Crezit株式会社

CrezitHoldings株式会社は、デジタルネイティブ向けのモバイルクレジットサービス『CREZIT』からサービスをスタートさせ、現在は与信サービスを立ち上げたい法人と新し顧客との接点を求める金融事業者を対象とした与信プラットフォーム『Credit as a Service』を展開する、創業4期目のFinTechスタートアップ。

同社の願いは、旧態依然としている消費者信用市場をアップデートすること。Crezitが事業展開していく消費者信用市場は、消費者向け貸付残高約10兆円、販売信用残高約29兆円に上る、とても大きな市場である。しかしながら、その根幹を担う個人信用情報やクレジットヒストリーにまつわる仕組みや関連法制度は非常に固定的で、依然としてレガシーな体制が続いている。

テクノロジーによってビジネスや決済の環境が大きく変わっている中で、その裏側を担う金融や信用制度の負債と、結果として個人が負う機会損失の総和が増えている状況だ。国内外に関わらず、人々の働き方や経済圏が細分化・多層化していく時代に求められる個人のための金融インフラの構築を実現させようとしている。

創業者である矢部寿明氏の起業の原点は、大学在学中のケニアでのインターン経験にあるという。途上国の開発に興味を抱き、アフリカ19ヶ国のマイクロファイナンス機関を集めた財団法人で10カ月間働いた。

「マイクロファイナンス（小規模金融）は、貧しい人々の事業運営を支えて自立を促し、貧困から脱出させることを目指す金融サービスです。当初は国連での仕事に興味を持っていたのですが、ファイナンスの可能性を目の当たりにし、事業家として課題解決したいと思うようになりました」（矢部氏）

そして、学生最後のとある1つの体験が事業ドメインにも影響を与えることになる。

「アフリカに滞在していた間にクレジットカードの支払いが遅れ、ブラックリストに載ってしまいました。クレジットカードを作れない人達は意外と多いのですが、自分自身の課題になったのです。この状況からどう脱却するかを考えたところで、自分では何もできない。僕のように、クレジットカードが作れなくなった人、元々作るのが難しい人でもクレジットカードを作ることができる世界を目指したい。それがサービス構想の原点です」（矢部氏）

大学卒業後は、アメリカの総合電機メーカーに入社して、ファイナンスのリーダー育成プログラムである経営企画・管理部門に所属し、北アジア3ヶ国のファイナンス業務等に従事した。その後、Webサービス企画等を手掛けている会社に転じて、責任者兼プロダクトマネージャーとして、子会社の立ち上げや、資金調達サービスの企画・開発、融資事業の立ち上げ等を行った。各社で金融事業をリードする経験を積み、ビジョン実現に向け満を持して2019年3月に創業したのが同社なのだ。