の主な事業内容は、住宅メーカーや不動産業界向けの受託開発とコンサルティングだ。メインの商品・サービスは物件管理（賃貸、売買）を行うシステム（SaaS）で、専門性の高さから、大手企業との直取引により事業は成長。“売り切り”ではないため、使用料と保守料が固定収入になり事業の安定化につながっている。

不動産会社のためのサポート事業としては、2008年から入居者のインターネット回線の手配を行うサービスを開始していた。これをさらに発展させ、不動産会社の経営効率化をサポートする、日常業務支援システムを提供する計画もある。また、リプロスは営業ツールの制作も請け負う。

2007年からネットショップ事業「リプロスストア」を展開しているのも、この会社の特徴だ。最初に手がけた火災警報器の販売では、メーカーから「販売量日本一」の評価を得た。こうした販売ノウハウを活かし、その後、ペット用品、防災グッズ・消火器、など取扱商品を拡大させ、今後もさまざまな分野への進出を模索している。

不動産業界に特化したソリューションを提供してきたリプロスだが、今後も提案営業型のシステム開発を行いつつ、さらなる技術向上と新しいビジネス開拓を目指す方針。現在進行中の住宅メーカー/不動産業界向けSaaSでは、業界に必要とされるシステムをSaaS化し、クラウド商品として販売していく。その第一弾は、物件情報をBtoBで情報供給するシステム。また、取り扱うビッグデータを活用し、将来はAIを使った市場分析なども予定する。

2021年1月時点の従業員数は19名で、中国やベトナムなど海外籍のメンバーも活躍している。勤務先は本社（大阪市北区天神橋）で、支社の計画もないため、現状、転勤の可能性はない。働き方については、エンジニアでもっとも残業したは、マネージャーで年間285時間、次にリーダー年間176時間（2020年実績）。役職に応じて「みなし残業」がつくが、「みなし時間」を超過しなくても手当は減額されない。また、みなし残業を超える人はいない。ちなみに、創業以来、徹夜や早朝出勤などは一度もない。

休みは完全週休2日制（土日祝、一部土曜出勤あり）で、夏期・年末年始休暇、会社指定の有給休暇5日などを含めると、年間休日は120日となる。もちろん、有休休暇や慶弔休暇の制度もある。有給の消化率も高く、社員19名中、上位5名の取得率は100％、100％、100％、83％、53％となっている。

組織は、システム開発部門、制作部門、ネットショップ部門、通信回線取次部門の4つ。直受け＆自社開発のため無理なスケジュールになることはなく、部門同士の垣根もないため、協力しながら仕事をしている。穏やかな性格の社員が多いせいか、社内にギスギスした雰囲気は皆無。トップとの距離も近いため、キャリアプランを話しあったり、事業性があれば社内ベンチャーを興したりすることも可能だ。

育成体制としては、未経験でも理解できるまでしっかり教育する風土がある。それぞれが高いスキルを持つため、何気ない会話から勉強になることも多い。専門図書の購入など、学びたい姿勢にしっかり投資してくれる制度もある。業務は理解度によって割り振られるため、自分にあったペースで仕事に取り組める。勉強熱心な人、意欲のある人には、理想的な環境といえるだろう。

エンジニアの主な業務は、住宅メーカー・不動産業界を中心とした開発だ。打合せには業務知識に精通したコンサルタントが同行するため、現時点で業界の専門知識は問わない。開発環境やツールは、エンジニアの要望を積極的に取り入れる。エンジニアには大きな裁量が与えられ、実力や意欲に応じてステップアップできる。