ミライク社にご参画された経緯をお話しください。
もともとミライクはSI事業からスタートした会社ですが、私が外部パートナーとして仕事を請け始めた頃から、現在のデジタル・インタラクティブ(DI)事業を立ち上げたいということは言われていました。 私自身、会社を経営しながら制作現場の仕事をすることに課題を感じていましたし、もともとどうしても経営者をやりたいというタイプではありません。社長業は制作現場の業務以外にも、やらなければならない仕事がたくさんあります。制作の仕事もしっかりやろうと思えば時間が必要ですし、お客様への提案も密にやらなければ良い仕事には繋がりません。自身と同じレベルのスキルを持った人材を採用して経営に専念するか、社長を誰かに代わってもらうか、どちらかを選ぶ必要があると感じていました。 そんな時にミライクの代表を務める長島から、制作とマネジメントに専念できる環境を作るから一緒にやろうと誘われ合併しました。その後は試行錯誤を繰り返して来ましたが、2019年頃からメンバーも充実してきて、ようやく形になってきたところかなと感じています。
『KAKERU』はどのような経緯で生まれたのですか?
私がLINEに関心を持ち始めたのは、LINEがtoCサービスとして普及し始めた頃です。実際の普及率や使い方などを詳しく調べたところ、SNSやメッセンジャーなどのコミュニケーション系のアプリの中で、ユーザ数が圧倒的に多かったのです。当時は、法人アカウントを取得するためには初期費用数百万円と高額な月額利用料が必要でしたので、法人利用の敷居は高かったと記憶しています。 具体的に動き始めたのは2019年です。LINE公式アカウントがスタートしてAPIが公開がされた際に、これはビジネスになるなと感じて、受託案件の中でLINEと連携するシステムを提案し始めました。以来、問い合わせシステムや顧客管理システム、キャンペーンシステムなどの機能を作っていき、2021年10月にパッケージとしてサービス提供を始めたのが『KAKERU』というわけです。 現在、スマートフォンが私達の生活の起点となっています。特にLINEはスマートフォンユーザーの9割がインストールし、さらに95%の人が毎日起動して利用しています。LINEを使っていないと言うと、「どうやって連絡取っているの?」と聞かれるくらいの世の中になっています。LINEは日本人の考え方やマインドにすごくマッチしているサービスなのかなと感じます。
中長期的なビジョンをお話しください。
『KAKERU』は向こう5年間ぐらいの短期決戦型のビジネスだと思っています。外部に依存するサービスですのでその先は読めません。2年目の今年が勝負だと考えていますので、リソースを充実させて一気にシェアを取り、サービスプロバイダとしての実績を作っていきたいと考えています。 その一方で、『KAKERU』に続くようなサービスを現場から生み出せる体制作りも進めたいと考えています。そのための組織作りが事業部としての重要課題です。 これまで弊社のビジネスは受託案件が中心でしたが、受託ビジネスは人が動いた分だけしか売り上げを作れません。一人ひとりがいくら努力して技術力を伸ばしたとしても、給料の幅には限界があります。最近では独立する人も増えていますが、個人では出来る範囲が狭まってしまいます。 そんな中で、社員一人ひとりの給与水準を上げていくには自社サービスを立ち上げていくしかないと考えています。世の中に必要とされるサービスを生み出し続ければ、レバレッジを効かせて少ない人数でも大きな売上を得ることができますし、社員の給与水準を高めることができると思います。自らが「これは面白い」と思えるサービスを生み出していけるようになりたいと考えています。 Web3.0の世界ではより一層個人の力が重要になってきますが、個人で稼げたとしてもやれることは非常に狭まります。個人の時代とはいえ、結局は組織としての能力が注目されますので、個人を束ねる組織は必要とされるでしょう。能力を持った個人が、所属することのメリットを感じられるような組織を作りたいと考えています。
御社で働く魅力をお話しください。
弊社の魅力は、「発展性」「考え方(理念)」「社内体制」の3つです。 まず、発展性についてですが、ミライクはまだ若い会社であり、世の中の状況に合わせて常にチャレンジをしている会社です。常に前向きでチャレンジングな人なら、年齢や社歴に関係なく上のポジションに登っていける組織にしたいと考えてマネジメントしています。「将来的にはこうなりたい」「こういうことをやっていきたい」ということを明確に考えている、もしくはこれから見つけていきたい人にとっては、その思い描くビジョンに沿って成長していける会社だと思います。 また、給与などの考え方が日本の古い価値観とは異なります。会社が稼ぐことができれば、それがそのまま社員の給与に反映されるような仕組みにしていきたいと考えています。会社の体力としてプールすべき原資は必要ですが、私達は人が一番大事であると考えていますので高い成果を出す方にはその分還元するべきです。サービスに依存するものではなく、人が生み出すアイデアが大事だと考えていますので、社員全員に積極的に発信していただきたいと考えています。 さらに、現在人事評価制度を構築中です。私が知る限り、評価制度が充実している会社は決して多くはありません。年齢や社歴など、長く在籍していれば給与が上がる仕組みは評価制度ではありません。どれだけの貢献ができるか、どんなことが出来る能力を持っているのか、会社にとってどれだけ重要な人物なのかという、本当の実力を評価できる会社にしたいと考えています。
御社の働き方についてお話しください。
弊社では、高いパフォーマンスを出せるのであれば、基本的にどんな働き方でも良いと考えています。テレワークに関しても細かいルールは定めていません。唯一、体調不良を理由としたテレワークだけは容認していませんが。それ以外なら理由を問わずテレワークでも問題ないと考えています。体調不良の時はそもそも、テレワークで働いたところでパフォーマンスは落ちてしまいますので休んでもらうようにしています。 弊社には子育て中の社員もいますが、お子さんが急遽発熱した時など、家にいなければいけないけど仕事はできるという状態なら、当日の申請でもテレワークに切り替えられるようにしています。また本人が自宅の近所で通院をするという時は、会社と病院を往復していたら時間が無駄ですので、その日は1日テレワークにするなど状況に応じて柔軟に対応しています。 各自が責任を持って仕事に取り組み、自己判断ができるため、どんな働き方でも安心して任せられます。誰か1人でもさぼったり、体調が悪いわけではないのに休んだり、面倒くさいからテレワークにしてさぼっていたり、といったことが過去に少しでもあれば、現在の体制にはなっていないでしょう。 これからの企業は、どのようなライフスタイルを持った人でも安心して働き続けられる環境がなければ生き残れません。そのため産休や育休も自主的に取ってもらえる体制を作り、結婚時には5日間の休暇を付与するなどの取り組みも行っています。どんな事情を抱えていたとしても意欲ある人が働き続けられる会社を実現したいと考えています。