コアネットインタナショナル株式会社

コアネットインタナショナル株式会社は、データセンターの運営を中心に、システムインテグレーション、BPOなどの事業を手掛けるシステム開発会社だ。メインであるデータセンター事業では、24時間365日の監視体制でハウジングサービスやホスティングサービスを提供している。

「データセンターは地盤が硬く地震に強い立地にあり、高度な情報管理施設の証しである「ティア3」相当の設備を整えています。お預かりしているデータは遠隔地にバックアップしているため、自然災害や人為的災害が発生した際も、クライアントには安心してもらえます」（代表取締役社長・鈴木宏治氏）。

2020年には、セミオーダー型プライベートクラウドサービス『Stora』の提供を開始した。顧客のオンプレミス環境と接続し、クラウドとオンプレミスを併用したハイブリッド環境を提供することができる。代表的なパブリッククラウド環境と接続し、『Stora』経由でパブリッククラウド上に構築している稼働環境の監視を行うこともできる。

「『Storaクラウド』はセミオーダー型のプライベートクラウド環境を提供するIaaSです。SaaSプラットフォームとして活用でき、『Storaクラウド』にアプリケーションを搭載するだけでSaaSサービスを実現することが可能です。パブリッククラウドは従量課金制ですが、当社の『Storaクラウド』は月額定額制で利用でき、コスト面でも安心できる点が強みです」（鈴木氏）。

『Storaクラウド』の動作環境は日本国内で自社運営しているデータセンターにあり、HCI（ハイパーコンバージドインフラ）で構成されている。より簡単にサーバー仮想化を実現するために開発されたHCIは、1台の物理サーバーの中に、サーバー仮想化に必要なサーバー・ネットワーク・ストレージの機能が含まれている。そのため、拡張が必要な時には、イーサネットによって追加の物理サーバーを接続することで実現できる。

「『Storaクラウド』は、Nutanix、Dell、HPE、Lenovo、富士通、どのベンダーのサーバーでも構築可能な、VMware、AHV、Hyper-Vのマルチハイパーバイザーです。個別要件に対応し、クライアントが望む環境を構築します。もちろん、監視、データ保護、バックアップ、インストール代行など、マネージドサービスにて最適なプランを提供しています」（鈴木氏）。

データセンター事業と並ぶコアネットインタナショナルの事業が、システムインテグレーション。卸売業、製造業、鉄道業等の顧客向けに、販売管理、物流システム、生産管理・会計・原価管理システム等の業務システムの構築を手掛けている。ITシステムの企画、設計、開発、環境構築、導入、保守等、一貫して対応できるのが特徴だ。

「当社は、自社でデータセンターを運営しているため、企画立案から運用までワンストップのサービス提供が可能となっています。企画、開発、運用で担当する会社が異なれば、クライアントの担当者の負担が増えます。コアネットインタナショナルのワンストップサービスを活用すれば、開発から運用までの流れがスムーズとなり、コスト削減にも繋がります」（鈴木氏）。

システムインテグレーション事業の中でも、同社が得意としているのが「物流DX」。創業以来、流通業を中心とする多くの業務経験とノウハウを持ち、流通業界のデジタルトランスフォーメーションに貢献してきた実績を持つ。

「当社の創立には、流通業界のクライアントが関わっており、その後も長く流通業界のシステム開発と運用業務のBPOサービスを手掛けてきました。流通業界に携わってきた長年の経験と実績に基づく、WMS（倉庫管理）、SCM（サプライチェーン管理）を活用した物流DXには、自信を持っています」（鈴木氏）。

コアネットインタナショナルは、ソリューションサービスを展開し東証プライム市場に上場する「株式会社コア」の連結子会社に当たる。親会社の社内システムや金融業向けの開発案件が全体の3割を占め、創立に関わった大手物流企業の基幹システム案件が25%を占める。その他にも優良顧客が多く、これらの顧客と長年の取引関係を築いている。

「データセンター事業もストック型のビジネス。システムインテグレーション事業も、多くが長期的な取引のクライアント。安定した経営が可能で、社員も腰を落ち着けて働くことができます」（鈴木氏）。

同社は、駅や車内のディスプレイ、駅員用のタブレットなどに配信される運行情報のリアルタイム監視などの業務も請け負っている。社会インフラを支える仕事は、大きなやりがいを感じられる。

1984年に設立されたコアネットインタナショナルは、2023年4月現在、49名の組織だ。平均年齢は、40歳。近年は新卒採用を中心にしてきたことから、20代の社員も多い。組織階層は7等級制となっている。

「ベテランと若手が多い組織であるため、中間層の充実を図るべく、中途採用の強化に踏み切りました。中間のポジションに空きもあるので、他社での経験を生かしてキャリアアップを狙えます。若手エンジニアを牽引してくれる元気と熱意のあるエンジニアに入社してほしいと願っています」（鈴木氏）。

老舗のシステム開発会社であり、親会社が上場していることもあって、コアネットインタナショナルの就労環境や福利厚生制度はしっかりしている。

月の平均残業時間が7時間、年次有給休暇は12日～20日。未使用分は翌年度に限り、繰り越し可能となっている。慶弔休暇、産前産後休業、育児休業も実績があり、復帰後は短時間勤務も可能。子供の看護休暇や介護休暇の制度もある。健康保険、厚生年金、労働保険完備で、確定拠出年金制度も採用している。

「確定拠出年金制度は、会社が掛け金を出し、社員自身が運用することで年金資金を作り出していく、いわば公的年金制度の上乗せとなる制度です。掛け金や運用で得られた利益には税金がかからず、税制上の優遇が認められています。親会社株式に対する従業員持株会制度もあります。入会は任意ですが、社員が希望する金額を給与から天引きし、その積立金で株式を買えるような制度設計になっています。これらは、年金と株式の両面から、老後の資産形成をサポートする制度です」（鈴木氏）。

給与・賞与天引きで行う積立貯蓄「財形貯蓄」の制度も充実。一般・住宅・年金に分けられており、社員のライフプランに応じた財産形成が計画的に行える。住宅・年金の財形については、一定額の金利は非課税で、税制上の優遇を受けられる。

万が一の病気やケガ等で、長期療養が必要になった場合に、所得の一部が保証される保険制度「GLTD制度（団体長期障害所得補償保険制度）」もある。病気やケガが回復し、職場に復帰できるようになるまでの期間、最長60歳まで収入保障がされる。

「社員が長期に落ち着いて働けるように、制度の充実を図っています。会社が社員の資産形成をバックアップするのは、前時代的かもしれません。ただ、会社がバックアップすることで、社員は仕事に打ち込むことができます。生活の不安をなくして、安定して働いてもらうことで、会社も長きにわたって存続できます」（鈴木氏）。

あらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあることから、「VUCA（ブーカ）の時代」と呼ばれる昨今。コアネットインタナショナルのような安定志向の会社で働くことで、エンジニアの不安定なキャリアに一本のレールを敷くことができるのかもしれない。