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株式会社クラックスシステム

  • IT/Web・通信・インターネット系

21年連続で黒字を達成中!全員経営参加を目指すシステム会社

上場を目指す
シェアトップクラス
残業少なめ

企業について

株式会社クラックスシステムは、大阪市に本社を構えるシステム開発会社である。2001年3月の設立以来、公共系の案件を中心とした手堅い経営により20期連続で黒字を達成しながら、持続的な成長を遂げている。2011年4月には東京オフィスを開設。現在(2022年7月)は2拠点合わせた101名で、技術者中心の全員経営を目指して事業を展開中だ。

同社が得意とする領域は、地図と情報を連係させるGISと、工事に不可欠な見積を効率的に作成できる積算システムを中心とした公共・インフラ系のWebシステムである。特に、自治体や住宅公団、電鉄会社、電力会社などをエンドユーザーとする土木、水道、電気などのインフラ工事に不可欠な見積システム、地図を使って道路や下水道管、水道管などの資産管理をするGISなど、社会インフラ系の案件が半分以上を占める。代表取締役・宮崎晋輔氏は語る。

「建設コンサルタントや鉄管メーカーが工事を請け負う際や、測量会社が自治体から地図の作成と地図を使った資産管理システムを請け負う際などにシステム部分を上流工程から一緒に携わらせて頂きます。GISと積算システムは関西ではトップクラスであると自負しています」(宮崎氏)

この他、社会インフラ系のシステム以外の民間領域でも、クラウドを使った販売管理システム、医療システム、文書管理システムなど大手企業をエンドユーザーとする案件も手掛けている。民間の案件は直請け、二次請け両方のパターンがあるが、いずれの場合も公共系の案件同様に上流工程からリリース後の運用保守まで一気通貫で担っている。

同社の営業上の強みは既存顧客との関係性の深さにある。プロジェクトへの関わり方は社内の受託案件と客先への常駐型がちょうど半々ぐらいだが、客先常駐している技術者が営業を兼ねており、積極的な提案によって業務範囲を広げたり、請負案件を受注したりして取引を広げている。専任の営業もいるが新規開拓に特化しており、企画提案や案件の進め方などは全て技術者の責任範囲だ。

「当社は常駐型案件と受託案件を絡めてやっています。単に言われたものを作るだけではないので、他社の技術者とは信頼度が違いますし協業の度合いも高い。一度取引が始まれば、どんどん深掘りしていって取引は長期、拡大化します」(宮崎氏)

民間の直案件に至ってはデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が広まる以前から、業務改善や効率化に留まらない、ビジネスモデルを変えるような提案まで行い、クライアントの利益拡大にまで貢献してきた。

「当社はもともとDX志向です。“顧客の真のニーズを捉えましょう”ということを言い続けています。その分難しくなりますが、SEは単なるプログラマーではありません。経営者の視点も必要です。今後もそういう教育をしていきたいと考えています」(宮崎氏)

顧客との関係性を深掘りすることで受注予測もしやすくなり、経営リスクを抑えることが出来る。それが21期連続黒字達成を実現した大きな要因である。その一方で、積極的な提案をして受注の幅を広げることで、毎年着実に売上を伸ばしてきたのである。

クラックスシステム社は、代表の宮崎氏が29歳の時に前職時代の同僚約10名とともに設立した会社である。

宮崎氏はIT業界に入る前は半導体製造の会社で品質管理を担当していたが、その業務でインターネットを使い始めたことが転機となった。当時はまだ1990年代。世界中でインターネットが使われ始めた頃だ。フィリピンに赴任していた際に、『Skype』を使って画像のやりとりをしたところ圧倒的な利便性に驚いた。当時としては取引先も見学にも来るほど画期的なことだった。しかしその後、取引先の一社である大手企業が導入したシステムを見学した際、日本企業のIT化がいかに立ち後れているかを痛感。それがエンジニアに転身するきっかけとなった。

ただ、実際にIT業界に転職してみると、派遣がメインで、なおかつデータベースを整備するような業務改善レベルの仕事ばかり。理想と現実のギャップから、同じような不満を抱える同僚達と一緒に会社を興すこととなった。

GISと積算システムは前職時代に関わっていた領域である。独立後も前職時代同様、公共領域に軸足を置いて経営の安定制を確保。当時流行っていた携帯電話関連の仕事は移り変わりが激しいことから手を出さなかった。

“技術者中心の全員経営”は設立当時に掲げたビジョンである。現在と異なるのは、当時、完全な成果主義を採用していたことである。成果主義は当時のトレンドにも合致していた。しかし、仕事が出来る人間だけの組織であるうちは良かったが、事業を拡大し続けるには人を増やさなければならない。都合良く経験者ばかり採用出来るわけではないから、新卒を始め若い人材が増えて来ると不公平が生じてくる。すると若い人材が育たず、会社も成長しない。そこで設立から5年が経った頃から成果主義をやめ、若い人材を育成しながら着実に成長していく方針へと切り替えた。

「もともと“技術者中心の全員経営”はSE教育のために導入したものです。お客様からすると営業担当の方が話しやすい。しかし営業がお客様との間に立つと技術者が育ちません。要するに技術者がちょっとした経営視点を持たなければならないということです。一方、会社生活を楽しくする上でも、経営に自分の意見が反映された方が良い。そういう意味でも経営者視点は重要です」(宮崎氏)

“技術者中心の全員経営”を実現するための指標として掲げるのが“3つの10”だ。“3つの10”とは取締役10人、売上10億円、社員100人である。売上10億円と社員100人は盤石な経営基盤を築く為であり、全員経営に直結するのが取締役10人だ。

「全員経営を具現化する方法としては、品質、教育、広報、福利厚生の4つの委員会を立てて、社内行事の企画や新制度の導入など、社員自らの手で労働環境を改善していますが、それとは別に取締役10名という箱も用意したいと考えています。人生に一度ぐらいは本当の経営に携わって欲しいという想いからです」(宮崎氏)

以上のようなビジョンのもと、風通しの良い社風を築き、顧客との関係も深掘りしながら着実に成長を遂げてきた同社だが、規模が拡大し社員の年齢層が広がる中、新たな課題も浮上。従来の上下関係のないフラットな風土が維持しにくくなってきたのである。そこで同社は全社を7つの課に分けて、リーダー層の育成に注力し組織化を進めていった。さらに社内プロジェクトを立て、社員同士で2年間話し合ってクレドを作り、価値観の一致を図った。その成果として、一時期約10%に達していた離職率が、直近の5年間は3%未満にまで低下している。

「理念が必要な理由は、自分で判断出来る軸があるということ。商売なので損得は考えなければいけませんが、場合によっては損をしてでもやらなければいけない局面もあります。その時、判断の軸になるのが理念です。理念に反するけど得をするという時はちょっと危ない。逆に損をするけど理念に合うならやらないこともないと思って欲しい。理念作りに携わった人間は、その重要性をわかっていますが、時間が経つと忘れます。定期的に見直していく必要はあると考えています」(宮崎氏)

新型コロナウィルス感染症が拡大した2020年も業績は拡大し、今後も継続的な成長が見込まれる。そのため同社は、開発に携わるプログラマーからリーダー層まで幅広い人材を採用している。もうすぐ目標である社員100名が達成出来るが、売上10億円を達成するまでは増員し続ける計画だ。

創業メンバーの1人、取締役・大西康博氏は、現在のクラックスシステム社に参画する魅力を次のように語る。

「ここ数年、働きやすさを追求し、就業規則などの社内ルールも整備してきました。また、マネージャー教育もこなれてきたため、チャレンジゾーンの人材が入社しても育成出来る体制は整っています」(大西氏)

技術教育は人事部が主催する社内勉強会の他、2ヶ月に1回の全社ミーティングの場でも行われる。全社ミーティングは様々な意思決定を行うための場でもあり、委員会の取り組みを発表する場でもあり、社員同士の交流を図る場でもある。大阪と東京にオフィスが分かれる上に、チーム単位で客先に常駐する社員もいるため、全社ミーティングの場で、スキルの共有や意識のすり合わせを行っているのである。

「求めるのは自分の考えを持っている人、自分で考えられる人。転職を考える人は必ず現状に不満を持っているはず。その上で、建設的な意見を持っている人を求めています」(宮崎氏)

仕事の面では、ある程度仕事が出来るようになれば、上流工程で提案から関わることが出来るところは魅力である。大手企業と一緒に大きな案件に入ってプロジェクトリーダーとして活躍することも出来る。また、安定した公共システムの領域ではあるが、顧客に提案をするためにも、常に新しい技術は吸収し続ける必要がある。現在はAI、IoTといった技術獲得にも取り組む。いずれは自社開発にも取り組む考えだ。

「こんなことをやりたい、こういう部分をこうしたいという意見があれば、自分たちで変えたり作ったりすることがしやすい環境です。今、自分の意見を言えない環境にいてストレスを抱えているような方には良い環境だと思います」(大西氏)

大阪本社は2021年8月に新しいオフィスに移転したばかり。新しいオフィスは、コロナ禍でも働きやすいよう配慮された広々とした空間である。個人の適性や家庭環境に合わせ、リモートワークも柔軟に取り入れている。毎年新卒採用も行っていることもあり、平均年齢は32歳と若い会社である。社長の宮崎氏との距離も近く話しやすい雰囲気だ。現時点で技術に自信がない人でも、プログラムが好き、システムやビジネスモデル、会社の制度など仕組みを考えることが好き、といった人なら、迎え入れる準備が整っている。

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インタビュー

株式会社クラックスシステムのインタビュー写真
大阪開発部 課長 Y.S 大学で主に建築関連を専攻していたこともあり、不動産営業として社会人をスタート。退職後、 CAD の経験を活かした業務に従事していたところ、縁あって当社へ入社。 入社後は、一貫して公共工事の工事図面作成や費用を算出するための積算CADシステムの保守業務に従事。 現在はマネージャーの傍ら、SEとしても活躍中。

── 部署の特徴 ~まずはじっくり知識を身につけて~

私の部署では工事費用を算出する「積算」という業務で使用するシステムのデータベースの保守や更新が主な業務になります。扱うデータは自治体ごとに毎年更新されるもので工事費用を見積もる際の重要な部分ですので、間違いは許されません。
また、お客様やエンドユーザー様とのやり取りが多いのも特徴です。まずは知識を身につけるところからスタートしますが、2~3年目を迎えるころにはお客様との折衝を担当してもらい、ご要望をお伺いしたり改善提案を通じて身につけた知識を深めてもらうとともに新たなキャリアステージへ進んでもらっています。 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社クラックスシステム

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > システムインテグレータ・ソフトハウス

IT/Web・通信・インターネット系 > ITコンサルティング

IT/Web・通信・インターネット系 > ソフトウェア/パッケージベンダ

企業の特徴
上場を目指す、シェアトップクラス、残業少なめ
資本金

1000万円

売上(3年分)

202236.6億円

202135.7億円

202035.3億円

設立年月

2001年03月

代表者氏名

宮崎 晋輔

事業内容

株式会社クラックスシステムは大阪本社、東京支社の2拠点で事業を展開するシステム開発会社だ。GISと積算システムを得意とし、公共系システムを中心に持続的な成長を遂げてきた。営業マンに頼らず、技術者自身が顧客目線に立った提案を積極的に行うことで、顧客との関係制を深めていることが最大限の強みだ。DXが話題となる以前から、単なる業務改善に留まらないビジネスモデルを転換する提案で顧客の利益拡大に貢献してきた。2001年3月の設立以来20年連続で黒字を達成し、業績も右肩上がりで伸びている。技術者中心の全員経営を目指している。

株式公開(証券取引所)

非上場

主要取引先

株式会社アイル 朝日航洋株式会社 株式会社管総研 国際航業株式会社 TIS株式会社 株式会社ビーイング 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社

従業員数

101人

平均年齢

32.1歳

本社住所

〒541-0054 大阪市中央区南本町4-5-20 住宅金融支援機構・矢野ビル10F

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