株式会社バスキュール

株式会社バスキュールは、新しいつながりをデザインし、既存の枠組みを超えた未来のスタンダードをつくる、プロジェクトデザインスタジオだ。目先の目新しさに囚われず、100年先の人々も楽しんでいるような普遍性のあるもの、いわば「未来の普通」をこの時代から生み出そうとしている。

社内には様々な専門性を持ったメンバーが集う。多彩なスタッフを擁することで、自分たちで考えたアイデアを素早くプロトタイピングし、その実現性や実効性を検証することが可能となる。どんな突拍子もないアイデアであっても、それが価値あるものと信じられるならば、まずは作ってみる。コラボレーション相手に体験させ、感動してもらい、プロジェクトを大きく飛躍させる。彼らは、そんな経験を何度もしてきた。

手を動かして、まだ存在しない未来を作ってみること。共感する仲間を増やし、プロジェクトを立ち上げ、育てること。このプロセスを社内でワンストップで行えることが、創業当時からの強力な武器だ。

バスキュールの実装領域は、Web/Apps/CM/イベント/ライブ演出/テレビ番組/まちづくり/ロボット/宇宙関連など、プロジェクトの要求に応じて多方面に広がり続け、スケールも年々大きくなっている。

彼らが出会いたい人間は、「まだ誰も踏み入れたことのない領域に挑むことにワクワクする人」「自分の領域を決めず、どんなプロジェクトにも主体的にコミットできる人」「正解を決めつけることなく、思ったらやってみる精神で、勇気をもって踏み込んでいく人。」そんなマインドを持つ人にとっては、やりたいことに挑戦し成果を得られる、最高の環境となるだろう。

オフィスは東京と大阪にあるが、2021年のコロナ禍をきっかけにほとんどのスタッフがリモートで働き、チャレンジングなプロジェクトを推進する経験を積んだ。地理的な距離を超えてチームで仕事をする、新しい働き方への大きな自信を得た年だった。今後もリモートと出社を併用しフレキシブルな働き方を推奨したい。

2021年11月時点の従業員数は33名で、平均年齢は約35歳。男女比は4:3となっている。女性の産休・育休経験者かつ復職者が4名いる。働き方はフレックスタイム制（標準労働時間8時間）で、休みは完全週休2日制（土日祝）。

組織は、プロデューサー、ディレクター、デザイナー、エンジニアなど職種ごとに分かれている。1案件につき4～5人、規模が大きければ10人以上で担当する。デザイナーやエンジニアも全員が企画から携わり、アイデアとフィージビリティをレビューする。職種に関わらず全案件でプロジェクトオーナーを設定しており、案件に深くコミットできるチャンスに恵まれている。

さて、ここから、バスキュールの特徴がよく現れたプロジェクトを、主にエンジニアリングの観点から紹介していきたい。

「流れ星を見つけた瞬間のときめきを多くの人と共有したい。」そんな想いから、流れ星を24時間リアルタイムに観測するシステムを開発した。日本の各地に流星電波観測用のアンテナを設置し、クラウドで解析。その全てを自社で行っている。

観測アンテナが受信するのはホワイトノイズの波。その中に微かに現れる流星のサインをアルゴリズムで抽出する。雷や飛行機、電離層の状態によってノイズが混入する。流星群の日には1000個以上の流星を検知することもある。一般に想像されるIoTや遠隔データ収集の世界とは異なる、自然現象のデータを扱う面白みがそこにある。

Meteor Broadcasterを利用して、流星という自然現象をエンターテイメントに転換し、願いを星空に届ける様々なプロジェクトを実施している。

渋谷の街に時限装置がばらまかれた！スマホに表示された地図と音声の指示を頼りにして、時間内に装置を全て発見し解除せよ！リアルな街を舞台にした、100人規模で挑戦する「音声スパイゲーム」イベントを企画、開発、運営した。

街中を移動する参加者100人のスマートフォンアプリからバックエンドへ、GPS、加速度センサー、街に設置した装置(Beacon)のセンシング情報を集約。それらの情報を元にイベント全体の進行を制御した。バックエンドから各スマートフォンアプリへは、パーソナライズされたストーリーや指示を音声で通知。それぞれの参加者が、まるで1本の映画に出演しているかのような同時体験ゲームを実現した。

このイベントは、Basculeが協力会社との共同プロジェクトとして立ち上げた「音声AR」事業の一つ。視覚ではなく聴覚で参加者の目の前を拡張できる仕組みは、美術館、博覧会、観光事業やイベント、さまざまな分野で未来の体験に近づける事業として拡大している。

【主な使用技術】
- 位置情報センシング（GPS, Beacon）
- バックエンドサーバー（REST API, Redis, Aurora PostgreSQL)

1万人規模のライブイベント会場「ぴあアリーナMM」に、ファンからアーティストへ想いを届けることができる「デジタル寄せ書きスクリーン」を設置。ライブが始まるまでの待ち時間、スマートフォンのブラウザから、手描き感覚で文字やイラストを描いて、アーティストへのメッセージをスクリーンに投稿。みんなのメッセージで埋め尽くされた、その日だけの寄せ書きが完成していく。

１つのキャンバスに、複数のユーザーが同時にメッセージを書きこむことができる。描かれたメッセージの上に他のユーザーがさらに重ねて描くこともできる。このため、それぞれのユーザーの手元には常に最新の状態の寄せ書きイメージを送る必要がある。巨大な解像度の寄せ書きイメージを素早く生成するための処理の軽量化、最新の寄せ書きイメージが必要なユーザーに優先して配布するキューイング処理の最適化が重要なポイントだった。

管理画面は、寄せ書きの生成イメージをプレビューしながらリアクティブに設定できるUIを採用。作り方次第では煩雑になりかねない運用を直感的に行えるように工夫した。

【主な使用技術】
- 画像レンダリング(AWS ECS<Golang>)
- タスクキューイング（AWS SQS）
- 管理画面（Reactjs）