株式会社プラムソリューションズ

株式会社プラムソリューションズは、大阪市に拠点を置くシステム開発会社である。
2018年2月に設立し、代表取締役・梅谷太一朗氏を含む15名（2023年1月現在）の社員でインフラ構築とアプリケーション開発の両輪でSES事業を展開中で主な取り引き先となる大手SIerにチーム単位で常駐してプロジェクトに参画している。
　
同社の特徴は、インフラソリューションサービスに強みを持っていることだ。特にVMWareやHyper-Vを使用したサーバーの仮想化を得意としている。技術資格保持者を筆頭に、関西ではトップレベルのスキルを持ったチームを形成し、現在は産業系企業のインフラ基盤構築案件にて、基本設計から詳細設計、構築、テストに至る全行程に一貫して携わっている。
　
もともと同社は、インフラ技術者である梅谷氏が独立し、以前より梅谷氏を慕っていたシステムエンジニアが集まって設立した会社である。梅谷氏は前職ではある企業の支店長まで務めていたこともあり、梅谷氏が束ねていたチームでは、産業系、公共系の企業をエンドユーザーとする基幹業務の仮想化を一手に引き受け、VMWareを駆使したシステム構築に携わった実績を持っている。その経験と技術を武器に顧客の高い信頼を獲得するに至っている。

「顧客からの評価は上々で、当社が目指す方向性も共有したいとおっしゃって頂いています。今後、現在の強みである仮想化技術を軸にしつつ、AWSやAZUREなどクラウド上でのインフラ構築でもポジションを確立していきたいと考えており、社内にAzure研修環境を導入しました。今後はそのような方向性で顧客と足並みを揃えていくことになっています」（梅谷氏）
　
サーバーの仮想化に強みを持ちつつ、クラウドにも強いというシステム開発会社は関西には決して多くはない。またコロナ禍という状況が生活環境やあらゆる業種の職場環境においてリモートという選択肢をもたらしており、今後更にクラウドシステムへのニーズも高まっていくと考えられる。そのためクラウド領域の技術を確立出来れば、それが新たな優位性となることが見込まれる。一方のアプリケーション開発においては、WEBアプリケーションの開発を得意としており、現在は、社会インフラ系の企業をエンドユーザーとする基幹システムの開発プロジェクトに参画中だ。現在コロナ禍による影響は多少はあるが、インフラ構築、アプリケーション構築、いずれの領域でも新規案件の引き合いが徐々に増えている状況で、同社はそれらのニーズに応えるためにも、チーム体制の強化に取り組んでいるところだ。

梅谷氏が独立した理由は、「個人を尊重するシステム開発会社を実現したい」という想いがあったからである。梅谷氏は大学卒業後、ガス器具メーカーに就職して3年間営業職に従事。その後、一念発起してシステム開発業界へと転職している。転職活動中に、友人から「営業経験のあるSEは珍しい」と助言を受けたことがきっかけだった。

再就職先のシステム会社では、下積み時代を経て本格的なインフラ構築案件に携わり始め、エンドユーザーや地方自治体のシステム構築を担当。その中で、大規模な仮想化基盤の構築にも携わった。かつて営業で鍛えたコミュニケーション力やマネジメント力を発揮し主任、課長、次長と着実に昇進を果たし、最終的には支店長職を務めるに至った。

「前職のマネジメントを行っていた際は社員全員が社会人としても技術者としても成長できるようひとりひとりとのコミュニケーションを大切にし、皆が楽しく仕事ができる組織作りを理想に進めていました。」（梅谷氏）

働き方や生き方などが多様化する時代においてより自由なステージで“個を尊重することが出来る会社”を理想に掲げ、その理想に賛同してくれたメンバーと共に起業した。クライアントはゼロからの開拓ではあったが、それまでに築いた人脈が活きたという。これまでの仕事の実績やメンバーの信頼面等を評価してくれるクライアントと契約を結び、現在に至っている。
　　
「将来的には、自社のソリューションや商材を持って自分たちで発信していける企業を目指しています。今はそのビジョンを実現するために、お客様との信頼関係を築いている段階です。着実に実績を作り、数年後にはSES事業から受託開発事業へ移行したいと考えています」（梅谷氏）

受託開発事業に移行する目的は、社内にて社員に業務を行ってもらい、管理者が適切なマネジメントやフォローを都度実施する事にある。受託開発事業を実現するために外部の協力会社に依存しすぎず、可能な限り自社の社員で対応し、あらゆる技術ナレッジを会社に貯めていく方針である。梅谷氏をはじめマネジメントを経験しているメンバーも多いので、組織運営に自信があり今後組織を拡大し、より社員が幸せになれる企業を作っていく計画である。

顧客先はいずれも同社のオフィスから1時間以内の距離にあり、何かあればすぐにフォローが出来る環境だ。この背景には、“個人を尊重出来る会社”を実現するには社員同士がフォローし合うことが最も大事であるという梅谷氏の考えがある。

「一番大事にしていることは"社員同士の連携"です。そのため常駐するロケーションはチーム単位での参画を基本としています。我々はまだ小規模ということもあってフットワークは良いため、案件を吟味し、チームでの提案も実現していけると考えています。今後、会社規模が大きくなっても創意工夫の上、継続して実現していきたいと考えています。」（梅谷氏）

ミーティングやチームごとの打ち合わせは毎月定例で開催。チームごとの打ち合わせには社長の梅谷氏自らが参加し全員の状況を把握するよう努めているという。　

「このビジネスモデルにおける難しい面は、各チームはそれぞれのロケーションで仕事しており、常に社内の人間と顔を合わせて仕事をしているわけではありません。前職では社員が帰社したタイミングや懇親会等で一人一人の顔を見て本人のモチベーション等を判断していました。しかしそれだけでは不十分なこともあり、最近ではコミュニケーションツールとしてSNSなどを活用し社員同士が悩みなどを共有しやすい環境も作ってます。昨今、働き方改革とよく耳にしますが、最も大事なことは仕事をしている時間が楽しいと思えること。それを感じることが出来れば、自然と一人一人の仕事の生産性を高めることができ、会社として発展的なことが出来るようになると考えています。」（梅谷氏）
　
従業員に求める第一条件は“誠実であること”だ。自身の経験より顧客に対しても、仲間に対しても誠実であれば、その上に技術力やコミュニケーション力は後から付いてくると梅谷氏。未経験で知識はなくても、与えられたことにしっかり取り組み、わからないことは質問をしてやり遂げる。社会人として基本的なことだが、それが出来るか出来ないかが大きいのだと語る。

同社の魅力は、小規模であるがゆえ1人の頑張りが会社の成長に直接影響しそれが実感出来るところにある。大企業や中堅企業の組織では自身のキャリア形成が上手く業務に紐づかず、くすぶっているようなエンジニアにとっては環境を変える絶好のチャンスだ。構築や設計ができる経験者で、さらに成長していきたいという技術者にとっては、一部上場企業であるシステム会社の大型案件に上流工程から一貫して関わっているため、レベルに応じたプロジェクトへのアサインが出来るという点も魅力となるだろう。　

「弊社は2020年1月より3期目に入りました。まだまだ技術、知識、人脈など全てを吸収する時期です。その時期を一緒に頑張っていただける方に来てもらいたいです。私自身、大手企業から規模の小さな会社に転職した経験を持ちますが、そこがベストプレイスだと思えました。自分は何に重きを置き仕事をするのかを明確にした上で会社を選んでもらえれえばと思います」（梅谷氏）

先輩社員が技術習得をフォローしたり、社内イベントを開催したり、休日に共通の趣味で楽しんだり、社員同士の仲は非常に良い。2019年度は起業後に皆で目標にしていた社員旅行＜淡路島旅行＞も実現することができた。また、顧客が大手企業であることやプライベートな時間を大事にする社風もあり、基本的な社員の平均残業時間は15時間/月程度や休日出勤は極力なく、もし発生した場合は必ず代休を取得でき、各種休暇も取りやすい環境となっている。福利厚生や社会保険なども一通り揃っている。「現在勤務されている会社がつまらないなら、悩みを相談に来るつもりで来ていただいても構わない」と語る梅谷氏。同社は新たな一歩を踏み出すきっかけとして検討すべき価値のある会社ではないだろうか。