AsianStream株式会社

AsianStream株式会社は、幅広い領域に対応したコンサルティングサービス、システム開発受託、システムエンジニアリングサービスを提供する企業だ。
業種や分野を敢えて限定しないのは、エンジニアが自ら望むキャリアへ向かってチャレンジできる環境を何より大事にしているため。エンジニアが興味を持つ分野や、描くキャリアプランを実現させるために本人×上長×営業が三者一体となって相談し合いながら、キャリアアップに繋がるプロジェクトに参画できるよう、フォローアップ体制を整えているのが最大の特徴だ。

なぜなら個々が望むキャリアを提供することは、エンジニアのモチベーションをより高め、技術力を磨くことに繋がり、その結果、高品質でコストパフォーマンスに優れたサービス提供を行えると考えているからだ。それが「互いのビジョンを共有し、互いのパッションに共感し、シナジー効果で共に成長していこう！」という理念を掲げる背景だ。
そのため同社は自身のことばかりでなく、他者を思いやり、共に成長しようというマインドを持つ人材との出会いを求めている。

創業者であり代表取締役社長を務める戴雷紅（Leihong Dai）氏は、中国・杭州市出身。日本の大学を卒業した後、独立系SIerでエンジニアとしてキャリアをスタートした。日系監査法人や外資系コンサルティングファームでのコンサルタントを経て、同社を設立。
得意領域であるコンサルティングに特化した事業内容で創業する方法もあったが、自身が現場に入って視野が狭くなることを避けたいと、インフラ構築やアプリ開発等、様々な技術を持った人材を集めた。クライアント企業の課題解決や戦略実行には、あらゆる分野を幅広くカバーする体制が必要だと考えたのだ。新たなテクノロジーとトレンドを常にキャッチアップし、移り行く変化の速さに対応する柔軟性やスピード感も大事だ。

受託事業とシステムエンジニアリングサービスの両輪体制にしているのも、それぞれのメリットとノウハウを得る目的がある。
受託事業では技術提案やチーム編成の自由度が高く、エンジニアのニーズに添える機会を増やせる。
システムエンジニアリングサービスは、エンドユーザーに近く大規模・長期間にわたるプロジェクトが多いため、一つのフェーズに限定されず顧客との折衝や上流・下流まで一気通貫で携われる魅力がある。
幅広さにこだわるのは、冒頭でも述べたようにエンジニアがモチベーションを高く持ち続けながら働ける環境を提供すること、個々の成長を後押しするためにも、豊富な選択肢の中から選んでほしいと願うためなのだ。

戴氏は「社員は会社を支え、自分を奮い立たせてくれる大事な存在です。だから仲間になってくれてありがとうと常に感謝しています。みんなの期待と信頼を裏切らないよう常に全力で努力していくこと、社員のために何が提供できるかをいつも考えています」と話す。自分に信頼を寄せてくれている社員へ提供できるものの一つとして、望むキャリアが叶う環境を提供したいと考えているのだ。
ここまで社員のキャリアに対して、深い思い入れを持つのは戴氏の過去の経験が関係している。

前章で紹介した通り、戴氏は独立系SIerでのPG・SEを経て日系監査法人でITコンサルタントを経験してきた。
年功序列が根付く会社風土で、若く経験が少ないという理由でチャンスすらもらえず、とても悔しい思いをしたという。個人として果たすべき義務を全うし、可能な限りの努力をしたにも関わらずだ。

「会社経営」「企業戦略」といったより上流の視点から、戦略コンサルティング領域に携わりたいという想いを持っていた戴氏は、新天地を求め人材を大事にすると触れ込みがあった外資系コンサル企業に転じる。持ち前の情熱と成果への強い意欲を発揮して、プライベートの全ての時間を仕事に費やした結果、ついに体を壊して仕事中に倒れてしまう。
「どんな会社に入っても、個の力だけでやれることには限界がある」と痛感し、中小・大手・日系・外資と様々な企業のエンジニアに話を聞いてみても、多くのエンジニアが自分と同じように悩んでいると知った戴氏は、成長するための努力を惜しまないエンジニアには、年齢や経験に捕らわれず平等にチャンスを提供する組織に変えられないかと考えた。しかし組織を変えることは一朝一夕でできることではない。ならば自分が作ってしまえばいいのではないか？という思いに変化した。
元々経営者志向ではなかった戴氏だが、後進エンジニアが理不尽な思いをせず、望むキャリアへ邁進できる環境を作りたいと設立したのが同社なのだ。

幅広い領域へ対応するコンセプトはそのままに、事業拡大を目指す。その上で、近年の潮流であるDXに対する技術要素の強化を行っている。特に、AIや画像解析に対するニーズの高まりがあるので、同分野を注力領域として設定している。
さらに長期的なビジョンとしては、業種別・職種別に知識と経験をナレッジ化させ、社内に集約させる。その業界の傾向とニーズを把握し、問題解決のソリューションを業種別・職種別にパッケージ化して提供していきたいと考える。
さらに10年以上先を見据えた将来像は、業務コンサルタントを増やし、企業の課題抽出という“超上流”から業務改善の提案を行う。そして、自社パッケージを含んだITシステム提案からシステム開発、導入と一気通貫を自社で行い、1つの企業の中で抱える様々な問題に対し、ときには業務コンサルを提供、時にはパッケージを提供するなど、同社で全てが解決できるような体制を築きたいと考える。
そうすれば、システム・パッケージ・営業・業務コンサル等、やりたい業務ごとに、個々のキャリア実現の土台が会社内に構築でき、社員にとっても選べるキャリアの幅がさらに広がる。
中長期計画でも根底にあるのは、「社員の望むキャリアを叶えられる環境整備」なのである。

現在はリモート勤務を行う社員も多いが、ワンフロアのフリーアドレスを取り入れたオフィスでは、社員同士の距離感が近く、部署を越えたコミュニケーションが盛んに行われている。
戴氏は常に社員に目を配り、気さくに話しかけるため、その温かな対応が社員にも浸透しているせいか、相手を思いやりサポートし合うのが当たり前という風土だ。社員インタビューでも「戴さんの人柄がいい」「アットホームで穏やかな社風」「社員が皆優しい」と口々に話していたのが印象的だ。

社員ファーストは風土だけでなく、実際の福利厚生や制度にも表れている。
評価基準のガイドラインに基づいた人事評価を年度末に実施しており、プロセスも評価の大きな指標となっている。今後はさらに見直しをかけながら、同社らしく社員をプラス評価できるような内容を盛り込んでいく予定だ。

年度評価以外でも、プロジェクトを通して著しい成長や貢献を評価された社員にはプロジェクト評価手当が支給され、社員自らが自己アピールできる制度も魅力的だ。社員の努力に対して正当な評価をしたいという代表の思いが色濃く反映されている。
プロジェクト間の異動を支援する制度もある。「あのプロジェクトでスキルを磨きたい」「あの人と一緒に仕事がしたい」といった希望をベースに他のプロジェクトに異動希望を出すことも可能だ。

参加したいプロジェクトが明確に定まっていない場合は、営業・担当上長との三者面談を通じて本人の志向をヒアリングしながら一緒にキャリアプランを組み立てる。そうすることで、営業は希望に沿う案件獲得に向けた動きをするという。プロジェクトへのアサインは、本人の描くキャリアプランと意向をくみ取った上で行うのが常だ。

SESで客先常駐する社員に対しては、上長やバックオフィスの社員が残業時間をウォッチする。超過気味の場合は、即時のフォローを欠かさない。場合によっては、クライアントと直接交渉して改善に取り組む。クライアントと対等な関係性を築いているため、率直な意見交換が可能だ。

エンジニアのスキルアップを支援する制度も充実している。
技術講座はもちろん、マネジメントや教養を高めるための講座まで揃ったWebセミナーを無料で受講できる。平日の外部セミナーや研修に参加する場合は、有給消化ではなく勤務扱いになる。資格試験の受験料負担や会社で定めた147種類の中の資格を取得した場合は、最大15万円の一時奨励金が支給される。

社員の定着率は95％を誇り、離職率が低い。社員ファーストな温かな風土を反映した数値だと感じる。
「会社を成長させるのは人財です。社員のみんなにはAsianStreamで充実したキャリアを歩んで欲しい、そして一緒に高みを目指していきたいです」と戴氏は話す。
思い描くキャリアを実現したい。そんな願いを抱いているならば、同社の話を聞いてはどうだろうか。