株式会社ワークス

株式会社ワークスは、美容院や理容店、ネイルサロン、エステサロンといったビューティー系サロンに特化した総合商社である。同社では、情報システム全般の改善や新規開発、保守・運用を担う社内SEを求めている。

同社が取り扱う商材は、シャンプーやトリートメント、ヘアカラー、パーマ剤、スタイリング剤といった消耗品のほか、ハサミやカミソリ等の道具類等、サロンで使うアイテムを網羅。他社との差別化のために、PB商品も企画開発している。ハサミ等は、メンテナンスサービスも手掛けている。これらの商売に必要なアイテムだけでなく、時計やアクセサリー、コスメ、下着、花瓶、ギフト用品、日用品までを揃える。さらに、新電力会社の代理店として電力の割安プランも提供している。商品数は全部で約3万アイテム、色・サイズ違いや部品等を分ければ約200万SKUにも及ぶ。
「主なお客様である個人経営のサロンオーナーは、なかなか店の外に出かける機会が持てません。そこで、個人使用の物品もついでに調達いただけるよう、様々なものを揃えています。中には、そうした商材をサロンで併売されるオーナーに卸す場合もあります」と代表取締役の須合玲奈氏は説明する。

同社の特長は、100%通信販売チャネルで受注していること。これにより、多くの商品は翌日配送も可能にしており、「お客様の倉庫代わりに重宝されている」と須合氏。顧客は、北海道から沖縄までの全国および海外の、個人経営から大手チェーンの店舗まで約20万サロンに及ぶ。
商材はメーカーからの直接仕入れによる中間マージンのカットとスケールメリットにより価格を下げ、顧客の収益性向上に寄与。そして、商材の提供だけでなく、流行している商品・サービスの提案や、感染症対策のアドバイスといった情報提供を付加価値としている。
「家族経営の忙しいオーナーに代わって収集した情報やノウハウを提供し、より繁盛していただくことの支援に力を入れています」（須合氏）。

同社の創業は、1987（昭和62）年。創業者である須合氏の父親は、以前、理美容店向け商社でルートセールスの職に就いていた。通信販売業界が興隆し、市場規模1兆円を突破する当時、ルートセールスではなく通信販売チャネルに変えることにビジネスチャンスを見出す。
「地方等へのルートセールスは週1回と決まっていて、タイミングが合わず品切れを起こしてしまうサロンが少なくありませんでした。また、いつも使っているシャンプー等はルートセールス担当者に説明を求める必要もなく、欲しい時に電話一本でオーダーし翌日届けば利便性が格段に向上すると父は考えたのです。そこで、独立し母と二人で創業しました」

こうして、業界初のBtoB通販専業商社が誕生して以降、その利便性が好評を呼び順調に顧客サロンを増やしていった。

しかし、須合氏がまだ学生の頃、父親が急逝。「大黒柱を失う須合家の危機だった」と須合氏は振り返る。母親が二代目の社長に就任し、須合氏は1994年の卒業後に入社して、社長である母親のサポートを続けた。1998年には専務取締役に就任する。
「商品企画や仕入れ、カタログ制作、コールセンター、バックオフィスと社業全般に関わりました。母親のやり方をベースに、私が肉付けをしたり、違う観点からの補強をする等、母親と二人三脚で運営してきました」（須合氏）。

そして、2020年に母親が会長に、須合氏が三代目の社長に就任する。自身の経営方針について、須合氏は次のように話す。
「両親がつくってくれた土台を引き継いで、これをベースに時代に即した商材やサービスを常にアップデートしていきます。また、社内においては自分自身が女性ということもあり、女性が働きやすく活躍できる風土をつくっていきたいと思っています。日本社会は女性の社会進出がまだまだ遅れているといわれていますので、それを打破していくことに少しでも貢献したいですね」

そんな同社では、2016年にスタートし約100社が集まる「ウーマンエンパワー賛同企業」に名を連ねている。

なお、全国の美容院は約34万店、理容店は約20万店ある。そのほか、ネイルサロンやエステサロン等を含めれば、合わせて60万店程度はあるといわれている。現状、同社のシェアは30%ほどだ。
「当面の目標として、シェア50%の業界No.1を目指します。そのために、追い付いていない社内インフラの強化等により、さらにきめ細かくお客様のニーズに対応できるようにしていくことが課題です」と須合氏は意気込む。

2021年9月現在、社員数は約150名。主要顧客がビューティー系のサロンということもあり、社員の7割を女性が占める。須合氏含む3名の役員も全員が女性だ。そうした特性もあり、同社ではダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいる。前述のとおり、女性の活躍はもちろん、外国人技能実習制度にも積極的に取り組み、現在3カ国から30名ほどの実習生を受け入れている。外国人実習生が20%を占める企業は珍しいと言えるだろう。

出産や育児等のライフイベントを持つ女性のために、ワークライフバランスの充実に力を入れている。一定の基準内で休暇が自由に取得可能で、残業平均時間は3時間程度と極めて少ない。
また、社員の個性を尊重すべく、基本的に服装はもとより、ヘアカラーやネイル等も自由だ。「これが社内の自由な雰囲気を醸し出している」と須合氏。

なお、須合氏は社長就任に際し、次の四つの行動指針を掲げた。

「挑戦」：維持を嫌い疑い、常に現状に疑問を持ちリスクを恐れることなく、常にチャレンジし続ける。チャレンジすることで大きな成功に繋げる。
「逆算」：目標に対してどう行動するかを、達成した時のイメージから逆算して計画を立てる。常に目標達成の工程を定めることで大きな成功に繋げる。
「スピード」：スピードの付加価値は最大。Time is money. 早い行動は早い成果を生み出す。つまりPDCAを速く回すことで、良い結果をもたらしていく。
「執念」：諦めず、できることを信じて、しつこく最後までやり抜けば、必ず道は拓ける。諦めなければ終わりはなく、大きな成功を得ることができる。

この4項目は、全社総会等の場での共有や、携帯できるリーフレットの配布、人事考課の定性指標に組み込むことでの浸透・推進を図っている。
「折に触れて、『結果から逆算して考えてみて』と口にする機会が多いですね。自然に浸透していると思います」（須合氏）。

そんな同社が求める人材像について、須合氏は次のように話す。
「社内SEの場合は、販売管理システムやECサイトの改善を続け、日々サービスを進化させる重要な役割があります。そのほかの職種も含め、この会社を良くしていくために積極的に提案や意見を言える方に来ていただきたいと願っています。当社は女性が多いですが、もちろん男性も大歓迎です。是非アクセスしてください！」