ご略歴をお教えください。
大阪大学法学部法学科の学生であった1997年に『CYBERSPACE』という本で仮想社会に強く惹かれ、いずれサイバー空間に関わる仕事をしたいと思うようになりました。もともと小学生のころからパソコンを利用し始め、ゲームシナリオのなかの世界や、ユーザーが作り出す通信の中の空間に魅力を感じていたことからも、この『CYBERSPACE』という本から受けた影響は大きかったです。 1998年に大学を卒業後、技術スキルを身につけながらやりたいことに最も近づけそうな企業を探して、長野県の松本市にあった富士通パソコンラボ(現在は富士通に吸収合併)に入社しました。そこでは、Windows管理システムや、富士通製のPCにプリインストールされるソフトウェアの開発に携わります。2001年には富士通本体のモバイルフォン事業本部に出向となり、FOMA初期モデルのOS開発を手掛けました。 社会人になって5年ほど経った頃、ビジネスについて何も知らないと自覚させられることがありました。何か勉強をしようと、中小企業診断士の資格を取ることにしたのです。試験がある頃には独立を想像しはじめ、中小企業診断士の試験に合格していれば中小企業診断士として、不合格でもエンジニアとして独立すればいいと考えました。結果的に試験に合格したので、2003年に札幌で島谷中小企業診断士事務所を独立開業します。その業務の中で、売り上げ増やWebマーケティングに関する相談が非常に多かったことから、2006年2月にインターネット広告を手掛ける株式会社を2名の仲間と設立しました。 2003年にアメリカで「Second Life」という仮想空間のインターネットサービスがリリースされ、私も独立開業が波に乗り始めた2005年に初めて体験してみました。サービス内での3Dクリエイティブ、そして現金に交換可能なバーチャル通貨によるアイテム売買による経済活動の存在に、「いよいよ来たか!」と、自分が大学4年の時にやりたいと感じていた世界が目の前に現れたという感覚がありました。すぐにでもこのビジネスを手掛けたいと思いましたが、インターネット広告企業の設立を進めていたのでまずはそちらを優先し、更に4か月後の2006年6月に東京でメタバーズを設立したという経緯です。 現在本社は京都に有りますが、土地にこだわらず「メタバースの会社」として世界に向けたビジネスを行っていきたいと考えています。
御社を設立して、どういったことが実現しつつありますか?
何かをつくり上げたと大きく誇るようなものはまだありませんが、日本初の"メタバース専門企業"としてスタートし、今日まで続けられていることは誇れるのではないかと自負しています。 というのも、日本では2006年の終わりから2007年にかけて「Second Life」がブームになり、数多くのプレーヤーが参入してきたものの、現在ほぼすべての専門事業が撤退してしまったからです。そして当社は2021年頃からの第2次メタバースブームに参加することができています。当社のような存在は、日本では他にないと考えています。
社員に対して、どういった存在になってほしいかの想いをお聞かせください。
家庭の事情や本人の病気、貧困などの理由で現実世界ではやりたいことができなくなった人が、世界には非常に多くいると思います。しかし、メタバースはそんな人たちのやりたいことの実現に向けて道を拓き、希望の光となる可能性があるのです。当社は、メタバースでこのような人たちを助けたいと思っています。ぜひ、みんなで一人でも多くの人を助け、自分たちも幸せを感じるようになりましょうと言いたいです。 私は大学で政治学を専攻しました。そんな私がこういったことに取り組みたいと思う根底には、世の中が良くなって、人々に生きがいが溢れ、幸せに暮らせるようになることへの関心が強くあると思います。
島谷さんの仕事観をお聞かせください。
仕事とは、人を喜ばせて対価としてお金を得ることと定義できると思います。その対価を払う人は、お金を得るために頑張って人を喜ばせる仕事をするわけです。つまり、仕事が連鎖することで世の中の富が増え、幸せな人が増えるということです。そんな連鎖の一環となる仕事を自分はしたいですね。 反対に、"投機"などによる不労所得はあまり好きではありません。まず一番大切のは、エッセンシャルワーカーとかクリエイターと呼ばれる人たちの存在。自らの手で直接人を喜ばせる仕事をする人たちが一番重要な仕事ではないかと思っています。
求職者へのメッセージをお願いいたします。
当社は2022年5月現在で社員数7名という少人数で、仲間が少なく、安定性もあるわけではありません。しかし、だからこそ、これから加わってくれる人には何でもやって差し上げたいと真剣に思っています。 もちろん、当社の目的はメタバースを通じて人々を幸せにすることで、その実現のためになることが大前提ですが、新メンバーの人生の目的と繋がる会社でありたいとの思いが強くあります。 例えば、メタバースの中で何か事業を始めたいといったことも応援できます。ですから、やりたいことはあるけど今の会社では実現できない人や、最初の一歩を踏み出すことができていない人も大歓迎です。当社で一緒にやりたいことに取り組んでいきましょう!