ジーアイクラウド株式会社

ジーアイクラウド株式会社は、Google Cloudに特化したシステム開発会社。Google Cloud を基盤としたシステムの設計・構築から運用・保守まで一気通貫でサービス提供している。最小構成でのスモールスタートから、エンタープライズ規模のシステム開発まで、クライアントのニーズに合わせ提案。Google Cloudの認定プレミアパートナーとして、クライアントのDX（デジタルトランスフォーメーション）を支援する。

「Google Cloudを活用したクラウドネイティブなWebアプリケーション開発や、既存システムのクラウド移行、さらに『データ分析基盤構築×AI』の組み合わせで、クライアントのDXに貢献します。Google Cloudは、月間60億時間分の動画を再生する『YouTube』や、10億人のユーザーが利用する『Gmail』と同じインフラを使っています。だから、セキュリティ面で安全、かつビッグデータの処理を得意としています」（代表取締役社長・山崎祐氏）。

データ分析基盤として優れているGoogle Cloudを専門に取り扱うジーアイクラウドでは、データ活用によるDXを推進する企業に対して、様々な形でサービスを提供する。

「ジーアイクラウドは、Google Cloudのエンタープライズ向けデータウェアハウス『BigQuery』を用いたデータ分析基盤の構築を得意としています。またデジタルマーケティングの分野では親会社の伊藤忠インタラクティブと連携し、Google Cloudによるデータ分析基盤を活用したデータドリブンマーケティングの戦略立案からプロモーション設計・広告運用まで一気通貫で支援します。」（山崎氏）。

そのほかにも、ガイドライン制定やルール化によってクラウドを安全に利用するための仕組み作り（CCoE：Cloud Center of Excellence）の支援や、内製化を志向するクライアントに対する技術支援、Googleが提供するオフィススイートであるGoogle Workspaceの導入支援など、Google Cloudに関するサービスを幅広く提供している。

「Google Cloudを専門とするエンジニア集団として、ニーズにあわせたサービスを提供し、お客様のよきパートナーとして伴走することを目指しています。」（山崎氏）。

ジーアイクラウドは、伊藤忠グループに属する企業。2021年4月に、伊藤忠商事の100%孫会社として設立された。ジーアイクラウドの代表を務める山崎氏も、長年、伊藤忠商事で活躍してきた人物。ジーアイクラウドの設立に際し、代表取締役に就任した。

「伊藤忠商事の『情報・金融カンパニー』で十数年にわたり、ITや金融系の事業開発を手掛けてきました。パブリッククラウドの活用が『当たり前』化し、AWSやAzureが日本市場において先行しています。そんな中、Google Cloudは国内市場においては後発ですが、近年最も高い成長率を誇ります。一方で、Google Cloudのスペシャリストがまだ市場に少ない。Google Cloudに強いエンジニアはニーズが高いと判断し、Google Cloudに特化したシステム開発会社であるジーアイクラウドが誕生しました」（山崎氏）。

伊藤忠商事といえば、日本を代表する総合商社。その名を知らない人はいないであろう。総合商社の業務は多岐にわたり、有望な市場への投資もその一つ。ジーアイクラウドの設立は、伊藤忠商事がGoogle Cloudの可能性、そしてデータ活用に投資したともいえる。

「当社の親会社は伊藤忠商事株式会社の100%子会社である伊藤忠インタラクティブ株式会社です。伊藤忠インタラクティブは、デジタルマーケティング等を手掛けるデジタルエージェンシー。データ分析基盤に強みを持つGoogle Cloudを活用してシナジーを生むために、伊藤忠商事が主導する形でジーアイクラウドが設立されました」（山崎氏）。

伊藤忠商事グループといえば、主要子会社であるCTC（伊藤忠テクノソリューションズ）の名前が思い浮かぶエンジニアは少なくないだろう。Google Cloudへの投資ならCTCを通じて行えるのでは、と考える人もいるだろう。しかし、CTCはマルチベンダーを基本としており、同じクラウドサービスであるAmazonのAWS（Amazon Web Services）やMicrosoft Azureも活用している。そこで、新たにGoogle Cloudに特化した会社として、ジーアイクラウドが設立された。

「伊藤忠商事の資本が入っているからこそのプロジェクトの多様性が当社の特徴です。伊藤忠商事のクライアントやCTCから案件を請けることもあり、エンタープライズ企業のシステム開発やDXプロジェクトに参画しています。その一方で、成長企業向けに法人クレジットカードを提供するUPSIDER社との事業提携に代表されるように、スタートアップや中小企業のGoogle Cloud活用も支援しています。」（山崎氏）。

伊藤忠商事の100%孫会社だから、経営の安定性は抜群。Google Cloudのスペシャリストになれば、市場価値が高いエンジニアとして活躍できる。

「ジーアイクラウドでなら、Google Cloudに軸足を置いてキャリアパスを築けます。AWSやAzureでの開発経験があるエンジニアはもちろん、オンプレミス環境で活躍してきたエンジニアでもキャッチアップは可能だと考えています。会社を大きくするためには、積極採用でエンジニアの増員を急ぎます」（山崎氏）。

ジーアイクラウドは、伊藤忠商事の人材2人と、Google Cloudの専門スキルを持った8人のエンジニア・1人の営業でスタートした。伊藤忠商事が立ち上げた会社だが、組織作りはエンジニア主導で行ったという。

「IT業界にはまだまだ過剰労働な現場も残る等、働き方改革の推進が必要です。クラウドの普及によって、エンジニアの働き方も変えられる。そう信じて、会社設立時に『クラウドで日本のIT業界を変革し、世の中をもっとハッピーに』という理念を、エンジニア達と一緒に作りました。ジーアイクラウドもエンジニアが楽しく働ける組織にしたいと思っています」（山崎氏）。

11名でスタートしたジーアイクラウドは、2年も経たないうちに30名を超える会社に成長した。SI業界を中心にGoogle Cloudのスペシャリストを目指すエンジニアが集まってきている。同社が採用ターゲットにするのは、日本全国で暮らすエンジニア。フルリモート体制を採用しており、働く場所は問わない。

「当社のリモート率は会社全体で95%。エンジニアはフルリモートワークが可能です。会社設立時に、エンジニアにとって働きやすい環境を考えた結果、通勤にかける時間と労力を開発作業や自己研鑽に充てる方がよい、という結論に至り、創業時からフルリモートを前提とした仕組みにしました。コミュニケーションにはSlack等のツールを活用しながら、定期的にオンラインでのミートアップを開催するなど、社員が率先して色々な取り組みをしています。」（山崎氏）。

営業やバックオフィスのメンバーは出社の機会も多いが、社内システムや業務はすべてリモートワークを前提として設計されており、PCがあればどこでも働ける。働く場所に制限を設けず、ワーケションも可能。バケーションに行った先で平日は仕事、休日はバカンス、そんな働き方もOKだという。

Google Cloudという新しい技術に特化していることもあって、ジーアイクラウドは若いメンバーが中心。平均年齢は34歳。20代のメンバーも非常に多く、カジュアルでフラットな組織・カルチャーだという。

「技術好きなエンジニアが集まっているから、Google Cloudのスペシャリスト集団として情報発信にも力を入れたいと考えています。技術ブログとnoteを開設して、技術のことや会社のことを積極的に情報発信しています。創業期から情報発信を始めたのは、会社が立ち上がるリアルな様子を記録に残したいから。今のタイミングだから持っている熱量があると思います。それを残して共有することで、会社の軸が創成されていきます」（山崎氏）。

有志のメンバーで運営されている技術ブログとnoteは、まだ立ち上がったばかりのスタートアップならではの「手触り感」に溢れている。ジーアイクラウドでのキャリア形成に興味を持ったエンジニアは、是非一読してほしい。