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株式会社DouYu Japan

  • IT/Web・通信・インターネット系

中国最大級のライブ動画配信プラットフォームDouYuと三井物産のジョイントベンチャー

企業について

株式会社DouYu Japanは、2019年8月に設立された、中国と日本のジョイントベンチャー。DouYu(斗魚)は、中国最大級のライブ動画配信プラットフォーム。ゲーム実況のライブストリーミングをメインに、登録ユーザー数2.5億人、1.5億人の月間アクティブユーザー数(MAU)1.5億人、登録配信者数600万人を誇る。

2018年に東南アジア市場へ参入を果たしたDouYu(ドウユウ)は、2019年7月NASDAQに上場し、7億7,500万ドル(約826億円)の資金を調達に成功。中国・アメリカと並ぶ大きなゲーム市場である日本へ進出するため、三井物産とタッグを組んで株式会社DouYu Japanを設立した。

中国やアメリカとは異なり、日本においては、ゲームは収益に繋がりにくい市場と考えられている。プロゲーマーの数や社会的な認知も中国・アメリカには及ばないし、ゲーム実況を仕事にしている人はもっと少ない。しかし、日本には世界的なゲームメーカーが多数あり、ゲームのユーザー数も多い。加えて、動画配信サービスのライブ配信(ストリーミング)よりも、動画共有サービスでの動画配信が広まっている。

ゲーム実況の市場規模は、ゲーム市場の規模と比例しているという。その点でいえば、日本はゲーム実況とゲーム市場の規模に大きな隔たりがあり、伸びしろのある市場だと同社は認識している。ゲーム実況、ゲームライブストリーミングで先行する中国の技術とノウハウを生かして、日本でゲーム実況並びにライブ配信の文化を広めていくのが、DouYu Japanのミッションなのだ。

株式会社DouYu Japanは、DouYu(ドウユウ)と三井物産のジョイントベンチャーであり、DouYu(ドウユウ)の創業者である陳少傑氏が代表を務めているが、日本では独自の動きを見せるという。そのため、中国のDouYu(ドウユウ)とは別に日本専用のライブ配信プラットフォーム『Mildom(ミルダム)』を新たに立ち上げた。

ゲームライブストリーミングは、言葉によるコミュニケーションが必要。だから、中国のDouYuを日本で使うよりも、専用のブランドを立ち上げて別のプラットフォームにした方が、日本のユーザーにとっての価値が高まる。中国と日本では、ユーザーが求める機能やインターフェイスも異なる。

「『Mildom』を使えば、誰でも簡単にゲームライブストリーミングが行なえます。一定の条件を満たす人には、『Mildom』が500円の時間給をお支払いします。パフォーマンスの人気に応じて昇給し、人気パフォーマーになると当社と専属契約を行い、月収制になります」(孫氏)。

『Mildom』のパフォーマーは、年齢、性別問わない。小学生でもお金が稼げ、社会人の副業にもなる。動画配信者のように広告収入で稼ぐのではなく、プラットフォームが対価を支払うためパフォーマーは収益化しやすく、短期間でパフォーマーを爆発的に増やすことができる。その背景には、同社の滑沢な資金状況がある。

「資本金8億円でスタートしましたが、これは半年用のトライアル資金で、中長期的には数百億円単位の資金を投入する用意があります。親会社のDouYuはナスダックで800億円の資金調達したところですし、三井物産も今後も継続的に資金を投入して『Mildom』のパフォーマーとユーザーを増やしていく計画。『投げ銭』と『ファンクラブ』でマネタイズするビジネスモデルも中国で成功済みです」(長瀬氏)。

親会社のバックアップは資金面だけではない。DouYuを中国で成功させた技術とノウハウをどんどん投入する予定だという。

「中国のDouYuでは、ゲームライブストリーミングからスタートしましたが、創業当時は中国でもゲームライブストリーミングは知られていない存在でした。そこを自ら先頭に立って市場を切り開いてきたノウハウがあります。創業者の陳少傑は自身がパフォーマーであり、その他のメンバーもゲーム好きが大半で、自分達が欲しいサービスを作り上げてきた経験があります。その経験値は日本で『Mildom』を広めるために大いに役立ちます」(孫氏)。

DouYuのノウハウだけでなく、三井物産のアセットやネットワークを駆使すれば、短期間でビジネスを大きくスケールする可能性は大きい。

ライブ配信プラットフォーム『Mildom』の立ち上げと、日本におけるゲームライブストリーミング市場の創出は「DouYuの日本進出」ではなく、DouYuの技術や経験を土台に、株式会社DouYu Japanがイニシアティブを取って進めていく側面が高いという。

「当社代表の陳少傑は、DouYuが三度目の創業で、中国の動画共有サイトを立ち上げた人物でもあります。『DouYu Japanは私の四度目の創業』と言っているように、DouYu Japanは、DouYuの日本支社ではなく、新事業のスタートと考えています」。

ただし、ほかのスタートアップベンチャーとは違う。先述したように、DouYuと三井物産による、資金面、技術面での強力なバックアップがある。

DouYu Japanが持つ強力な武器の一つが、DouYuの技術力。中国のDouYuで働く2,500人のスタッフのうち、半数がエンジニア。ほかのテクノロジー企業のように、高年俸で優秀なエンジニアを集めて、技術にリソースを割いている。

「ライブ配信の画質には、特にこだわっています。画質が劣り、パフォーマーとユーザーが同じ体験をできないと、それだけユーザーのテンションが下がり、ユーザー体験も落ちます。遅延の軽減も同じ。パフォーマーの発言とユーザーのコメントにタイムラグがあると、さらにユーザーのテンションは下がります。タイムラグをなくさないとインタラクティブ性は確保できず、ライブ配信最大の魅力を棄損することに繋がります」。

さらに、DouYuには売上高世界最大の中国のゲーム会社の資本が入っている。ゲーム会社と連携し、オフィシャルのゲーム大会を開く等、ゲームメーカーとの連動企画が打ちやすい。

「中国のゲーム会社傘下のゲームをライブ配信すれば、パフォーマーが優遇される仕組みを作ることもできます。例えば、コメント数を稼ぐと、それに合わせてパフォーマーがゲーム内で何らかのメリットを享受できるようにすると、ユーザーがパフォーマーの応援・バックアップという形で参加できます」。

ユーザーが、視聴以外のリッチな体験をできるサービスにすることで、『Mildom』 もDouYuと同じく「投げ銭」と「ファンクラブ」によるマネタイズを考えている。広告を収入源にすれば「ユーザー価値」が損なわれると考えるからだ。

中国で成功したビジネスモデルを使って日本で新たな市場を創出するDouYu Japan。他のスタートアップベンチャーでは味わえない規模とスピード感にあふれた体験が待っている!

企業情報

会社名

株式会社DouYu Japan

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

資本金

33億円

設立年月

2019年08月

代表者氏名

代表 陳 少傑

事業内容

ライブ動画配信プラットフォーム「Mildom(ミルダム)」の運営
• PC・家庭用ゲームやスマホゲームを誰でも気楽に配信/視聴出来るライブ動画配信プラットフォーム「Mildom(ミルダム)」を運営。主な配信内容は、ゲームの実況プレイ及びesports大会や関連イベントの生中継。

•配信者が創り出すゲーム内での凄技やエンタメ性にスポットライトを当て、数多くの人々が楽しめるプラットフォーム構築を目指します。

• ライブストリーミング業界最高水準の技術により、高画質低遅延を実現。配信者と視聴者のリアルタイム且つインタラクティブなコミュニケーションを可能にします。

株式公開(証券取引所)

従業員数

92人

本社住所

東京都渋谷区神宮前2丁目34-17 住友不動産原宿ビル

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