negocia株式会社

negocia株式会社は、SaaS型のマーケティングツールを提供するTechカンパニー。AIを活用したデジタル広告の最適化ツールを開発している。negociaの事業の詳細を紹介する前に、少しデジタル広告の話をしよう。

GoogleやFacebookといったプラットフォームの広告枠は入札制で、条件に合致するなかで一番高い価格を付けた広告が掲載される仕組みとなっている。広告を掲載する側は、予算の中で最適な費用対効果が得られるように、広告料や掲載するプラットフォームを決める。企業や広告代理店の担当者は、数字とにらめっこしながら頭を悩まして、入札額や掲載先の配分をしてきたのだ。

しかし、近年GoogleやFacebookは、デジタル広告運用をAIで最適化するツールを提供している。negociaが提供するのも似たようなツールだが、大きな特徴はAmazon広告に対応している点だ。現在、日本においてAmazonのデジタル広告最適化ツールは、negociaのものだけである。

「Amazon広告にも非常に細かい配信設定があり、ライバルとなる他社の入札金額を予測しながら、企業や広告代理店の担当者が日々運用しています。膨大な情報を処理して最適な入札金額を決めるのは至難の技。人力では不可能といえますが、AIにとっては得意領域。膨大なデータを解析して最適化する仕事こそ、AIが最もその実力を発揮する舞台です」（代表取締役・柴山大）

Amazonでキーワード検索した場合、広告は検索結果の前に表示される。つまり製品の並ぶ順で目につきやすい場所を確保できる。同社のツールを使えば、キーワードごとに競争相手よりも高く、かつ無駄のない最適な金額をAIが決定してくれ、効率よく広告を掲載できる。

「入札によって掲載位置が決まるため、相手の入札金額を探り合いながら最適な金額を決めなければいけません。広告費の費用対効果を最大化するために担当者が、毎日入札金額を細かく調整しています。ここに日々の労力を割かなければならないため、、広告運用の難易度が高くなってしまいます。」（柴山氏）

AmazonのシステムとAPIで連携したnegociaのツールを使えば、予算内で費用対効果を上げるように設定することもできれば、予算に限度を設けず費用対効果を極限まで高まる、あるいは予算にも費用対効果にも制限をかけず売上高のアップを追求するなど、日々の業務成績に応じて細かい設定ができ、Amazonデジタル広告の担当者は、求める結果に応じた運用が可能となるのだ。

同社では、開発したツールを広告代理店向けとして先行リリースする。大手のメーカーや販売店は、社内にデジタル広告の運用担当者がいるわけではなく、広告代理店にGoogleやFacebookなどほかのプラットフォームと一緒にすべて代理店に一任しているケースが多いのです。

「大手広告代理店ではAmazonのデジタル広告運用でコストがかかっている現状があります。まずはその課題を解消し、ツールのブラッシュアップを進め、インターフェースなどを改善した上で一般向けツールの開発を進める計画です」（柴山氏）

Amazonの特徴の一つに「ロングテール」がある。Amazonは小さなメーカーや販売店でも上手く広告運用すれば、大手と対等に戦えるプラットフォームなのだ。マスメディアでは資本力がものをいうが、Amazonなら資金が少なくても効率的に戦える。そこにこそ、negociaが考える真のターゲットがおり、社会貢献できるニーズが潜在している。

「デジタル広告はマスメディアを使った広告とは違って公平な世界です。しかし、残念ながら中小のメーカーや販売店にデジタル広告のノウハウはありません。といって、広告代理店は売上規模が小さいとデジタル広告の運用を請けてくれません。特にAmazonのデジタル広告はアナログな作業が多いため、人件費が嵩むからです。当社のツールを使えば、中小規模の企業でもAmazonのデジタル広告で戦えます」（柴山氏）

広告代理店向けのツールに比べて、一般企業向けのツールは、ユーザーインターフェースを大幅にシンプルにして、デジタル広告の初心者でも扱えるようにする予定だという。Amazonで売りたい製品を登録してキーワードを設定すれば、あとはオートドライブで運用してくれるとか。

一般企業向けのツールを開発し終えた後は、AIを中心に最先端のテクノロジーを生かしたサービス・プロダクトの開発に進むと柴山代表は語る。

「今のツールは2年で究められると考えています。その後は、今のツールの開発で得た知見、特にAIのノウハウを使って、新しいサービス、プロダクトを世に出したいと考えています。メンバーからの『こんなことがしてみたい』という意見も大歓迎。ITの力で世の中の課題を解決したいと考えているエンジニアにどんどん集まってほしいですね。尖った会社であり続けることにはこだわっていきます。技術が好きでITの力で社会貢献したいと願うエンジニアにとって楽しく働ける環境だと断言できます」（柴山氏）

経営判断でも技術的な視点を重視し、テクノロジーのキャッチアップのためにシリコンバレーに出向いて現地の技術を仕入れてくるなど、同社はITの世界で最先端企業であり続ける。レベルの高いAIを作りたいという思いも持っており、AI業界での評価も高い。技術に興味があるエンジニアは、同社の扉を叩いて熱く語り合い、技術に対する思いの丈をぜひぶつけてほしい。その先にハッピーなエンジニアライフが待っているだろう。

「当社は自由を大切にしている会社です。私は成果第一主義なので、結果が出るなら、いつどこで働いていようと関係ないと思っています。労働時間にもこだわりません。8時間かかる仕事を3時間で終えるのは、能力のある証であって、残りの5時間を有効に使えば充実したエンジニアライフが送れます」（柴山氏）

リモートワーク、フルフレックスが当たり前のように機能しているnegociaでは、多くのメンバーがリモートワークを活用している。対面で打ち合わせをした方が効率的なことを出社した日に進めて、あとはSlackでコミュニケーションを取りながら仕事をすれば、業務には全く支障がないとのこと。

「無駄をいかに省くか。これが会社を運営するうえでのポイントです。だから定例会議は基本的にしません。必要に合わせてメンバーが集まればそれで済む話です。必要がない会議に参加することほど無駄なことはありません。」（柴山氏）

自由に働くnegociaのメンバーは、みんな自走型のエンジニア。ここにも同社が自由な働き方を実現できるカギがあるようだ。

「自己管理、タスク管理がきちんとできるメンバーだからこそ享受できる自由だと思っています。新しく入社するメンバーにも、その点だけは強く求めます。品質・納期をしっかり守れる自走型エンジニアを当社は求めています」（柴山氏）

もう一つnegociaの社風には特徴がある。パフォーマンスが上がる要望を実現する風土だ。仕事に使うパソコンもハイスペックなものを用意。ケーブル一本でノートPCの画面を映し出して充電もできる4Kディスプレイを、オフィスとそれぞれのエンジニアの自宅に支給している。普通のディスプレイ3台分の金額という高価なディスプレイだが、家で作業するのに生産性が落ちたらリモートワークの意味がないと考えているため、同社では当たり前の選択なのだとか。

技術が好きで今後極めていきたいと考えている人にとっては、同社この上ない環境となるだろう。興味がある人は一度話を聞きに行って、同社の雰囲気を味わっていただくことをオススメする。