株式会社ディアロネット

株式会社ディアロネットは、1998年創業の老舗ソフトハウス。JavaでのWebシステム開発に強みを持ち、メンバー50名にも満たない規模の会社だが、トヨタからのプライム案件が99％を占めている。

ディアロネットは運用も開発も「持ち帰り」を基本としている。一部常駐する仕事はあるが、大半は社内で開発が進められる。コミュニケーションを密に取るため、トヨタに出向している社員もいるという。なぜ大手の直案件を完全社内開発できているのか。実はこのような環境はなかなか無い。ディアロネットはこれまで、確かな技術力で品質にこだわるとともに、即時対応などの真摯な姿勢で、お客様との間に堅い信頼関係を築いてきたのだ。

ディアロネットの特徴として以下があげられる。
・偽装請負（派遣もどき）は行わず、自社にて開発を行っていること。
自社で同僚とともに案件に継続して取り組むことで、開発ノウハウを蓄積できており、その積み重ねが、ディアロネットの技術力への高い評価につながっている。

・目先の利益にとらわれない。
まずは成果を出すことに注力するので、実は赤字スタートとなることもある。しかし、品質にこだわり向上させていくので、良好な信頼関係が生まれて注文増となり、最終的には利益につながっている。このような過去の体験が、強い信念に変わっているのだ。

ディアロネットは、技術者が客先に常駐して業務を行う、という業態ではない。そのため、信頼できる仲間と互いに助け合ったり、喧々諤々と議論したりして、自社内でプロジェクトを進めていく100％社内受託であり、よって、社員やチームのあり方を重視している会社だ。

ディアロネットは「持ち帰り」と「自社開発」にこだわっている。ゼネコン構造のIT業界で、大手SIerが中小ソフトハウスを労働力の調整弁として利用し、単なる「案件の取り次ぎ」に終わって付加価値を生み出さず、“ピンハネ”が横行する状況に染まりたくないからだという。

「プライム案件を外に流さず自社で開発するのをポリシーにしています。協力会社からエンジニアを派遣してもらいますが、なるべく長期間働いてもらえるように努力して、社員と同じように知識を蓄積してもらいます」

「持ち帰り」と「自社開発」は、同社の強みにもなっている。下請けを使わないため、コストが少なくて済み、技術も社内に蓄積される。大手ベンダーがディアロネット相手に勝てないのは、自社開発にこだわる姿勢が生み出しているといえよう。

「デザインやHTMLのコーディングは、外部の制作会社が担当していましたが、システムとの親和性を考えると納品物が参考程度にしかならず、開発部隊で作り直していました。ならばと、社内に制作部を立ち上げて、デザインとHTMLコーディングも内製することにしました」

Webサイトのフロントエンドもバックエンドも請け負っており、ディアロネットには大手企業からの案件が山のように降ってくるという。
「個人的には、会社を大きくしたくないんです。社員一人ひとりを深く知れる距離を保てる規模のままいたいのですが、社員たちが頑張るから仕事が増えて、仕方なくエンジニアの増員に踏み切りました。現場ではプログラマの増員が急務のようで、今回の採用活動も社員が率先して動いています」

ディアロネットは、とにかくエンジニアを大切にする会社だ。「現場第一主義」を掲げるように、エンジニアが快適に働ける環境整備に余念がない。今回、採用を担当する佐藤氏は、ディアロネットを次のように語る。

「私服OK、休憩時間が自由、10時～16時をコアタイムにしたフレックスで、有給は時間単位で取得できます。通勤徒歩圏内に住めば会社が部屋を借りてくれて、寮扱いとなります。エンジニアの仕事をできる限り細やかに把握して、正当な評価につなげるため、3カ月に一回給与改定があります。そのほか、エンジニアのための制度は数えたらきりがありません。手前味噌になりますが、本当に働き心地のいい会社です」（インターネット事業部　推進グループ・佐藤純）