株式会社アクシス

株式会社アクシスは、受託によるシステム開発とパブリッククラウド・プライベートクラウドの構築等のインフラ構築、ユーザーサポート業務を手掛けると共に、自社プロダクトの開発・展開も行っている。
1997年10月の設立から着実に成長を続けており、2022年度は過去最高益を達成する見込みだ。
この堅実な成長を支えている強みの一つが、川上から川下までワンストップで対応できる幅広い技術力と、アウトプットの質を高める業務知識&利用者目線にある。

システム開発であれば、企画・設計から運用・保守まで対応。インフラ領域においても、パブリッククラウドの拡張設計・セキュリティ設計・実装からデータセンター・物理サーバの購入選定、プライベートクラウドの仮想環境のインストール、ネットワーク、セキュリティ、負荷分散、冗長構成の構築・運用、ゲストOSサーバの提供まで、クライアントの要望やその先にいるユーザーのニーズにまで視野を広げて最適なシステムやインフラに仕上げる実力を備えている。
「例えば、単にホームページを運用したい場合と画像投稿や動画配信サービスを行いたい場合では必要なハードウェア構成からして違います。サービス内容や規模に応じて柔軟にインフラ構成を考え、機器選定、設計、構築できなければ、お客様に満足いただくことは難しいのです。しかし、インフラ構築だけを行う会社だと、業務知識やエンドユーザー理解といったサービスに対する知見が不十分ということが少なくありません。一方、お客様もインフラに関して深い知識を持っているとは限りません。そのため、両者の間で情報共有に齟齬が生まれてしまうのです」（代表取締役 CEO・宮腰行生氏）。
結果、‘帯に短し、襷に長し‘のようなインフラが出来上がってしまうことになる。その点、アクシスはB2Cビジネスを展開しているクライアントとの長期にわたる取引を通じてエンドユーザーや業務に関する知見を深め、クライアントに対する提案力にも磨きをかけてきた。その結果、「サービス利用者本位の企画」をクライアントと共に考案する力を培ってきたわけだ。この点が高く評価され、営業部門を持たずに、紹介メインで事業を拡大。また近年は、サービスにおけるデータ量の増大に伴ってプライベートクラウドを構築したいという引き合いが数多く舞い込んできているという。

受託における数々の経験は、自社プロダクト開発にも活かされている。
例えば、コワーキングスペースやレンタルオフィス等、スペースシェアビジネス専用の予約・運営システムである『Core-Space』は、ビル一棟の管理システム開発案件で培ったノウハウを汎用化したプロダクトである。予約受付から施設内のIT設備までを一元管理できるもので、コロナ禍によるオフィス縮小ニーズを背景に「毎週のようにアポイントが入っている」ほど好評を博している。

「複数のECショップを運営してマルチテナント化したいものの、数万点にも及ぶ商品や価格情報をシーズンごとに登録するのは大変で二の足を踏んでいる……。商品コードを変更すると、モールでの人気商品ランキングや商品レビューが消えてしまうので、商品コードを変えずに複数ショップを一元管理したい……。
こんな悩みを解決してくれるのが『EC-ceed（イクシード）』ですが、これも蓄積してきた業務ナレッジを集約することで誕生しました」（宮腰氏）。

業界トップクラスの強固な基盤で安全・安心・速いVPSサービス『Pro-Web』や、ジェイズ・コミュニケーション社が開発したインターネット分離ソリューション『RevoWorks』を月額定額制で提供するサブスクリプションサービス『AXISスマートブラウザ』にも、受託で培った経験や技術、ノウハウが散りばめられている。
「今後さらに自社プロダクトを拡充していきたいと考えていますが、受託を止めるつもりはありません。理由は、移り変わる市場ニーズや新たな技術等を吸収するのに、受託事業が適しているからです。そのため、受託で得た技術や知見を活かして新たなプロダクトを生み出していくというサイクルを回しながら成長していくのが当社の思い描く成長戦略です」（宮腰氏）。

実は、中小企業庁が中小企業の研究開発や試作品開発等を支援する『サポイン（Supporting Industry）』に採択され開発を進めているヘルスケア領域のプロジェクトがあり、2023年のリリースを目指しているという。
また、新規事業開発にも積極的で、IoTやロボティクス分野においてデバイス開発やソリューション提供を行うべく、2022年にIoT・Robotics事業部を立ち上げた。既に、中堅建設会社の依頼を受け、建設現場における安全管理デバイスの開発に着手しているそうだ。このプロジェクトで吸収した知見から、新たなプロダクトが生まれてくる日は、そう遠くないかもしれない。宮腰氏が語る成長戦略は着実に成果を上げつつあるといえるだろう。

株式会社アクシスでは、1プロジェクト・1チーム制を採用している。
事業部や課横断で各分野のプロフェッショナルな人材が集まり、クライアントの要望にマッチするチームを組むことで、顧客満足度の向上を目指すという。この手法は、クライアントへの価値提供だけでなく、社員にとっても自己成長に繋がる機会の提供に役立っているという。
「例えば、ユーザーサポート事業部のメンバーがチームに加わることで、“運用”を視野に入れたシステム開発やインフラ構築を心掛けるようになります。自分の担当分野や得意分野以外の専門性に触れることもできるので、一つのことを多角的に捉える視点を身に付けることもできますね」（宮腰氏）。

ただ、1プロジェクト・1チーム制を採用しているが故に、社員にはコミュニケーション力が求められると続ける。
「今、自分が何をしているのか、何に困っているのか。報連相をしっかり行い、チーム内で情報共有ができなければいい仕事はできません。会話を通してお互いのことを理解し合い一体感を醸成することも大切です。社歴が長い分、当社には色々なメンバーがいるので、円滑なコミュニケーションを行うには多様な価値観を許容する懐の深さも必要でしょう。求める人材像ということであれば、コミュニケーション力に加えて、真面目に学習する姿勢も持っていてほしいと思います」

アクシスは成長機会に恵まれた会社だといえる。取引のあるクライアントには上場企業が多く、先進的なプロジェクトが少なくない。全受託案件のうちクライアントとの直接取引が大多数を占め、企画や要件定義等の上流工程から受託する案件が少なくない。しかも、運営やユーザーサポートまで請け負うことが多いため、プロジェクトの川上から川下までワンストップで経験できる。
「OJTによって、現場でお客様のソリューションにフォーカスした実践的な教育を受けることもできます。ただ、このような環境を活かせるかどうかは、本人の意欲次第。そのため、学習意欲や学習姿勢は大切にしたいと思っています」（宮腰氏）。

特に、クラウドファーストとなっていく時代、インフラの川上から川下まで経験できる企業は数少ないのが実情だ。その経験を積めるだけでなく、「スキル次第では、仮想環境をハードウェアから立ち上げる等、通常では経験できないプロジェクトに従事することも可能」だという。
「システムの基盤であるインフラを、お客様が満足できる形で構築できれば、大きな信頼に繋がります。アクシスなら、この信頼を勝ち取るためにチームでスキルアップしていく喜びが味わえるはずです。そして、気付いたらトップエンジニアになっているということも。何より、インフラ好きなら最新のハードやセキュリティに触れられる楽しい環境がありますよ」（宮腰氏）。