株式会社エコスマート

主に保険代理店事業を展開している、株式会社エコスマート。Webマーケティングや保険コンサルティングのシステム化に取り組んでいく同社は、エンジニア等のデジタル人材を求めている。

同社の保険代理店事業は、生命保険会社17社、損害保険会社6社、少額短期保険会社4社の代理店として、中立的な立場から保険加入希望者に対して最適な保険商品を提案するというビジネスモデル。2010年10月にスタートし、現在は当該業界における中堅的なポジションを占めている。

サービスの特長・強みとしては、顧客に保険を提案する営業担当者（保険募集人）が、独自に国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士を取得し、顧客のライフプランの設計から手掛けられる体制を構築して、各顧客のライフスタイルに最適な保険プランを提案しているところにある。
契約成立後も、専任のカスタマーサポートが数カ月ごとに連絡を入れ、状況確認を行う等エンゲージメントに努め、離脱防止や紹介促進に繋げている。

営業スタイルにも強みを持つ。その特徴は、約100席の独自のコールセンター。同社はリアルな保険ショップを展開せず、100%このコールセンターが顧客開拓を担っている。以前は電話帳を活用してアウトバウンドマーケティングを行ってきたが、電話帳が廃止されてからはWebマーケティングや他社との提携から入手したリストに対してテレマーケティングを手掛け、見込み顧客化。営業担当者に繋げての訪問・対面型の契約が約70%で、電話もしくはオンラインによる非対面・非接触での契約が約30%という状況にある。

今後、同社はこのWebマーケティングに一層力を入れていく。そのため、インターネットメディア事業部を立ち上げ、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングに乗り出している。
現在展開しているメディアは、気軽に分かりやすく保険やお金を学べる『エコスマほけん』と、不安を相談・解消できて更年期を楽しく過ごすための『更年期相談室』。保険をWebで手軽に申し込みたいというニーズに対しての保険資料請求サイトも運営している。

なお、同社では保険代理店事業のほかに、コールセンターによる同様のビジネスモデルで新電力の提案を行う法人コンサルティング事業や、輸出入のサポートや市場調査を手掛ける海外事業等も展開している。

同社の代表取締役会長兼CEOの奈良秀二氏は、2004年に情報通信業のホールディングカンパニー（東証一部上場企業）に入社し、1年後に保険商品を扱うフィナンシャル事業部に異動。コールセンター長、事業部長、パートナー事業を経験後、「自分で仕組みをつくりたい」と独立し、2010年10月にエコスマートを設立する。

掲げた経営理念は、「世界で一つでも多くの『ありがとう』を頂ける企業を目指します」。
「お客様はもちろん、従業員や取引先、地域社会等、関係者全てを大切に考え、“ありがとう”と言っていただける会社であり続けるということです」とインターネットメディア事業部長の佐藤寛己氏は説明する。

目指すは業界のリーディングカンパニー。そして、その成長戦略の根幹に据えているのがWebマーティングやデータ活用等のデジタル化だ。「デジタル革命によるお客様のニーズに対応し、LTVの最大化」というビジョンを掲げ、会社としてデジタル活用に挑戦していく。

「業界では、まだ実店舗やWebサイトを構築して集客を行う“Web1.0”レベルが主流です。実店舗チャネルからいち早くオンラインや電話という非対面・非接触のチャネルに100%シフトした当社は、既にInstagram等のSNSを活用する“Web2.0”に着手し、これから拡充させていきます。さらに、データの所有権が個人に帰するようになる“Web3.0”の時代を見越して、個人のデータで最適なライフプランや保険商品の設計ができるシステム構築を検討していきます」と佐藤氏は意気込む。いわば、保険コンサルティングのシステム化で、それでは解決しきれない部分を人がフォローアップするというイメージだ。これによって、特にデジタルに親和性の高い若年層から選ばれるチャネルを目指す。

同社の従業員数は約150名で、うち正社員は100名ほど。その90%以上を営業職が占める。したがって、組織風土も営業主体に考えられており、生産性が高い組織運営を実現させるマネジメント理論を導入した経営が行われている。具体的には、個々の営業担当者や組織に対して明確な目標が課され、一定の期限までに達成することが求められるために、様々なルールに基づく管理が行われる。逆に言えば、それ以外のことに気を配る必要はなく、人間関係に煩わされる必要もない。
また、管理を徹底させるために、同社では出社によるオフィスワークが決まりだ。

一方、エンジニアやデザイナー等からなるインターネットメディア事業部は、例外的な組織運営が検討されているところだ。佐藤氏は次のように説明する。

「現在のスタッフは、エンジニア経験のある私とWebデザイナー、業務委託のエンジニアが主体となり、外部ベンダーをコントロールして運営しています。今後エンジニアやデザイナーを増員し、いずれは内製体制に持っていきたいと考えています。そこで、当事業部においては全社的に導入している組織運営の考え方をベースにしつつも、例えばリモートワークも認めるといったようにエンジニアが求める働き方ができるようにしていきたいと思っています」

そんな同事業部では、自社サービスに携わりスケールさせていく醍醐味や、スケールに伴うクラウドやセキュリティ等の技術レベルの向上を享受できるだろう。また、飲み会や社員旅行といったウェットな社内イベント等に無縁で、個人やチームとしてやるべきことに集中し、出した結果に対して正当に評価されるシンプルな就労環境がある。実力で勝負したいという人材には、うってつけの企業といえるだろう。