株式会社アイエスエフネット

株式会社アイエスエフネットは、インフラエンジニアの育成に力を入れるITインフラ企業。インフラに特化した各種サービスを展開し、ハードウェアの調達から、設計、構築、導入、運用までワンストップで行えるのが同社の強み。マルチベンダー対応で窓口を一元化し、北海道から沖縄まで、日本全国のサービス拠点に専任のエンジニアを置いたオンサイト保守サービスも提供している。

そのほかにも、メーカーによるサポートやサービスの提供が終了したネットワーク機器EOSL（End Of Service Life）の保守サービスや、ITヘルプデスクサービス、リモート監視サービスなど、ITインフラ関連のサービスを幅広く提供している。

「ITインフラに特化してサービス展開している会社です。システム開発を手掛けず、エンジニアリングサービスやコンサルティングサービスも含めて、ITインフラ領域全体を包括的に事業展開しています。AWS、Azure、GCPなどクラウドにも対応しています」（副本部長代行・梶原恒明）

近年、インフラ・ネットワーク・サーバ系のエンジニアにとって気になるワードである「クラウド」。アイエスエフネットでもクラウドサービスを積極的にサービス展開しており、AWSやMicrosoft Azureへの移行支援、運用のほか、コンテナ仮想化の開発管理ツールCocktail Cloud(DevOps)の導入・運用も手掛けている。

「クラウドエンジニアになるには、インフラの知識が必要。オンプレでシステムを構築していたのが、クラウド上にあるだけで基本は変わりません。当社でもインフラエンジニアがクラウドエンジニアに移行しています。2020年中にはエンジニアの約半数にあたる1000人がクラウド技術を習得する見込みです」（梶原氏）

ネットワーク、サーバ、クラウド、仮想化、セキュリティなど、やりたいことにチャレンジすることできる環境に加え、アイエスエフネットではスペシャリスト、コンサルタント、幹部のポジションを準備し、エンジニアの希望に合わせたキャリア設計が可能となっている。

「エンジニアが学び続けられるようにリカレント教育の機会を準備し、エンジニアのモチベーションアップにも積極的に取り組んでいます。幅広い分野のインフラ技術を学べる研修や、専門講座の受講も可能です。LinuxやCiscoだけでなく、AWS、Azure、GCPなど、マルチクラウド環境を検証できるようにして、エンジニアが新しい技術へチャレンジできる環境を用意しています」（梶原氏）

アイエスエフネットは、自らを「人財育成会社」だと考え、創業以来、未経験の人材も積極的に採用してインフラエンジニアに育て、世に送り出してきた。これまでに多くのインフラエンジニアを育成してきた実績がある。

「2020年で20周年を迎えましたが、創業以来、事業拡大と共に当社が大切にしてきたのが人財育成です。そして、その先、育てたエンジニアが長く働いてもらうために、働く環境の整備を進め、働き心地のいい会社を目指して変革を進めてきました。中でも当社が大事にしているのが『人間関係』の充実です」（梶原氏）

転職理由の半数以上が「人間関係」を理由にしているというデータを示すまでもなく、人間関係が転職の大きな理由であるのはわかるであろう。同社では良好な人間関係を作ることで、社員が働きやすさを感じ、長く働いてくれると考えている。人間関係によるストレスゼロを掲げて、自己理由による退職を除いた離職率ゼロを目指している。

「当社では人間関係に関する意識を『ISC（ISFnet Standard Concept）』にまとめて共有し、それを社員一人ひとりがしっかりと守ることで、人間関係によるストレスゼロを実現させようと努めています。人間関係を良好にするには『嫌がられている行為を本人が正当だと思っても、一緒に働く社員の大多数にダメだといわれた行為は改めること』を徹底することが大切だと考えています」（梶原氏）

ベースとなる「考え方」「人間性」「ビジョン」を社員全員で共有、実践した上で、弁護士・有識者に判断してもらった「ルール」「コンプライアンス」を社員は守る。こうして社員が長く安心して働ける環境を作り上げ、そして守っている。

「インフラエンジニアの理想郷を作る、これが当社のミッションです。IT企業ですから社員の9割以上がエンジニア。彼らの働く環境や待遇をよくすることが、会社の成長につながると確信しています。年に2回の完全成果主義のインセンティブや、資格取得などスキルアップを積極的に行う社員を高く評価する人事制度など、エンジニアの努力が正当に評価される制度も整えています」（梶原氏）

社員の資格取得に関しては、多くのベンダー認定技術者、公的資格取得者がいる。好きな時に好きな場所で好きなだけ使える検証環境や、スキルアップサポートを行うオプション教育プログラム、キャリアコンサルタントによる定期的なキャリアパス面談など、社員の待遇面、キャリアパスの面でもバックアップは充実している。

個人的な都合による事由以外の離職ゼロを目指すアイエスエフネットでは、ES（従業員満足度）向上を目的とした4つの軸「待遇」「キャリアパス」「働く環境」「福利厚生」を掲げており、それぞれ定量ゴールを定めて達成のための取り組みを行っている。

「福利厚生は社員の声で作り上げています。こういう制度が欲しい、他社にはこんな仕組みがあるという社員の声を会社が拾って制度を充実させてきました。私が入社したころと比べて、福利厚生の充実度はまったく違います。これからもさらに充実させていく考えです」（梶原氏）

充実した福利厚生の一部をワークライフバランスの観点から見てみよう。

有給休暇は入社後半年で年間10日付与され、入社年次ごとに日数が増加。年次有給休暇取得奨励のため「バースデー休暇」「アニバーサリー休暇」「ボランティア休暇」を導入し、有給休暇取得率100%以上を目標にしている。

「幹部社員で残業対策チームを編成して、全社員の残業時間をチェックしています。残業の多い状態が継続している社員がいれば、社内で働いているメンバーの場合、すぐにその部署に改善を指示し、社外で働いているメンバーの場合は、書面で労働環境の改善を求めます」（梶原氏）

アイエフネットでは、少子化の流れを変えるために仕事と子育てを両立させる次世代育成支援対策に取り組んでいる。次世代育成支援対策推進法にもとづく「基準適合一般事業主認定」を取得。より高い水準の取り組みを行っている企業に対して、優良な「子育てサポート企業」として与えられる「プラチナくるみん」認定（特例認定）も取得しているほどだ。

「育児休業は3年間あります。さらに子供が小学校卒業まで、1日につき2時間まで労働時間を短縮することができ、子供の看病や予防接種等のため年間5日の有給休暇を設けています。その後も、子どもが18歳になるまで参観日や保護者会などに参加するため年間2日間の有給休暇が取得できます」（梶原氏）

育児休暇の取得率は、女性：100％、男性：25％。女性社員の比率は26.9％だが、新卒社員の半数以上が女性で、比率は年々アップしている。20代から管理職として活躍している78名の社員のうち、女性は20人いる。

「当社は社員や働き方の多様性を大切にしています。すべての働く意欲のある方が活躍できる環境を整え、社員一人ひとりの特性を生かし、それを業績につなげます。外国籍の社員が200名おり、60歳以上のシニア人材も17名在籍しています。障がい者雇用にも積極的で、就労移行支援の会社がグループ内にあります。30大雇用をスローガンに掲げ、就労を希望する人の雇用を創造できるよう尽力しています」（梶原氏）

「待遇」「キャリアパス」「働く環境」「福利厚生」。この4つを改善したいと願っているインフラエンジニアは、同社の門を叩いてほしい。