御堂筋税理士法人

1991年6月の設立から長年にわたり、顧客となる企業や個人事業主に対する決算申告や節税対策といった税務業務のサポートサービスを提供してきた御堂筋税理士法人。これまで同法人では、ITや人事といった領域における経営サポートを行う株式会社組織デザイン研究所と『MDSJグループ』という企業グループを形成し、その母体となりながら顧客の経営に関する支援事業を全方位的にカバーする体制を取ってきた。2022年4月からは、M&Aや事業継承を担当する部署を株式会社リガーレとして分社化し、さらなる体制強化を図る段階になっているのが、同法人の現在の姿だ。

「税務・会計」「事業継承コンサルティング」「M&Aコンサルティング」「個人資産税」「人事コンサルティング」「ITソリューション」「経営コンサルティング」という七つのソリューションを事業として展開する同法人の活動には、どのような特徴があるのか。その質問に対し、同社のHR推進室のマネージャーである梅原達彦氏は次のように答えている。

「創業者である小笠原士郎が個人事務所として立ち上げた当時から、私達は“経営者のパートナーとなる”ことをメインテーマにして事業に取り組んできました。スタート地点となっている事業は税務・会計業務支援ですが、企業は決算の内容を基に次期に向けて何をすべきか、中長期的にどのようなプランが必要かを考えます。その経営計画に関して、人事や組織マネジメントに関する問題、DX推進、事業承継や売却等、課題解決に網羅的に対応しながら、顧客の永続的な拡大を支援してきたのが当法人の特徴だと思います」（梅原氏）。

税務や会計といった経営の中心ともいえる領域の業務支援によって顧客のビジネスに深く関わりながら、経営に関する様々な課題解決をサポートする。その全方位からの事業拡大支援体制があることが同法人の特徴であり、『税務顧問』としての立ち位置から“できることは全てやる”という姿勢が強みにもなっているということだ。

「税務顧問としての役割を担い、信頼関係を構築した状態から支援できるというのが当法人の強みだと思っています。寄せられる相談は、その8割以上が黒字経営の企業様からのものであり、ほとんどがご紹介から発生する案件になっています。この事実は、当法人への信頼の証しであり、企業経営に深く入り込みながら課題解決の実績を積み上げてきたからこその結果だと思っています。また、ご相談の内容に関してもそのほとんどがポジティブなものであり、黒字企業のさらなる発展や活性化を目指した改革支援に携わっているのも、当法人の特徴なんです」（梅原氏）。

顧客企業の経営の中心に携わり、数多くの実績を積み上げながら信頼を獲得してきた同法人だが、現在はIT領域でのコンサルティングを担う人員強化を推進しているという。同法人のITコンサルティング案件は、既存顧客のIT関連相談に対応するプロジェクトが多く、個々のコンサルタントが独自の手法によって顧客企業と相対しながら課題を解決していく業務スタイルとなっている。そのスタイルを貫けるのも、これまでの実績によって築いた信頼関係が武器となり、頼られる存在としての価値を発揮できるからだろう。同法人でITチームリーダーを務める林優弥氏は、そのコンサルティング業務について次のような印象を語ってくれた。

「私達がご相談いただいているのは、規模がそれほど大きくない案件がほとんどです。“自社の業務システムの全面リプレイス”や“100人月レベルのリソースを必要とするシステム構築”といった大掛かりなものではない一方で、経営会議にコンサルタントとして入り込みながら顧客にぶつかり、プロジェクトをコントロールしていくという役割を担う。それが当法人で手掛けるプロジェクトの特徴だと言えるでしょう」（林氏）。

人員を多数動員しながら推進するような規模の大きさではなく、一人のコンサルタントとして知見を提供しながら、課題の深い部分にも関与した上で解決を目指す。それが同法人のITコンサルティング業務であり、その活動を通してコンサルタントとして大きな喜びを感じられるはずだというのが、林氏の見解だ。自らの考えを基に自由な発想からアイデアを出し、自分の力で顧客のニーズを満たすアクションを起こすことができるのが、その業務で感じられる最大の魅力だということだろう。林氏は、「SIer企業等での巨大プロジェクトでは感じられない、顧客に寄り添いながら変革を実現するという面白味がある」とその業務の魅力も語ってくれたが、その点については梅原氏も同様に感じている。

「税務顧問としての立ち位置からスタートすることもあり、ITコンサルタントとして接するのはその企業の社長であるケースが多く、経営の深い部分を知りながら伴走するのが私達の業務になります。企業活動における一つの領域であるIT部門だけの改善を目指すのではなく、真の意味で“経営のパートナー”として顧客に寄り添い、時にはプロジェクトをリードしながら、経営の全体を見据えた支援を行う。それが当法人のITコンサルティング業務なんです」（梅原氏）。

顧客企業が抱える経営課題の解決にトータルに取り組む同社では、自社の存在意義として「健全な企業成長と財産継承を通じて、いのちを育む栄養を生み出すことをミッションとする」ということを掲げている。この言葉は、組織としての利益を追求することだけではなく、働く社員一人ひとりの成長を同法人の最重要課題としていることを表している。その姿勢に関して、梅原氏は次のように語っている。

「私達は、“育成”ではなく“成長支援”という言葉で表現していますが、社員一人ひとりが何をしたいのかを確認し、法人として全力でサポートするという考えを持っています。当法人では、例えば『経営×人事』『税理士×IT』等、社員達が掛け合わせのキャリアを志しているというカラーがありますが、自分の市場価値を高めることが顧客支援に対する関する価値を高める、という共通理念があるからなんです。社員の向上心、意欲を最大限に発揮してもらい、キャリアを高めることで事業の価値を高める。そのための成長支援に力を入れるということを、当法人では大切に考えているんです」（梅原氏）。

行動規範として「自彊不息」「ええやん！」「さすが！」「経済と道徳」の四つを掲げているが、そこには自身が商品として成長すること、そして積極的な提案とプロとしての業務クオリティーで顧客の満足を目指す活動に注力したいという、法人としての思いが込められている。また、企業としての倫理感だけではなく、ダイバーシティも重視する同社では、その働きやすさから高い生産性と人材の定着率を達成しているということだ。その社風について、林氏は次のような実感を語ってくれた。

「中途採用で入社した私自身、当法人には色々な雰囲気を持つメンバーが揃い、それぞれがベストだと考える働き方ができていると感じたことを覚えています。そんな多様性のある職場は、自分の考えを持って仕事に取り組みたい、自己成長を果たしたいと考える方には、最適な環境なのではないでしょうか」（林氏）。

働きやすさに加え、月次で実施される目標管理制度、実務時間の一部を自己成長のための取り組みに費やすことができる『15%ルール』等、独自の仕組みや制度によって社員をサポートしているのも同社の魅力の一つだ。最後に、梅原氏は転職者に向けて次のようなメッセージを送っている。

「“出る杭は伸ばす”という考えがあり、強みを掛け合わせて価値ある人材に育ってほしいというのが当法人の考えです。働き甲斐を感じながら、自分自身のなりたい姿を追求できる環境が当法人にはあると思いますので、キャリア形成しながら自身の価値を高めたいと考える方々に、是非来ていただきたいと思っています」（梅原氏）。