株式会社FITS

株式会社FITSは、仙台市青葉区一番町にあるシステム開発会社だ。高い提案力と技術力で、システム設計・開発やプロジェクト管理支援等を行っている。特にWebアプリケーションや組み込みソフトウェアの開発を得意とし、顧客の業種業界を問わず受託している。

会社設立は2018年12月。それ以前から続く、大手を含む東京の会社との強いコネクションがあるため、仙台の同業他社ではなかなか関われない案件や、NFTやAIなどの最新技術を採用した案件に参画することができる。参画したプロジェクト一つひとつを期待以上にこなすことで、あまり大きな営業活動を行うことなく、既存の取引先や、そこからの紹介等で仕事が回るスタイルを確立させ、2020年度の売上高は、約1億4,200万円となっている。

FITSの代表取締役をである藤浦氏は、2004年3月に仙台にある高等専門学校を卒業した。高専時代に基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者（現 応用技術者試験）に合格しているほか、ゲーム開発コンテストで、グランプリを受賞した経歴もある。

高専卒業後は、幼い頃から憧れていたゲームクリエイターになるため、藤浦氏は東京の某ゲーム会社に新卒入社した。しかし、組織のあり方や仕事の進め方に納得がいかず、2005年9月に退職。その後、都内の独立系システム会社に就職し、そこでシステム開発の面白さに目覚め、2013年には取締役にまで昇進した。

会社経営に関わりながら、いつしか自分の経験をもとに、エンジニアが全力を発揮できる組織をつくりたいと考えるようになった藤浦氏。東日本大震災を経て、全身全霊をかけて何かをするなら生まれ育った仙台への恩返しになる形を、という思いからFITSを設立した。

藤浦氏自身が現役のエンジニアであり、エンジニアを一生の仕事にしたいという思いから誕生したのがFITSだ。そのため、フルリモート化、スーパーフレックス等、エンジニアが働きやすくなる環境づくりを率先して行っている。

FITSは、企業の基幹業務を支える様々なシステムを開発している。最新の論文を取り入れた3Dモデルの処理システムから、基幹業務システムのリプレース、脱表計算ソフトのためのローコード開発、高速開発まで様々な開発手法を導入。丁寧なヒアリングと高い技術力による提案で、多数のクライアントから熱烈に支持されている。

主な実績を紹介しよう。
Webシステム開発では、様々な業種のBtoB向けサービスや基幹システム開発を支援している。
組み込みソフト開発では、携帯電話をはじめ、自動車、ロボット等あらゆる機器に搭載されている組み込みソフトに携わり、なかでも家電系の開発実績が多い。

Windowsアプリケーション開発では、ビジネスに欠かせないデスクトップアプリケーションを開発している。海外のSDKやドキュメントを読み解き、センサー類、ハードウェア類と連携するシステムを構築することも可能だ。

Androidアプリケーション開発では、ビジネス用から研究用まで、用途に合わせたアプリケーションを作成、カスタマイズする。サーバー側の基本設計、API設計から、アプリケーション実装、検証までワンストップで対応する。

システム受託開発の実績はさらに多く、以下のようなものがある。
・Android課金サービス
・業界特化型SaaS
・センサ会社システム
・社内向け認証システム
・RFID（無線タグ）位置検出システム
・人体3Dスキャンシステム
・ナビゲーションアプリ
・ビデオチャット状態監視サーバー
・コンシューマー向けゲーム開発
・Webクローラーシステム
・建設業向けExcel改善業務
・既存WebシステムとPUSH通知の連携
・バーコード、QRコードを使った資材管理システム
・ロボットを使ったコミュニケーションシステム

代表である藤浦氏は「システム開発の仕事そのものは今後も残るだろうが、単純作業やムダの多いシステム投資は減っていくだろう。そのとき業界の変化に対応しきれず、でメンバーにしわ寄せが行くような組織ではいけない」と早くから考えていた。そのため、積極的にチーム単位での動き方や、マネジメントを業務に取り入れ、メンバーを育成している。また、地元の学生への指導や教育をなど後進の育成も積極的に行っている。この自然と技術の調和が取れた街、仙台にあって、とがった挑戦を続け、知らぬ者がいないシステム会社を目指していく。

2021年10月時点の従業員数は23名で、平均年齢は32歳（代表の藤浦氏は37歳）。全員が中途採用で、男女比は20：3となっている。

従来の年功序列・ピラミッド型の組織のデメリットを克服し、役職制度も廃止。逆に、ひとりひとりの実力や成果がしっかりと反映される給与制度に改め、その計算式をすべて社内に公開した。これらはすべて社員の声を反映したものだ。

月平均の残業時間は11時間ほどだが、20時間を超えると社内からサポートがつき、無理な残業をさせない仕組みがある。
主な福利厚生は、オフィスコンビニ完備（無料）、懇親会費補助、リモートワーク時や客先常駐時のドリンク代補助等がある。社内イベントは、花見、社員旅行、芋煮会、忘年会、月1回の社内懇親会（リモート）等を実施している。

給与体系はベース給（一律409万円/年）とインセンティブからなり、インセンティブは売上からデジタルに決定する「定量評価」と、数字に表れない貢献に対する「定性評価」で算出される。これまでの最高年収額は約1,700万円で、平均的には450～650万円となっている。

今回の採用では、3～5年の経験を持つ中堅Webエンジニアを想定している。年齢による昇給テーブルはなく実力本位のため、納得感が高く、会社の経理情報はすべて閲覧できるので「会社にピンはねされている」という不満が出ることはない。希望して様々な案件にスポットで参画すれば、稼働とサラリーを増やすこともできる。「パフォーマンスは出してるはずのに、いびつな組織の構造や、若いという理由だけで給料が上がっていかない」という人には、非常に魅力的な給与体系ではないだろうか。

求める人物像は、技術力と調和力のバランスが取れた人。技術が好きで探究心に溢れる人、セルフマネジメントができる人、相手への尊敬と思いやりを持てる人、これらの価値観を持つ人を採用している。また、ひとりひとりの声を大事にするからこそ、ひとりひとりが自らの意思や意見を持ち、それを発信することを良しとする文化がある。そのことで逆に、声の大きい一部の人だけが得する、ということが無きよう会社の制度は綿密に設計されている。

FITSはシステム会社だ。だからこそ「システム」ではなく「人」を大切する。「社員は社会や組織の歯車ではなく、それぞれの人生の主役なのだ、ということを絶対に忘れてはいけない。」代表である藤浦氏はそう語る。

また、仙台は支社が多い地域柄、自分達で意思決定して進めていく仕事に携われる機会が多くないといわれている。その中にあってFITSは、メンバー含め議論を重ねて意思決定を重視した仕事スタイルとなっている。そのため、自分自身が主体となって業務や会社を動かす、という感覚で仕事ができる。もし言われるがままに仕事をしてきてスキルや将来に不安がある、という場合はFITSでこれまでと違う働き方を目指すのもよいのではないか。