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株式会社ナックウェブ

  • マスコミ・エンターテイメント・メディア系
  • IT/Web・通信・インターネット系

中小製造業のブランディングが強み。地域経済に貢献するWeb制作会社

残業少なめ

企業について

株式会社ナックウェブは、JR彦根駅から徒歩5分、彦根市の中心部にあるオフィス街を拠点に事業を展開するWeb制作会社である。2007年1月の設立以来、地元滋賀県を中心に、京都、大阪、東京等、700社以上の企業との取引実績を持つ。

得意とするのは中小企業のブランディングだ。顧客の8割は地元滋賀県の中小企業や公共団体、観光施設等である。特に年商10億から20億円ぐらいの規模を持つ中堅製造業からのオーダーが多い。こういった中小製造業のほとんどは、大手メーカーの子会社か下請け企業である。景気の良い時代には親会社や元請け企業から、黙っていても仕事が降ってきた。採用も同様で、特定の工業高校や大学から、優秀な人材を安定雇用することができた。QC活動等、社内に目を配っておけば、経営を安定成長させることができたのである。ところが少子高齢化が進み、国内消費が落ち込んでくると事情は変わった。Webサイトを作ったり、求人媒体を使って募集をかけたり、対外的なアピールに注力する必要に迫られるようになったのである。

しかし、これまで外部に向けた情報発信といえば、会社案内のパンフレットや、その内容をそのまま載せたWebサイトを作ったことがあるぐらいで、自社の魅力を伝えることに不慣れな会社が少なくない。そういった悩みに耳を傾け、魅力を十分に引き出して表現できる。それが顧客から高く評価される最大の強みである。

2021年12月現在、同社の従業員数は7名。エンジニアとデザイナーが半々のクリエーター集団だ。村元氏自身、システム開発とデザインの両方をこなす。元々はシステムに強いWeb制作会社として『EC-CUBE』のカスタマイズをはじめ、ECサイトの構築案件を、Webデザイン制作会社や代理店からの請負案件を手掛けながら力を付けてきた。大手企業や官公庁の大規模サイト向けのCMS『Power CMS』を用いたサイト構築の実績もある。

一方で、地元の中小企業との直案件では、「良いホームページを作りたい」という思いから、自ら積極的に働きかけて取材し、より深い情報をもとに制作を行うことで顧客から喜ばれ、リピーターを獲得してきた。

「最初は、私達もいわゆる“ホームページ屋さん”でしかありませんでした。しかしやっている間に、お客様の魅力を何とか見つけ出してあげたいという思いが強まり、お節介のような形で“ああした方が良い”“こうした方が良い”という提案をするようになりました。それが思った以上に評価され、他社との差別化要因となっていました。今後はより戦略的に、ブランディングに強いWeb制作会社という性格を打ち出して行く計画です」(村元氏)。

ターゲットも明確に絞る。滋賀県は中小製造業が多い土地柄である。また近畿地方の貴重な水源である琵琶湖があるため、行政が環境保全に注力していることから環境意識が高い企業が多い。こういった地域特性を背景に、ブランディングを武器にしつつ、売上規模1億円以上の中小製造業および環境分野に的を絞って営業し、自社のアイデンティティを再構築していく考えだ。

「滋賀県は私の出身地です。たまたまではあっても、ここで暮らし、事業を始めたので、できればローカル企業の助けになりたいという思いは強いです。滋賀県の中小企業の皆さんが手の届く地域にも、レベルの高い、ブランディングの提案ができるような会社が1社ぐらいあっても良い。そのように認知していただける会社になれればと考えています」(村元氏)。

村元氏は現在、48歳。大学は文系出身で、卒業後は東京の一部上場企業に経理マンとして就職。パソコンはそこで初めて触ったというほど、ITとは縁遠い生活を送っていた。しかし、就職して2年、全ての物事がシステマティックに動く環境が肌に合わず、退職して出身地である滋賀県に戻ったことが転機となった。地元に戻って始めた仕事は、当時のブームとなっていたパソコン教室の講師である。在職中に習得したビジネスソフトウエアの操作や、フォーカス言語によるプログラミングの知識が生きた。しかし、数年勤めたところで教室の運営会社が撤退を決め、後を引き継ぐことになったことが転機となる。

「その教室に、生徒として通っていた自営業者から依頼されてWeb制作を始めたのが最初です。暇な時にやってみたら単純に作ることが面白く、はまりました。パソコン教室のブームも過ぎていたので、どうせやるならやりたいことをやりたいと思い、ホームページ制作を本格的に取り組むようになりました」(村元氏)。

Webデザインのみならず、システム開発も独学で習得。『EC-CUBE』のカスタマイズも、Web上の情報をもとに約2ヶ月で習得し、依頼が殺到するまでになったのである。案件も順調に増え、2年ほどで従業員を採用。そして従業員の採用を機に、2007年1月、ナックウェブ社を設立した。

「個人的には、お客様に対する長期的な利益をもたらすこと、またはきちんと説明して納得してもらうことをポリシーとして仕事をしてきました。それは今も変わりません」(村元氏)。

そんな村元氏の下に集まるのは、根っからのクリエーター達だ。Web制作に留まらず、グラフィックからプロダクト、CI、VIに至るまでのデザイン、動画制作等、顧客の要望に応え、新しい技術も積極的に取り入れながら、あらゆるクリエーティブをワンストップで手掛けられるまでに領域を広げてきた。現在は、写真撮影、コピーライティング以外は全て内製でこなしている状況である。

そんな同社が現在、ターニングポイントを迎えている。ブランディングに強いWeb制作会社という性格を前面に打ち出す方針を決めたのもその一環だが、社内の管理体制も大きく変えた。これまでは特にルールを決めず個々のスタイルに任せてきたが、顧客保護と従業員保護の観点に立ち、仕組み化を進めている。社内コミュニケーションは全てチャットで行い記録を残す。顧客管理システムを導入して、案件情報は全てシステム上で管理共有するようにしている。

「クリエーターにとっては自由な裁量が奪われる面もありますが、お客様に迷惑をかけないためには必要なことです。仕組み化することで、最初は窮屈なこともあるかもしれませんが、チームに分けて各自の役割を明確化すると同時に、付加価値に繋がらないルーティンワークを自動化することで、クリエーターが本来やるべきことに集中し、力が発揮できる環境を作っていきたいと考えています」(村元氏)。

同時に採用にも注力する。2020年はコロナ禍による危機もあったが、結果的には前年を上回る売上を計上した。社会全体がデジタル化にシフトする中、今後のニーズも高まることが予見される。そのような状況に備え、社内リソースの拡充を図っているところだ。

同社が求めるのは、クライアントとコミュニケーションを取りながら、クライアントの長期的な発展に寄与するような提案ができる人材である。現時点でそのようなスキルや実績を持たなくても、そういった志向と資質を持った人材なら積極的に採用していく考えだ。

「重視しているのは、お客様が話す経営課題を聞き取り、自分達が得意なWeb、広告にどう落とし込んでいくかを考え、提案ができる素養です。実際に効果を実感してもらうために、論理的に説明できる力も必要です。私達が直接話をするのは、中小企業の社長か重役、またはある程度の決裁権を持たされた幹部の方。そういう方々ときちんとコミュニケーションを取れる方を求めています」(村元氏)。

採用する際、スキル以上に重視するのは、社会全般に対する好奇心の有無だ。社会または中小企業がどう動いているのか、この人は何を考えているのか、この商品の魅力は何か等、常に関心や疑問を持ち続けることが、本質的な課題を掘り起こす力となる。

同社のビジネスに参画する魅力の一つは、ローカルビジネスに直接貢献できることである。地域経済を支える企業の経営層の悩みをダイレクトに聞いて、自分が持つ知識やスキルを活かした施策を提案し、実行していくことができる。しっかりと信頼関係を構築し、長期にわたり関わっていくため、結果を見ながら総合的に関わっていけることも大きな醍醐味だ。

「反対に良い関係が構築できない、ゴールを共有して前に進めるようなコミュニケーションができないと判断した方からのご依頼は、社員が振り回されるだけなので、受託はしません。お客様と対等にお付き合いできる、尊敬できるお客様と仕事ができる。それによって社員も成長ができる。社員にとっては、それも一つの魅力です」(村元氏)。

一方、組織作りの上で村元氏が意識してきたのは、適度な人間関係だ。プライベートを犠牲にせず、仕事はコアタイム内で完結させる。出社時間は早くても5分前、残業は一切しない。有給休暇の申請書は理由を書く必要は一切ないし、上司も理由を聞いてはいけない。コロナ禍前から飲み会は行わない。こういった方針を徹底して貫いている。

「実力重視のプロ集団を目指しています。だから和気藹々な雰囲気を求めている人には少し寂しいかも知れません。“言った、言わない”をなくすために社内コミュニケーションもチャットで行っているので、オフィス内は非常に静かです」(村元氏)。

村元氏が毎週更新しているブログには、そういった考えが反映された記事が投稿されている。その記事を読み、共感した社員が自然に集まり、現在の社風が築かれたのである。

だからといって、仕事で行き詰まった部下を放置するような冷たさはない。仕事上の手詰まりが発生すれば、ブレストを実施して問題を取り除く。スキルが未熟な社員には必ず上司を付け、上司が解決できないことは村元氏自身がサポートをする。同社の従業員は全員が中途採用。そのうちの多くがWeb業界以外からの転職組だが、入社2年目ぐらいの社員を含め、全員がプロフェッショナルとして仕事をしている。あくまでも会社は仕事をする場所であるという認識の下、仕事に集中できる環境の維持に努めてきた結果だ。

「飲み会の頻度がちょうどいい、仕事とプライベートのバランスがちょうどいい、人間関係がちょうどいい会社です。中小企業経営者の悩みを知り、一緒に考えて実際に形にできる方、そうなりたいと望んでいる方がいれば是非話をしに来てください」(村元氏)。

ナックウェブ社が立地する彦根市は、都市機能と自然がバランス良く融合したコンパクトシティだ。コロナ禍の下、都市部から地方への移住を考えているクリエーターにとってもナックウェブ社への参画は選択肢の一つになるだろう。

企業情報

会社名

株式会社ナックウェブ

業界

マスコミ・エンターテイメント・メディア系 > 広告・デザイン・イベント

IT/Web・通信・インターネット系 > Webマーケティング・ネット広告

IT/Web・通信・インターネット系 > その他IT/Web・通信・インターネット系

企業の特徴
残業少なめ
資本金

1000万円

売上(3年分)

2021125000万円

2020124700万円

2019124400万円

設立年月

2007年01月

代表者氏名

代表取締役 村元 直樹

事業内容

◆Webサイト制作事業
主に関西圏のクライアントからご依頼いただいたWebサイトの受託制作を行っています。高いデザイン性が要求されるブランドサイト制作から、精度の高いシステム開発能力が要求されるECサイト制作に至るまで、ワンストップで提供できるのが弊社の強みです。

◆Webサイト保守管理事業
主に運用中のWebシステムの保守管理を行っています。Webシステムはそれを取り巻く内的環境や外的環境の変化によって、正常に動作しなくなるトラブルも発生します。セキュリティパッチのトラブルを未然に防ぐための施策を行うとともに、トラブルが発生した場合にWebシステムが正常稼働するように迅速に対応します。

◆WEBサイト更新代行事業
主に公開中のWebコンテンツの更新代行を行っています。Webサイト運営に手が回らない多忙な事業者に代わって、弊社でWebコンテンツの差し替えを行います。

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

7人

平均年齢

30.9歳

本社住所

滋賀県彦根市佐和町6-11 彦根佐和町ビル2F

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