株式会社Circulate Line

株式会社Circulate Lineは、「開発＆インフラ事業」をメインにするシステム開発会社。しかし、システム開発会社の一言ではくくり切れない広がりと、自由な精神を持った会社でもある。

近年、同社が注力しているのが「小売・物流コンサルティング事業」。大手小売チェーンと直接取引があり、グループ全体のシステム化に関するコンサルティングを担当している。ベンダーの選定にも携わるなど、クライアントの「情報システム部」に近い立ち位置で動き、現場の声を聞きながら、クライアントと一緒に、グループ全体でバラバラなシステムを統廃合する役割を担っている。

「小売・物流業界で長く経験を積んだメンバーが入り、それをきっかけに、小売・物流を得意とするメンバーが集まってきました。そこで、小売・物流業界向けのコンサルを事業の柱の一つに位置付け、強化しています。小売・物流業界、とりわけ倉庫業は未だに人海戦術の世界で、システム化のニーズが眠っています。知見を積み重ねて、今後は小売・物流業界向けのコンサル事業を、当社の主要ビジネスに育てます」（代表取締役・大森政廣）

小売・物流業界のシステム開発で生かすために、同社はドローンにも着目。ドローンスクール「Daikanyama Drone Business Academy（DDBA）」を設立し、ドローン人材の育成にも乗り出した。DDBAは、JUIDA（一般社団法人日本UAS産業振興協議会）認定スクールであり、21時間の訓練を受講することでJUIDAの認定資格「無人航空機操縦技能資格」「無人航空機安全運航管理者資格」が取得でき、国土交通省への申請時に必要な飛行実績10時間もクリアできる。

「ドローンスクールは小売・物流に注力してきた流れの一環で設立しました。小売・物流業界はドローンの可能性に非常に興味を持っています。小売・物流のコンサルをするには、ドローンの知識やノウハウが生かせます」（大森氏）

「自社でパイロットを育成するためというよりも、ビジネスにつながるアイデアを生み出すために設立し、他にはない切り口で運営しています。ドローンは空を飛ぶロボットだけを指すのではなく、レールや道路の上を走るロボットも広義のドローン。人手不足で物流業界が人材難の今、ドローンを活用したシステムに注目が集まっています。ドローンの知見を深めて小売・物流のコンサルに生かす戦略です」（大森氏）

小売・物流コンサルティング事業と並び、Circulate Lineの幅広いビジネス領域の中で、会社の成長を牽引しているのが「開発＆インフラ事業」と「検証＆品質事業」。「検証＆品質事業」は一般にテスト工程と呼ばれる仕事だが、長年の経験で検証分野において経験豊富なプロフェッショナルがCirculate Lineには多数在籍している。

検証＆品質管理の仕事と聞けば、出来上がったシステムをチェックするだけのイメージもあるが、同社の場合は、要件定義のフェーズから参加するケースもあるという。システムの意図や狙いを理解したうえで、各フェーズでクライアントのニーズに沿っているかチェックする役割も担うのだ。

「純粋な開発の仕事も、もちろん大事です。それだけではなく、クライアントのニーズをどれだけ深く理解して、それを解決するシステムを設計すること、完成したシステムがクライアントの要望通りに動くか検証すること、ITには沢山の工程があります。
自分自身のスキルを構築していく中で、自分自身が自信を持ち、そして誇れる得意分野を作って欲しいと考えています。
年齢を重ねると視野が狭くなりがちですが、常にアンテナを張っていたいですね。
Circulate Lineが事業を進める中で、スキルアップをポイントにしているのは、いつ世の中の流れが変わっても対応できるように備えているからです」

事業の柱を一つに絞ると、世の中の流れが変わったら、アウト。得意分野を持ちつつ、いろんな業界、いろんな仕事に精通していれば生き残ることができる。Circulate Lineがビジネスを進めるうえで、幅広く展開しているのは、将来を見据えた戦略なのだ。

それだけではない。もう一つ、「人」を大切にするCirculate Lineの基本思想も影響している。

Circulate Lineは「人」を大切にする。所属するエンジニアが何をしたいのかを重視し、個々のエンジニアの特性を最大限生かす方向でビジネスを展開している。いろんな経験を持ったエンジニアが集まると、会社の事業展開は自然と広がる。

「新しいことにチャレンジする精神がCirculate Lineにはあり、いろんなタイプの人材が活躍しています。IT業界で働く人材なら、どんな職種でも幅広く受け入れます。他業界からの未経験転職も歓迎。お客様のニーズに対してソリューションを提案するSEの仕事はサービス業。エンジニアでなくても『サービスとは何か？』を知っている人材なら大歓迎です」

フリーランスのエンジニアが長く一緒に働いているのも、Circulate Lineの特徴の一つ。それだけ居心地の良い会社なのだ。

「人を大切にする姿勢を忘れず、それぞれのエンジニアが自分で考えて動ける自由な雰囲気を育んでいます。自由は自己責任の上に成り立つもの。フリーランスのエンジニアは、自走型の人が多く、社員の模範にもなってくれます。社員よりも長く働いているフリーランスのエンジニアもいるので、若手社員も彼らを手本に成長し、自由に働く人材になってほしいですね」（大森氏）

エンジニアが自由に安心して長く働ける場所を作るのが、Circulate Lineの使命だと大森氏。

「70歳でも80歳でも元気に楽しく働ける会社を作る。これがCirculate Lineの究極の目的です。人生100年時代に突入し、年金の先行きも不透明。幸せに生きるためには、長く働ける環境が必要になってくると思います。エンジニアは生き残るスキルを身に付け、年齢関係なく名指しで仕事が入るように成長し、会社はエンジニアが年齢に関係なく働ける環境を用意する。そのために、中途半端な仕事をせずに、クライアントと信頼を築き、自社サービスを含め新しい事業に積極的にチャレンジしていきます」（大森氏）

「Circulate Lineは、爆発的に大きな会社にはならないでしょう。エンジニアが多数入ってきても、マンパワーを集結させて大きな案件に取り組むようなことは恐らくしません。それよりも、エンジニア一人ひとりが自分でも想像のできないスキル・強みを身に付けられるように、良く話し合い、一緒に考えて行くスタイルです。『右向け右』と号令を発する気はさらさらありません。『自分はどう思うのか、どうしたいのか』、企業理念『私たちは限りない探求と挑戦を続けCirculate Lineに関わる全ての人々の幸福を追求し、社会の発展に貢献し続けます』の通り『どうすればより良くなるか』、自分事として考えることが大事だと思っています」

Circulate Lineは、フリーランスで関係するエンジニアも含めて、自由を尊ぶ人材が自らの力を最大限に発揮でき、成長の機会がたくさんある。プログラミングをしているエンジニアが上流工程に進みたい、コンサルティングができるエンジニアになってみたい、自社サービスにチャレンジしたい、将来独立を考えているなど、希望を伝えればそれを叶えられるフィールドを用意するために、会社は骨を折ってくれるだろう。