株式会社アップ

1977年に兵庫県西宮市で産声を上げた株式会社アップ。
同社は現在、兵庫県、大阪府、奈良県、京都府で幼児から社会人までを対象にした教育事業を展開している。小・中・高校生への学習指導「開進館」、難関国・私立中学受験指導「進学館」、中高一貫校中学生・現役高校生対象大学受験指導「研伸館」、小・中・高校生への個別指導「個別館」などを運営しており、合格実績も地域内ではトップクラスを誇る。

同社の教育スタンスは本質的な学力を身につけることにある。合格という目先の「結果」だけに留まらず、どんな局面でも自分の力で問題を解決し、未来を切り拓く力を子ども達に伝えていくことを目指している。日本の未来を創る人材を育てたいという想いを持つ。

この想いの根底にあるのは、「日本の教育を変える」という同社の教育に対するビジョンである。従来の教育事業の枠を超える事業創造を目指しているのだ。そのために受験教育のみならず、5年、10年先の日本を見据えた教育にも積極的に取り組んでいる。

その一例が、科学実験教室「サイエンスラボ」。実験授業を通して子ども達に科学への関心を喚起させることを目的に立ち上げられた教室である。最新の実験設備のもと年長～中学生を対象に、実験のみの授業が展開されている。大学で行われているような実験も手掛けている。「人材の育成が当社の使命だと考えています。『サイエンスラボ』をきっかけに理数系に興味を持った子ども達の中から、将来ノーベル賞を獲るような人物が育ったら・・・そんな夢を描いています。」と担当者は話す。

上記以外にも、同社は様々な教育サービスの形を提案しながら独自の事業展開を進めている。
その1つがデジタル技術への取り組みである。同社が開発したインターネット遠隔事業システム「E-Lecture」は、受講者が通学できなくても通信技術を使ってライブ（双方向）授業への参加を可能にした。ITの力で物理的な地域の壁、時間による制限から教育コンテンツを解き放ったのである。「教えっぱなし」ではない、インターネットを利用した新しいスタイルの授業方法を確立したのだ。
最近ではその手軽さ、参加型ライブ授業での強みが評価され、小児がん患者のための複数の院内学級での授業に導入。その取り組みなどから日本e-Learning大賞部門賞「ベストスマイル賞」を受賞した。米国・中国・韓国・日本で特許を取得しているアップ独自のシステムだ。

「当社の最大の強みは、講師陣の質の高さです。」と語るように、同社の講師の質の高さには定評がある。その秘訣は「育てることを諦めない」という社員一人ひとりの生徒への想いであろう。

「合格を目指して学ぶことはもちろん大切ですが、本当に大事なことはその先にあると思っています。生徒たちが豊かな人生を歩めるように全力で応援していきたい。」と若手講師は語る。

講師に求められるのは、既存の授業や教材で満足せず、常に向上心を持って仕事に取り組むことである。授業の質だけではなく、生徒とのコミュニケーションも重要視している。出迎えや見送り、授業前後の時間や面談を通して生徒とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが大切だと考えている。