株式会社ルミナスネットワークス

2019年5月に愛知県名古屋市で創業された株式会社ルミナスネットワークス。広告代理店でウェブマーケティングの仕事に従事した後、SIerでエンジニアとして3年間働いた代表取締役社長の生田寿行氏が、仲間のエンジニアと2名で立ち上げたベンチャーだ。

同社の事業は大きく二つ。ビッグデータやAIを活用したウェブマーケティングサービスの自社開発事業と、新しい技術を積極的に取り入れる受託開発、SESの事業だ。

創業に当たっては、熱い思いがある。生田氏は次のように話す。

「エンジニアの仕事は日進月歩で新しい技術がどんどん出てくるからこそ、開発の仕方だってどんどん変わっていくべきなんです。なのに、特に日本の企業のほとんどが昔のやり方にこだわり続け、たまたま成功したやり方を踏襲し続けています。もしくは、上の人が決めたルールに従って働くだけ。広い目で世界を見ると、諸外国でそんなガチガチな仕組みの中で仕事をしている会社なんてほとんどないんです。もっとフランクに、自由に仕事をし、開発の仕事を楽しんでいる」

いわゆるメンバーシップ型雇用ではなく、ジョブ型雇用にこだわりたいという強い思いでもある。

「海外のように、できる人が仕事にアサインされる、そんな実力主義を徹底していきたいんです」（生田氏）。

エンジニアという職種は「人」が財産であり、「知識」が財産だ。だからこそ、沢山の知識を持ち、経験をしっかり積んでいる人が、お客様に沢山の価値を提供すれば、当然評価が高くなる。「社内政治」と言われるような、ゴマスリの上手い人がのし上がったり高給取りになるようなことがあってはいけない。

「透明性の高い評価制度を導入しているので、パフォーマンスを出していければお客様の声をそのまま給与にも反映させます。最初は少ない給与から始まる可能性はありますが、本当に実力がある人であれば、すぐに上がりますよ」（生田氏）。

同社は、名古屋市が先端技術産業の振興を目的にした「なごやサイエンスパーク」事業の研究開発拠点であるサイエンス交流プラザに誘致されている「選ばれし企業」だ。大学教授や研究者が事業内容や企業理念を基に選出しており、成長の芽がある企業として期待されている。

選出されたきっかけとなったのが、同社が手掛ける自社プロダクトだ。ビッグデータとAIを活用し、そのものの「強み」を見つけてマーケティングに生かす仕組みを搭載したシステムで、SEOや集客支援にも繋げられるプロダクト。来年をめどにパッケージ化してリリース予定だ。

「当社は古い技術にはこだわらず、積極的に新しい技術を取り入れています。受託開発やSESにおいても、WebアプリケーションのフロントエンドではVue.js、React.js、TypeScript等幅広く扱いますし、バックエンドならPythonやJava、プラットフォームはAWSをはじめ、GCPやAzure等、大手が出している一般的なプラットフォームがメインです。スマートフォンアプリケーションではFlutter、Swift、Kotlin等、システムを作るための技術を包括的・網羅的にカバーしており、どのような領域に特化した方でも活躍していただけるはずです」（生田氏）。

同社のエンジニアは「一人で何でも作りたい」タイプの人が多く、世の中にあるあらゆる技術を引っ張ってきてでも、自分で何かを完成させたいと考えているという。

「だから一つの技術に特化するのではなく、これとこれを組み合わせたら完成できるというような絵を描きたい人には楽しめる環境だと思います。そういう熱意は大事にしていますし、基本的に失敗してもいいと思っています。技術が好きで、ベンチャー企業でアメリカンドリームを狙っていきたような人なら、いくらでも好きなことができるはずです」（生田氏）。

同社の現場では、特にプロジェクトマネジメントができる人材を求められることが多くなっているという。リーダー経験を生かしたい等、PMとしてのスキルアップを目指したい人にはチャンスが多そうだ。

「仕事である以上、自分がやりたいことができるかどうかは、自身のプレゼンスキルや目の前の仕事がちゃんとやれているかどうかで判断したい」と話す生田氏。実力主義にこだわるからこそ、最初のうちは理不尽なこともそれなりに許容しながら、やりたいことを掴んでいくことは大事だし、「自分はこれしかやらない」と限定するような人にはチャンスも掴みにくいだろう。

「コミュニケーションは苦手でもいいと思っています。それよりも、コンピューターが好きでたまらないとか、パソコンに触れ合う時間がとにかく長いとか、コンピューターに対して愛情が深いような『ITオタク』である方がいいかもしれません。なおかつ、何事にも諦めない人や、自責思考の人と一緒に働きたいですね」（生田氏）。

優秀な人がちゃんと稼げる会社にしたいからこそ、「誰がどの仕事でいくら売り上げているから給与はいくら」が明確に分かるような、透明性の高い評価制度を採用している。

また、技術系の支援制度も充実。プロゲート等、やったことがないプログラミング技術を磨きたければ会社が購入したアカウントを付与するつもりだ。また、「Hack The Boxでペネトレーションテストのスキル向上に励みたい」といったような、身に付けたい技術がある場合も、予算に応じて会社が支援するという。

「逆に、リーダー研修みたいな、かったるい研修は一切やりません。技術特化で考えています」（生田氏）。

社員への支援というところで面白いのは、一人につき毎月1ケース（24缶）、エナジードリンク等、好きな飲み物を支給している。また、モニターが追加で必要なら会社が購入する等、作業効率を上げるための支援には積極的だ。

「基本的には、やりたいことができる会社にしたいと思っています。技術関係のことをしっかり勉強して一歩先を目指したいとか、人よりも一歩前に出るために技術力を上げたい等、キャリアを積むことに貪欲な人にはいくらでもサポートしたいと思っていますし、それに見合った仕事もちゃんと用意したいと考えています」（生田氏）。

「うちを踏み台にして、独立するなり、次のステップを目指してもらってもいい」と断言する生田氏。技術にこだわりたい人には、申し分のない環境と言えるかもしれない。