株式会社ネクストジェン

通信インフラを支えるソリューションベンダーの、株式会社ネクストジェン。通信事業者向けからエンタープライズ向けにと幅広いソリューションを展開している。同社では独立系の強みを活かして自社開発のソフトウェアとパートナー製品の活用で、最適解でのソリューション導入を信条としている。

ソフトウェアを主軸としているため、オンプレミスからクラウドへの変遷期の市場においても影響を受けずに堅実な成長を見せている同社。近年では、ローカル5Gを活用した国内初の屋内外実証実験への参画をした数少ない企業の1つであり、5G関連の案件も実際に動いていると聞く。まさに時代の先端を走る会社であろう。

その源泉を辿ると、日本初の商用IP電話サービスの構築に関わったメンバーによる設立であり、わが国におけるIP電話の草分け的な存在だ。創業以来、常に時代を主導していくベンチャーマインドが溢れており、且つ上場企業としての堅実な管理体制とが共存する少し風変わりな会社である。「自由に。且つ論理的に。」という言葉がこの会社には当てはまるかもしれない。

同社は、次の3社の子会社を擁し、グループ全体として飛躍するための変革期を迎えている。グループ間でのやり取りも活発であり、協業による知識やノウハウの共有も求職者には魅力となるであろう。子会社も一括して人材採用の対象だ。
●株式会社NextGenビジネスソリューションズ：エンタープライズ向けソリューションの企画、販売、および導入構築等。
●アクロスウェイ株式会社：エンタープライズ向けコミュニケーションアプリの企画・開発、クラウドサービス、コンタクトセンターに特化したECサイトなどを提供
●株式会社LignApps：クラウドサービスの基盤であるCPaaS（Communications Platform as a Service）を提供

同社の事業内容は、大きく①通信事業者向け、②エンタープライズ向け、③クラウドサービス、④保守・サポートの4領域に渡っている。

クライアントは、NTTグループ各社、KDDI、ソフトバンク、楽天といった主要通信キャリアおよび官公庁、金融業や運輸業、製造業などの大手企業が顔を揃える。協業パートナーとしては、富士通、日立システムズ、伊藤忠テクノソリューションズ、SCSK、AVAYA、Ribbon Communications、Affirmed Networks、 Matrixxといった国内外の大手SIer／ベンダーと取引。こうした事業基盤も大きな強みといえる。

●通信事業者向けソリューション
国内の主要通信キャリア向けに、VoIPサービスの核となるクラウドPBXやSBC(セッション・ボーダー・コントローラ)、またMVNOやローカル5G向けの各種コア製品を提供。また、VoIPネットワークのセキュリティ診断やMVNO設備導入などコンサルティングサービスも提供している。ユーザーのニーズに応じ、自社開発の独自プロダクトに加え、海外ベンダーのプロダクトをSIして提供するノウハウが強みだ。

●エンタープライズ向けソリューション
通信キャリア向けで培った技術やノウハウを、大手企業や官公庁向けにアレンジして提供。IP-PBXとSBC、通話録音システムと音声認識エンジンを中心としたソリューションを、オンプレミスおよびクラウドサービスにて提供している。組織変更に柔軟に対応しコストをセーブするソリューションや、IPネットワークを利用しスマートフォンでの通話を可能にする内線電話網、録音通話を音声認識でテキスト化し、コンプライアンスに反する会話などを自動的にチェックするソリューションなどを幅広く提供している。

●クラウドサービス
U3(ユーキューブ)というブランド展開を行っており、企業のテレワーク化に伴う会社の代表電話にかかってくる電話をAIによる自動応答と折り返し電話の受付および折り返し電話を掛ける機能を備えたサービスなどを展開している。

●保守・サポート
24時間365日安定稼働が前提の通信キャリアや官公庁および大手企業のユーザーに対し、フルタイムで保守・サポート業務を提供。

現在の成長戦略は、モバイルソリューションの拡大だ。その柱となるのは、「ローカル5Gソリューション」。本格的な商用サービスが始まった“5G”。産業界でも大いに期待される5Gをビジネスとして実際に導入支援できる企業はまだ少ない。同社では自治体や企業に向けて自営のネットワークを構築する“ローカル5G”の導入をコンサルティングから支援しており、実際の案件も動き出していると聞く。
また、モバイルサービスプロバイダに向けて、5Gへの移行をコミットした仮想化対応のソフトウェアコア製品の導入構築や、加入者管理などのフロントエンドを自社開発で取り組んでいる。

「当社には、音声系のエンジニアとしてはトップレベルのベテランが揃っていると自負していますが、モバイル通信系の若いエンジニアが不足しています。ここを強化することで、モバイル系の事業を音声系と並ぶ規模まで持っていきたい。ここが最大の経営課題です。我こそはという方のアクセスをお待ちしています！」とCTOの杉岡氏は呼びかける。

コロナ以前よりリモートワークが推進されており、ある意味、コロナが追い風となり全社的にリモートワークが導入されている同社。昨年、既に子会社のオフィスも引き払い、本社白金にオフィスを構えるのみである。

日常業務の他、毎月の全社定例ミーティングや、当該社員が登壇する月1回の「ビジネスビレッジ」、OFFタイムの親睦会の集まりなども全てリモート実施。社内ルールとしては、在宅勤務の頻度に制限等はなく、「チームビルディングを目的とした2週間に1回の対面でのミーティングをする」という逆のルールが設定されているほどだ。

オフィスを残している理由としては、新しい技術への取り組みや開発に伴うブレインストーミング、メンバーの細かなケアについては対面でのコミュニケーションも有効だと捉えている為だ。
代表の大西氏は「当社はコミュニケーションをつくる会社である」とも話しており、仲間で密なコミュニケーションを取り、挑戦していく姿勢が奨励されている。

そんな同社の企業理念と行動指針を紹介しよう。

●企業理念
時空を超えてヒトやモノをつなぎ、豊かな社会を創造する

●行動指針
・自ら、素早く、変化を起こす
・技術は仲間と社会のために提供する
・オープンに、伝わるコミュニケーションをする
・トレンドをとらえ、半歩先へ行く

これが同社のマネジメントの基軸となっている。行動指針4つの背景と狙いについて、管理部門の野澤氏は次のように説明する。
「技術に卓越した分、新規への課題に対して机上での議論止まりになってしまうということがありました。自ら行動に移す、そしてスピード感を重視するために策定したのが1つめです。2つめは、技術は個人の所有物ではなく、仲間やお客様、市場に還元するためにあることを最終ゴールとして意識しようということ。そのために、技術は属人的・局所的に伸ばすだけでなく、あらゆる人にも理解されるように伝えようというのが3つめです。そして最後の4つめは、最先端の技術を追求することは大切でも、早過ぎるものはビジネスにならないので、ちょうどいい半歩先に照準を合わせようということです」

こうしたカルチャー、挑戦する姿勢を社内に浸透させるべく、全社横断型の社長直轄のプロジェクトチーム(名称：ANGEL)や、毎月の全社定例ミーティングの進行や、社内の動向をキャッチして社内に周知する活動チーム（名称：LINK）もある。若手中心にメンバーが構成されており、実業務以外でもパラダイムの策定や各組織を巻き込んだプロジェクト推進など、全社のパラダイムシフトを促進すると同時に、若手育成の場にもなっている。
社長直轄といってもフラットで声がけがSlack上で飛び交う。社員数約160名の同社は、上下関係がフラットでコミュニケーションしやすい雰囲気をつくるため、お互いをニックネームで呼び合っている。ちなみに、社長の大西新二氏は“デカさん”だ。

もちろん、従業員持株制度、従業員支援プログラム、育児・介護休暇や時短勤務制度、健保によるレストランや保養施設の優遇など福利厚生も魅力の1つだ。

そんな同社が求める人材像について、杉岡氏は「指示待ちでなく、自ら考え発信できる方に来ていただきたい」と期待を寄せる。
常に日本の音声技術を主導してきた同社。今、変革期を迎えている同社には、チャレンジできる環境とやりがいのある仕事があるに違いない。