Nobollel株式会社

Nobollel株式会社は、スマホ向けゲームアプリや家庭用ゲーム機向けゲームの企画・開発・運用を行っている会社だ。設立は2013年10月で、東京都渋谷区に本社を置くほか、台湾南部の高雄に開発センターを設置している。
【事業内容】
・Unityを活用したゲームアプリケーションの企画・開発・運用
・Cocos2d-xを活用したゲームアプリケーションの企画・開発・運用

メインの事業は、スマホ向けアプリを中心とする自社アプリや有名IPを活用した自社・共同開発と、海外ヒットアプリの日本での配信だ。UnityやCocos2d-xを用いた豊富な開発経験、そして、様々な有名キャラクターとのコラボ経験を強みに、技術支援やコンサルティングも提供可能だ。

会社規模としては小～中規模ゲームアプリ開発会社だが、日本ではカジュアルゲーム企業として一定の認知を獲得している。自社サービスは9割以上が海外ユーザーで、6割以上が北米ユーザーなのが特徴。売上のほとんどは自社開発ゲームだ。

特に北米ではカジュアルなPvPやゴジラを活用したシューティングゲームが受け入れられ、自社ゲーム『LightBike』は米国にコアなファンが多い。今後は、名前は出せないが有名IP会社や出版社等と共同で、グローバル向けの開発を進める予定もある。

株式の大部分は創業者で代表取締役CEOの黒川晃輔氏が保有しているが、ゲーム業界の複数の著名エンジェル投資家から出資を受けている。2020年10月には、マネックスベンチャーズ株式会社、千葉道場ファンド、エンジェル投資家（5名）等を引受先とする第三者割当増資を実施し、これまで累計約2億円以上の資金調達を実施した。

代表の黒川氏は学生時代に海外を単独で旅行した際、人々とのコミュニケーションや親切なもてなしを受けたことで、海外にポジティブなイメージを持った。「ゲームなら国境に関係なくサービスを提供できる」と、ベトナムで事業を立ち上げた経験もある。台湾での開発も黒川氏の海外指向によるものだが、人件費の面で優位性を持つこととなった。

また、黒川氏の個人的なつながりを通して、様々なIPホルダーとのつながりを深め、有名IPを獲得できる営業力が同社の大きな強みになっている。

Nobollelはカジュアルゲームを中心に、これまで100本以上のゲームを開発してきた。また、海外ゲームを国内向けにローカライズし、日本で販売するパブリッシング事業も展開する。

自社キャラクターによる完全オリジナルゲームには、このようなものがある。

シリーズ累計100万DL以上を記録している『アフロハムスター』は、ハムスターが様々な姿に変身する放置系育成アプリだ。そのパワーアップ版『アフロハムスタープラス』も人気がある。そのほか『アフロにゃんこ』や『アフロぴよこ』等、キュートでかわいらしいキャラクターのゲームが多い。

IPを活用したゲームの開発実績には、このようなものがある。

無料総合ランキング1位を記録した、『おそ松さん養うアプリ』は松野家の六つ子を養うため、ひたすら働く育成ゲーム。プーチンやキレネンコ等が人気の『ウサビッチ』のキャラクターが登場するソリティアアプリもある。『LightBike2』は米国で大人気のタイトルで、サイバー空間を高速で駆け巡り、世界中のライバル達と白熱のバトルを繰り広げる。『意識の高いデブ』は、Twitterのフォロワー数6万人超の人気アカウントをアプリにしたものだ。

今後のNobollelは、カジュアルゲームやハイパーカジュアルゲームの開発を継続して進めつつ、自社キャラクターを生み出し、世界中で数千万DLを超えるゲームを生み出せるように開発を続ける。

ビジネス面では、開発費用の高騰を抑えるため、開発コストが安い地域に積極的に拠点を展開する。その一方で、少数精鋭化することも考える。いずれにせよ最終的にはクオリティー勝負なので、チーム育成には時間をかけていく方針だ。

台湾拠点の拡大も進める。2022年までに二つ目の拠点を出す計画があり、それが落ち着いたら他国にも展開していく。売上比率も海外分をさらに伸ばし、収益の大半を海外からにする。

その余剰利益は、自社ゲームや自社ＩＰ制作に投じられる。グローバルに認知のあるIPの獲得にも用いられる。自社IPをつくるため、XR領域やキャラクター、デザイン業界にも進出し、ゲーム以外の3Dデザイン制作にも力を入れる。

2021年5月時点の従業員数は20名で、平均年齢は30代前半、男女比は9：1の比率となっている。上場企業のCｘOクラスや、数十人の部下を持った経験のあるメンバー、Unity歴が10年を超えるメンバーが複数いる。女性はデザイナー職やプランナー職での応募や採用実績が多く、今後はこの領域で女性の活躍が増えていくことだろう。

メンバーはほぼ中途採用だが、これからは台湾を中心に新卒採用を増やしていく。直近1年間での離職率は0で、定着率が高い。また、多地域・多マネタイズのポリシーから、従業員の過半数を外国籍メンバーが占める（2021年5月時点で、日英台韓中伊が在籍歴あり）。

組織階層は、社長の下に日本と台湾で責任者がそれぞれ1名ずつの体制。2021年から2022年にかけて各職種のリーダークラスを1名ずつ採用する予定で、社長、マネジャー、リーダー、メンバークラスという階層になる。

挑戦、誠実さ、主体性、ポジティブさ等を大事にする社風で、フラットに意見が言えるカルチャーがあり、全員が「いいものをつくる」ことを追求している。開発者の自己満足ではなく、ホスピタリティを持ったプロダクト開発を重視し、どういったものが流行っていて、受け入れられているかの研究に余念がない。

働き方は、プロジェクトが佳境なタイミング以外は定時に帰宅している。社内行事は、感染症拡大以前はキャンプやスノボ等のアウトドアイベントを行っていたが、現在は実施していない（飲み会やランチは時々開催される）。

今回の採用では、ゲーム会社での3年以上の就労経験が必須。リーダークラス以上は、スキル以上に自頭の良さ、主体性、誠実さを重視する。海外サービスの経験や海外居住歴があれば望ましい。学歴はあるに越したことはないが、上記の志向性の方が優先度が高い。中途採用者のキャリア例を挙げると、プロジェクトリーダーから管理職を務めた管理職経験者や、リードエンジニアに抜擢された大手企業転職者がいる。将来的に独立したい人も歓迎だ。