株式会社電通クロスブレイン

マーケティング領域におけるデータの収集・蓄積・分析と、分析結果に基づく各種施策の立案、実行の支援・代行を手掛けている株式会社電通クロスブレイン（DXB）。マーケティングの電通とデータ分析のブレインパッドが手を組んで2020年7月に誕生した注目のスタートアップだ。設立の経緯について代表取締役の川邊忠利氏は次のように語る。

「近年、あらゆる顧客体験のデジタル化が進み、企業が膨大なデータを蓄積できるようになってきました。それに伴って、データを活用してより良い体験やサービス、製品を生活者の皆さんに届けたいというクライアントさんからのご要望が日増しに強くなっています。ただその一方で、データを分析して最適なマーケティング施策を立案し、実行できる人材は、日本ではまだ少ないのが現状です。そんな課題を解決するために、大きなクライアント基盤を持つ電通グループと、データ分析の領域で高いケイパビリティを持つブレインパッドがタッグを組んで設立したのが当社です」

同社の強みは、データ分析からマーケティング施策の企画・立案、実行まで一貫してサポートできることだ。

「データを分析して終わりではなく、その結果からマーケティング施策を考えて提案し、実行まで、データ活用のサイクルを一貫してサポートできるのが強みです。データ分析だけ、マーケティング施策だけを手掛ける会社は数多くありますが、一気通貫でできる会社はほとんどありません。また、抽象度の高いご要望にも対応できるのも特徴です。例えば、データを活用したいがどうやって進めたら良いのか分からないといった、ふんわりとしたクライアントのご要望に対しても、初期段階から一緒に考えて併走してサポートしていきます」（川邊氏）。

設立以来、着実に実績を重ねており、クライアントの業種・業態は多岐に及ぶ。

「ありがたいことに様々な業種・業態のクライアントさんからご相談をいただいていますが、大きく分けると二つの形態になります。一つは既に自社で顧客データをお持ちのクライアントさんです。流通企業やダイレクト系通販企業がこれに当たります。もう一つがこれからデータを蓄積していきたいお客様です。例えばシャンプーやビール等の消費財メーカーさんです。そういったお客様に対しては、ありたき姿を一緒に描き、そこからバックキャストして、こういうデータが必要ですとか、こういうカタチでデータを集めていくべきです、分析してそれを活用すべきですというところまで一緒にサポートしています」（川邊氏）。

現在、DXBは36名体制で、20代から40代までのメンバーが活躍している（2021年12月時点）。クライアントの課題を具体的なプロジェクトに落とし込んで対応するマーケティングプランナーが10名、データ分析を手掛けるマーケティングデータアナリストが20名、人事・経理・法務等を担当する管理部門のメンバーが6名という内訳だ。

「メンバーのバックグラウンドで一つ大きいのは、前職でもデータ分析に携わっていた人です。もう一つが、SIer等でSEとしてシステム開発に携わっていた人です。システムやサービスを作って終わりではなく、その後にどうやって使っていくか、システムで取得したデータをどう活用していくかに興味を持って当社にジョインしてくれる方も多いですね」（川邊氏）。

同社の魅力は、データ分析スキルを磨けるだけでなく、ビジネスの理解を深められることだ。ビジネスが分かった上でデータを分析し、マーケティング施策を立案して実行までできる、市場価値の高い人材へと成長できる。

「一般にデータを活用する人材に必要なスキルセットは、ビジネス面での理解、データ分析力、エンジニアリング力の三つだといわれています。データ分析に携わる人の多くは分析やエンジニアリングに目が行きがちですが、いくら高い分析力やエンジニアリング力を持っていても、ビジネスを理解していなければ、クライアントの課題を解決できません。当社ではクライアントのビジネスに寄り添って一体となって仕事を進めていますから、データ分析力はもちろん、ビジネスの理解を深め、クライアントをどうサポートしていくべきなのかの経験を積むことができます。データも分かるし、ビジネスも分かる。今市場で圧倒的に不足している人材となって活躍できるのです」（川邊氏）。

さらに同社は設立してまだ2年目で、急成長を続けているエキサイティングなフェーズ。今ジョインすれば中核メンバーとして各部門の重要なポジションで様々なチャレンジをしながら、会社の成長にコミットできるのも大きな魅力だ。

そんな同社が求める人物タイプについて、川邊氏は次のように語る。

「データが好きで、データの力を使えばクライアントのマーケティング活動をより良くできると信じている方に来てほしいですね。そして探究心があって、クライアントの本質的な課題は何かを深く考えていくことができる方。さらに、技術革新が非常に早い領域なので、常に情報のアンテナを張っていて、新しい技術をしっかりキャッチアップしていく好奇心旺盛な方と一緒に働きたいですね」

DXBの本社オフィスは、東京都港区東新橋の電通本社ビル内にある。各線「新橋駅」から徒歩4分、都営大江戸線「汐留駅」から徒歩1分とアクセスの良いロケーションだが、ワークスタイルはリモートワークが中心。同社の企業カルチャーについて、川邊氏は次のように語る。

「目指しているのは社員全員が遠慮なく意見を言い合える会社です。日本的なヒエラルキーで、上の人を忖度して正しいと思っていることを言えないというのは本当に良くないと思っています。色々な人の意見を吸収してより働きやすくて、やりがいを持って働ける会社にしたいですね。社員同士は、近すぎず遠すぎない適度な距離感です。リモートワークが前提の会社なので、メンバーが席を並べて働くことはありませんが、チームみんなで食事に行ってコミュニケーションを深めることはあります」

完全週休2日制（土日）・祝日休みで、年間休日120日以上と、オンとオフのメリハリをつけて働ける環境を整備している。社員のスキルアップをサポートする制度を充実させているのも同社の特徴。多種多様な社内研修を提供しているほか、社外セミナー・講座の受講や、業務に必要な書籍購入を全面的に支援している。

「また、社員同士が最先端の事例やスキルを共有し合うミーティングを定期的に開催しています。当社のビジネスは、社員一人ひとりが高い専門性を身に付けてクライアントにより高い価値を提供していく必要があります。そのためには社員のスキルアップが重要です。そのため社員の教育・研修に関しては、いい制度や仕組みがあれば今後もどんどん取り入れていきたいですね」（川邊氏）。

今後のビジョンについて、川邊氏は三つのポイントを挙げる。

「一つはクライアントの課題を解きほぐして明らかにしていくプロセスの汎用化です。それによってより多くのクライアントさんにサービスを提供できるようにします。二つ目は分析業務をより効率的に行う仕組み作りです。データ分析のテンプレートを蓄積し、より早いスピードで分析できるようにしていきます。三つ目は、クライアントさんのニーズや課題を直接拾いにいけるような仕事の仕方や取引の仕方の模索です。それによってより幅広いクライアントさんの課題に対応できるようになりたいですね。おかげさまで当社は今、ものすごい勢いで成長しています。私達と一緒に、マーケティングデータ分析・活用のエキスパートとして力を発揮していただく方をお待ちしています」