株式会社大同ソフト

東京・上野に拠点を構える株式会社大同ソフトは、システムエンジニアリングサービス（SES）をメインに急成長している会社だ。

代表取締役を務める楊永継氏は、大手ソフトウェア企業やIT企業を経て2019年4月に同社を設立。社名の「大同」は、孔子の『礼記』の礼運編に記された理想世界の概念である「大同思想」から名付けられた。天の公理に基づき、人心が和合し、よく治まった、あらゆる差別のなくなった至公無私の平和な社会をつくりたい、という願いが込められている。

その願いの通り、大同ソフトは風通しの良い職場環境が魅力だ。「私自身、大手企業でエンジニアや管理職を経験し、大企業で働くメリットと同時にデメリットも痛感しました。大手企業での仕事は大きなプロジェクトに携わることができる一方、エンジニアの労働環境や条件は軽視されがちなのが難点です。そこで、エンジニアがもっと伸び伸びと、働きやすい環境をつくれたらと思い、大同ソフトを立ち上げました」（楊氏）。

大同ソフトは、次の3つの理念を掲げている。1つは社会貢献で、より良い社会の実現に努力し続ける。意思決定の優先順位は、社会＞顧客＞社員＞会社となっている。

2つ目はテクノロジーで、より高い技術力、プロジェクトマネジメント力を追求する。日常の仕事から得た教訓・経験・知恵などの知的資産の蓄積を大事にし、その蓄積した技術力・プロジェクトマネジメント力、そして独自の知的資産を駆使し、顧客によりよいサービスを提供できるよう改善を続ける。

3つ目の理念は、尊重だ。人材はもちろん、資源や環境などあらゆるものを尊重し、大切に扱う。弱者に対しての尊重も忘れることなく、多様な見地や見方が奨励され、評価される環境を創造。相互協力を促進し、より優れた業績を育んでいく。

これらの「大同思想」や企業理念は、経営層から社員まで一人ひとりの目標や行動基準となっており、独自のソフト開発の力を発揮して「大同社会」の実現を目指す。

SESでは、システムの企画、開発、運用・保守の業務支援を常駐型でおこなっている。中規模～小規模案件を得意とし、既存システムのリプレイスや機能追加などもサポートする。また、大手企業のシステムの開発支援や、データ分析などの業務実績もある。

主な技術分野は、オープン系システム開発（オンライン、アプリケーション、バッチなど）、AWSやSalesforceの技術支援、PMO（Project Management Office）で、日本語・英語・中国語の3カ国語を同時に操れる技術者も擁している。

システムインテグレーションでは、企画、開発、運用・保守に最適化したソリューションと製品を統合し、トータルサービスとして提供する。SESと同様、中～小規模案件に実績が多い。

設立当初の大同ソフトは、社員2名だった。現在（2021年11月）は社員7名、契約スタッフ24名に拡大。設立3年目を迎え、ソフトウェア開発会社やそのグループ会社など、取引先は120社以上に拡大した。売上高も初年度と比較して200％以上増加し、業績は極めて好調だ。

楊氏が中国出身であることも急成長の理由だ。昨今、企業のDX化が加速し、IT人材が不足するなかで海外エンジニアの需要が高まっている。「日本で働く外国籍のエンジニアは年々増えています。そんな彼らに幅広い機会を提供するとともに、人材不足で困っている企業に高いスキルをもつエンジニアを紹介するという、日本企業と外国籍エンジニアの架け橋のような会社です」（楊氏）。

日本人の社員にとっては、国際色豊かなスタッフと触れあうことで、より幅広い知見を身につけられる。国際感覚も養うことができ、視野が広がる会社といえるだろう。

ゆくゆくは自社サービスを立ち上げる構想もある。「現状はSESを主としていますが、将来的には人材教育・紹介、不動産、旅行などに特化した自社サービスを立ち上げる予定があります。会社はあらゆる角度で成長していかなければ、社員も成長しません。そのための挑戦はどんどんしていくつもりです」（楊氏）。

今回の採用では、SE（システムエンジニア）の採用を想定している。活かせる経験・スキルとしては、以下のようなものがある（必須ではない）。
・Webプログラマ・エンジニアの経験
・JavaScript、Java、PHP、Android/iPhoneアプリ開発（Objective-C）、Ruby、Perl、VB、C#などを用いた開発経験

上記の経験・スキルは必須ではないので、独学でプログラミングを学んだ人でも活躍できる。「専門学校で習った」「職業訓練学校で習った」という程度でもOKだ。自身でつくった作品があれば、ぜひポートフォリオに入れておきたい。未経験でも、仕事に対して目標があればアピールポイントになる。

大同ソフトは、どんな現場でも即戦力になれるように社員教育に力を入れている。希望者には社員研修として、代表自らがレクチャーする場がある。YouTubeにもレクチャー動画がアップされており、自宅で復習ができるように配慮されている。

「経験はあるがスキルに自信がない」「もっと新たなスキルを身につけたい」「資格を取りたい」といった悩みや希望に応え、ステップアップを支援する制度もある。実際、入社後に情報処理やjavaの資格を取得した社員も多い。「やる気や熱意、向上心のある人には積極的にサポートしていく体制を整えているので、エンジニアとして成長したい人にはぴったりの会社です」（楊氏）。

そのほか、各種手当や年末年始の特別ボーナスなど、社員への還元もしっかりおこなっている。定期的に飲み会などもあり、社員同士が親睦を深める場もある（自由参加。現在は休止中）。

「社員には、組織の歯車の1つになるような人生を送って欲しくない。『こんなことをしたい』また逆に『こういう部分は改善したい』という希望や意見を自由に発言してもらい、それを吸収・実現していけるような会社にしたい」という楊氏の言葉からも感じられる通り、大同ソフトはファミリーのような温かさを感じる会社だ。会社とともに成長したい、それと同時にいろいろなことに挑戦したいと願う人には最適な企業だろう。